唐十郎氏著「安寿子の靴」との出会いが縁となって

読んだ

森鴎外の「山椒大夫」









先日 

  人肉食事件を起こして話題になった

佐川○○という男性が亡くなったというニュースを

知って  驚いたのですが

その事件のことを調べているうちに

唐十郎氏が「佐川くんからの手紙」という本を書いて芥川賞を受賞したということを知りました

(この本は読む気になれないのですが…)


唐十郎氏は作家としてよりも劇団主宰者として一世風靡した稀有なひと


読んでみたいと思ったのは

「安寿子の靴」「匂いガラス」

これはNHKドラマとして随分前に放映されていたらしいのですが

のちに放映されたアーカイブも

全く知らずじまい


「安寿子の靴」は森鴎外の山椒大夫安寿と厨子王を元にして描かれた作品だそうです




Youtubeで少しだけupされているのを見たのですが

ノスタルジックで幻想的な映像と音楽に

どんどん惹き込まれていきました

このふたつの作品は

機会があれば全編通して観てみたいと思います


森鴎外の本は「高瀬舟」「舞姫」を学生時代の教科書で読んだくらいで

山椒大夫は読んでいませんでした( 。_。)


ただ 「安寿と厨子王」の物語の記憶は微かにあります


ふっと思い出したのは

「安寿恋しや〜厨子王恋しや〜」を歌う老婆の姿でした


たぶん幼稚園の頃だったのかもしれません💦

絵本の読み聞かせだったのかも?


その頃の記憶が蘇り

とても哀しい気持ちになりました

すぐにでも読んでみたくなり

急かされるような気持ちで ソラリを開いて読みました


文豪森鴎外の本はさぞ難しいだろうと思っていたのですが 読み出すと

止まらなくなり一気に読み終えました

読み終えた時は少しあっけなく感じたのですが

憑依体質のワタシは暫く安寿に呪縛されていました


まだ子供の安寿と厨子王の姉弟愛♡

姉の安寿は今の中学生位の年齢なのに

頭脳明晰な大人の女性として描かれています

弟の幸せを思いそれを実現させるために

自分の頭で考え抜く姿勢は悲しいほど健気で

自立した女性でした


唐十郎氏の

「安寿子の靴」




表紙だけではこの物語に

安寿と厨子王が原型に存在していることはわからない

…この表題の秀逸なセンスを感じさせられます

「匂いガラス」にも同じ印象を受けました