あらし | 西慶子の「わては浪花のあきんどやー(仮)」

西慶子の「わては浪花のあきんどやー(仮)」

劇団虎のこ 西慶子のブログです

台風、怖いですね( ;´Д`)



ドラマのリハーサルの為、電車で向かってますが、途中で一旦ストップ。


うーん。




先日観たのは、ケラさん演出の『かもめ』。


チェーホフの作品です。


大学1年の時実習の発表で、初めて、演劇、の舞台に立った作品が、『かもめ』でした。



時代も文化も違う、異国の作品に対して、右も左も分からぬ私は、当時何を感じながら演じていたのかはっきりとは覚えていませんが。

ただただ必死で、ただただ迷い、ただただ大きな声を出し、面白みもほとんど見出せぬまま立っていたような気がします。


そして、「ブラボー!」と言う台詞に抵抗を感じ、どんな風に言えばこの自分のなかの違和感が消えるのだろうと思っていました。


私にとってスタートの作品。


で、その『かもめ』が、


ケラさんの演出で。


しかもニーナ役は蒼井優さん。


そしてそして、私の演じた、大女優アルカージナ役は大竹しのぶさん。


ときたら。

観ない訳にはいかない!




いやー。



チェーホフって、こんな面白かったの?


台詞は原作の翻訳とほとんど変わってないっぽかったのに。



あの時、全く違う時代の、全く違う文化の、私と全く別世界のものにしか感じられなかった作品が



生き生きとした、私達と同じ人間が、その時代のその国の匂いをちゃんと漂わせて生きていて。



その滑稽なこと!


人間って滑稽!


本人達あんなに必死なのに、他人からみたら、何とも滑稽!


沢山笑ったし、滑稽さがたまらなく切なくて涙がでたり。



大竹さん、蒼井さんの二人の怪物はもちろん、役者さん皆さんすばらしかった。



台詞のない役の方達も皆、ちゃんとその空気をまとっていた。



油絵みたいな濃密な美しさがあるのに、決して重苦しくない、深呼吸できる新鮮な空気があって、本当に素敵な舞台でした。



28日まで、シアターコクーンにて。


10月には大阪公演も。





関東地方、雨、風、益々激しくなっております。


他の地域もまだまだ危ないのかな。


皆様、くれぐれもお気をつけて。



私も気をつけて。