岩手花巻に到着。釜石に向かい、車での移動。沿道に「遠野」の看板を見かけ懐かしさを覚える。
釜石には2時間で到着。昼食は、仮設施設で運営されているお店に。こちらは、被災された地元で有名な料亭で、この度、ご主人が帰らぬ人となってしまった。お手頃な値段で、ウニまで登場するお刺身定食。本当に美味しかった。食事終わった頃にちょうど地震が発生。ほぼ同時に津波警報のサイレンが鳴り響く。店を飛び出し、高台にある今回の目的地へ急いだ。
数ヶ月前の話になる。とある講演会場で、20年振りにお会いした恩師との約束で今日ここに。
かつての私は新聞奨学生だったのですが(読売新聞が雇った最初留学生の新聞奨学生だった)、来日間もない25年近く前のことなので、右も左も分からない私を連れて新聞社と掛け合ってくれたのはその恩師だった。おかげさまで、大学4年間は安心して勉強に集中出来た。
先日の講演会場でお会いした際、恩師が、もともと釜石の出身であること、実家のお寺が被災にあったことを聞いた。そして、みんなが元気が出るような話を釜石でしてきて欲しいと頼まれた。気がついたら条件反射的に「わかりました」と約束をしていた。
今日、恩師の故郷、釜石に着いた直後に発生した震度4の地震とまだ残る痛々しい爪痕、そして建物がなくなってしまった、膨大な空き地。ここが東日本大震災で辛い経験を強いられ、いまだ癒されてないことをこんな私にまで強く訴えてるような気がしてならない。
東日本大震災が起きた3日前も、実は地震•津波警報があったが、全く津波は来なかった。⒊11は、地鳴りするような大きな地震に、同じように津波警報あったが、3日前の何も起きなかった記憶もあり「どうせ今回も津波など来るはずない」という心の油断が、その思い込みが多くの命を奪う原因になったようだった。
1:50時から始まり、4:00時までの与えられた時間を精一杯お話を致しました。まだ仮設住宅にお住まいの方、被災でやむを得ず、釜石を離れた方も参加して下さった。
お話を聞いてくださった方が少しでも喜んでくれ、少しでも恩返しになれたのなら私にとってもこんな嬉しいことはない。
釜石の皆さんとのご縁に感謝。