現場が変わる時、安全大会の意味も変わる──ダイバーシティと“安全文化”の再構築へ
このたび、安全大会にて講演の機会をいただきました。登壇しながら、私はあらためて今の現場に流れる「時代の空気」のようなものを、肌で感じていました。
ひと昔前の現場といえば、圧倒的に日本人男性が中心。同じ文化的背景、同じ言語、同じ価値観を前提に「暗黙の了解」や「阿吽の呼吸」で作業が進んでいました。しかし、現在の現場はまったく異なります。
たとえば建設業界では、外国人労働者が19万人近く(厚生労働省 2023年)にのぼり、女性や高齢者の活躍も日常になっています。
それはとても希望のある変化である一方、従来の「通じる前提」に依存した安全指導や現場運営が、通用しにくくなってきているのも事実です。
安全大会のテーマが変わってきている
今回の講演依頼でも強く感じたのは、「安全大会の内容が変化してきている」ということでした。
これまでのような技術的・制度的な対策一辺倒ではなく、ダイバーシティ、異文化理解、コミュニケーションといった、人と人との関係性に焦点を当てたテーマが中心になりつつあります。
違いがあるということは、誤解や摩擦を生む原因にもなります。けれど、だからといって「違いを避ける」ことは、もはや現実的な選択肢ではありません。
むしろ、その違いを理解し、尊重し合うことでこそ、安全で信頼できる職場が築かれていく――それが、これからの安全文化のベースになるのではないでしょうか。
「伝えたこと」ではなく、「伝わったこと」が命を守る
講演では、私自身の経験を交えながら、現場で起きやすいすれ違いや誤解の背景、そしてそれを乗り越えるための“心構え”や“考え方の原則”についてお話ししました。
・「言わなくても伝わる」は、幻想になりつつあること
・声をかける勇気と、聞く姿勢の重要性
・文化や年齢の違いを、リスクではなく“可能性”として捉える視点
そうしたテーマは、単なる知識ではなく、日々の実践に深く関わるものだと信じています。
安全大会は「行事」から「対話の場」へ
安全大会が「年間行事の一つ」として開催されるだけのものではなく、現場を支える人たちが、あらためて向き合い・共有し合う“対話の場”へと進化していること。
その変化の流れの中に自分もご一緒できたことに、あらためて感謝の気持ちでいっぱいです。
違いを恐れるのではなく、違いを面白がり、学び合い、力に変えていく。
そうした「共に生きる安全文化」を、これからも全国の現場でお伝えしていきたいと思います。
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