第001話 『ウルトラホーク4号』  (Bパート)

 

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【ビル街】
 
降り立った円盤から出た宇宙人と白兵戦になり、逃げる市民を守って応戦しているUST、自衛隊員、警察官ら。
 
リモートレーザーが命中すると、星人は爆発して倒れ、火を吹いてやがて消滅します。
 
ナワテ
「よ、よしっ!命中!
 レーザーで倒せる、通用するぞ!」
 
と、物陰から飛び出した星人が、襲い掛かろうとしますが、とっさにユルガ隊長がレーザー刀で切り伏せます。
さらにリモートレーザーを抜くと、少し離れた所から狙っていた星人に発射。
これも爆発して倒れると、火を吹いて消滅しました。
 
ユルガ隊長
「敵はどこにいるかわからんぞ。
 気を抜くなナワテ。」
 
ナワテ
「す、すいません。
 ありがとうございます。」
  

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【空港】
 
空中戦を演じている、空軍機と円盤。
 
数人の住民が走って逃げます。
無表情でその様子を見ている、車椅子の老人。
 

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【都心】
 
ゴウリ
「みんな早く逃げるんだ!
 こっちの裏通り側なら、今は星人はいない!」
 
次々と、星人をリモートレーザーで、撃ち倒すゴウリ。
星人の光線もかすめますが、隊員服は跳ね返しました。
 
さらに剣を抜くと、近くの星人に踊り込み、切り伏せます。
 
「ありがとうございます!」
 
子供連れの主婦らしい女性が、低い姿勢で駆け抜けます。
その向こうに立つ、帽子をかぶった少女。
 
ゴウリ
「足がすくんだのか?
 早く逃げるんだよ!」
 

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【漁港】
 
上空を飛ぶ円盤数機。
漁船らしき船が光線で爆発すると、入れ替わるように来た軍艦が応戦します。
 
漁師A
「こんな事に、なっちまって。
 何とかなるのか?」
 
漁師B
「もう、なってねぇだろ…」
 
黙って見ている、中年の釣り人らしき人物。
 

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【ビル屋上】
 
リモートレーザーで、次々に星人を倒していくユリコ。
最後に棍で、近くの星人を打ち倒します。
 
ユリコ
「これで…ここは全部かしら?
 
 これ以上は無理ね。」
 
避難を確認し、向こう側に進みゆくロボットを認めると、階下に降り出すユリコ隊員。
 
屋根の上から、長身の人物がそれを見ています。
 

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【表通り】
 
次々に避難する人の波。
 
市民A
「防衛機構は、何やってんだよ!?」
 
市民B
「頑張ってくれてるから、こうして逃げられるんじゃないのか?」
 
その様子を見ながら、テラスに腰掛けている髪の長い男性。
 
「防衛機構か…」
 

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【赤い空間の中】
 
そしてその頃、どことも知れない、赤い空間の中、
クロスはゾフィと、出会っていました。
  
ゾフィ
「君はウルトラセブンを、守ろうとしてくれた。
 だが、そのために君の方が、命の危機に陥ってしまった。」
  
クロス
「ぼくは死んだのか?」
  
ゾフィ
「死んではいない。
 だが、君を救うために、君の体は預からせてもらった。
 おそらくは、時間もかかる。
 だからそれまでの間、地球上では私の命を貸そう。」
  
クロス
「あなたの命を? それではあなたはどうなる?」
  
ゾフィ
「君と一心同体になる。
 そして地球と、平和のために働こう。」
 

 
腕時計状の物を、出されます。
  
クロス
「これは?」
  
ゾフィ
「ウルトラホープ」
  
クロス
「ウルトラホープ?」
  
ゾフィ
「困った時にはこれを使ってくれ。そうすると…」
  
クロス
「そうすると、どうなる?」
  
ゾフィ
「私の力を託し、共に向かって行く事が、出来るようになる。
 私の力を支えに、君の想いを成し遂げてくれ。」
 
こうして、ウルトラセブンはM78星雲へ戻り、
地球には、いつもは青年・クロスの心を宿し、クロスの姿をしたゾフィが、地球人として残る事になります。
 

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【街中】
 
マルチビデオシーバーを開け、自身は無事で、これから戻ると伝えようとしたところ、基地は円盤軍とロボットの迎撃で、大騒ぎになっていました。
基地の映像と座標を元に、今、もらったカプセルケースを、開けるクロス。
 
クロス
「よし、ロボットにはロボットだ!
 ゆけっ、ウインダム!」
  
投げると、空中で輝く尾を引きながら消えるカプセル。
 
そして、ロボット怪獣の目の前には白煙を巻き、ウインダムが出現します。

 


  
クロス
「ぼくが行くまで、そいつをくい止めていてくれ!」
 
マルチビデオシーバー越しにウインダムに命じると、車~≪アスベライク≫に乗って走り出すクロス。
 
クロス
「ウインダムが倒してくれれば、それに越した事無いが。
 
 そうでなくとも、ぼくが行くまで抑えていてくれたら…」
 

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一方、防衛空軍は、数と性能に勝る円盤軍を相手に、よく善戦していましたが、ついに最後の機も撃墜されてしまいます。
残念そうにする空軍、ミシマ参謀。
 
ミシマ
「だめだ!
 まだ母船と円盤、近衛機らしい円盤が数機残っているが、こちらにはもう、飛べる機体がない。」
 

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【UST作戦室】
 
携行武器のみでは、ロボット相手には戦う事が出来ないUSTメンバーも各自戻り、ただ残念そうに、作戦室に集まっていました。
 
ユルガ
「クロスだけ、まだか?」
 
ナワテ
「くそぅ!
 キリヤマ隊長の言う事を、聞いてくれていれば…」
 
ユルガ
「待てよ… キリヤマ隊長…
 
 そうだ!」
 
ユルガ隊長はある事を、思い出します。
 
引き継ぎの時、冗談めかしたように、
「まあ、何かあった時には、これを見てくれ。
 役に立つかはわからんが、私からの置き土産だ。」
と言われていた、ファイルがありました。
 
スリットに入れて再生されると、モニターにキリヤマ隊長の顔が映ります。
 
キリヤマ(映像)
『こいつは最初、うちで使う予定で作ったんだがね。
 ≪ホーク≫はともかく、これから完成するはずの新品の機体まで、上はお役御免だから解体処分しろなどと言うんだよ。
 君たちの機体がまだ、出来てもいないこの時期にだ。
 理不尽だろう?
 
 だからタケナカ参謀と相談して、これだけはとっておく事にした。
 最初で最後の命令違反だが、間違った事をしたとは思わない。
 実質、完成していたんだからな。
 使って欲しい。』
 
映像が終わると、そのまま自動でスイッチが入り、格納庫への扉が開き、誘導光がリレーで光ります。
 
ユルガ
「こんな物が…
 
 あったのか…!?」
 
ゴウリ
「ありがてぇ!」
 
こうして、
ウルトラ警備隊の最新鋭機を譲り受けた、防衛チームUSTは、秘密にされていた通路から格納庫へたどり着き、搭乗します。
 

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【極東基地内】
 
巨大な機体はゆっくりと基地内を移動してゆくと、地上では二子山の麓を流れる、夢見川の北香第2ダムがスライドして、発進口が現れます。
 
「ground gate open confirmation
 Lower the last defense wall!」
 
ユルガ
「よし、発進だ。
 
 全員、大丈夫だな?」
 
ゴウリ
「もちろんです。」
 
無事に飛び立ち、円盤軍残存部隊に向かって行く、大型新鋭機。
 

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街中で、我が物顔で暴れ回っている、怪ロボット。
必死に食い下がる、ウインダム。
周囲に滞空、時折攻撃をする円盤軍。
 
そのはるか先に、機影が現れます。

 

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【街中上空 新鋭機コクピット内】
 
ユルガ
「行けるか?」
 
ゴウリ
「大丈夫です。
 と、言うかコレ、
 今、飛行訓練している機体より、操作も簡単だし使い勝手良いですよ!」
  
ホーク最終機となる新鋭機の性能は素晴らしく、向かってきた円盤軍を次々に蹴散らし、そのままオートで3機にドッキングアウト。
 
連携こそ取れない物の、各機の性能で近衛円盤軍も徐々に一掃し、司令母船らしき、巨大円盤に肉薄して行きます。

 

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【街中】
 
一方、現れたロボットに、ウインダムは徐々に劣勢になっていく物の、何とか持ち答え続けています。
光線をレーザーショットで相殺する物の、ロボットの光線の方が手数が多く、数発浴びます。
 
そこに駆け付け、急ブレーキで止まる≪アスベライク≫。
 
クロス
「ウインダム、戻れ!」
 
到着したクロスが窓を開けて叫ぶと、ウインダムは登場時と同じく白煙を巻いて消え失せ、カプセルへと戻ります。
 
クロスは車から降りると、人がいないのを確認し、腕時計型のウルトラホープを回転。
右手を上げると光の奔流が溢れ出し、その中からゾフィが現れます。

 

 

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怪ロボットの前に、ゾフィが降り立ちます。
 
「あれは… ウルトラマン!?」

 
「いや、少し… 
 
 少し、違うようだ…?」
 
「ゾフィだ!」
 
「ゾフィ!」
 
ウルトラマンを彷彿とさせる堂々としたポーズで、怪ロボットの前に立ちふさがるゾフィ。

 


 
一瞬、驚いたようにのけ反るロボットですが、すぐに光線眼、さらに両腕から怪光線の雨を浴びせます。
 
が、ゾフィは何事も無かったかのように、すべて防ぎきり、数条の光線を束ねた光線になると、右手を開いて前に出して受け、手のひらで少し受け止めた後、拳で握りつぶします。
 
その刹那、光線は青色化して、ゾフィの拳から逆流。
逆流はカウンターのように、ロボットの光線眼に当たると爆発、煙が上がります。
 
ミサイルに切り替えるロボットですが、これも付近の建物に、至近弾が当たるとみるや、
ゾフィは右手に光球を作って掲げると、そこに吸い寄せられていくミサイル。
全弾光球に吸い込まれると、それを投げ返し、再び命中して爆発するロボット。
 
一度倒れるロボットですが、起き上がると、投射兵器は効かないと見たのか、向かって行きます。
それを2度3度、かわしながら投げ飛ばすと、最後は持たれた左腕がもげます。
 
それでもまだ向き直ると、向かおうとしますが、ゾフィが左手を胸に引くと、右手を前に出し、
白く輝く光の激流~M87光線が放たれ、ロボットに命中すると大爆発。
粉々に吹き飛んで、さらに大きな部品も二次爆発を起こし、粒子となって降り注ぎます。
 
その頃には、再びドッキングしたUSTの新鋭機により、司令母船も撃破、墜落するところでした。
 

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【UST作戦室】 
 
困難を乗り越えて全軍協力し、最後は快勝で初陣を飾ったUSTとゾフィ。
 
が、基地に戻ったクロスは、隊員達からは半ば死んだものと、疑われていました。
街に散開して戻ってきた後で、宇宙人の光線に撃たれて倒れたのを見たという、市民の報告が入っていたからです。
 
「まるで、ミラクルマン2世だな」
と、言われると、
一瞬、ギョッとしつつも、笑うのでした。
  
【第001話・終わり】

 
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