第200話 『あんた一筆大無用勝負候・藤枝』  (Bパート)

 

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【夜 科学センター】
 
警報を受け、USTのヒデコ隊員以外の、
5人が飛び込んだ時には、すでに宇宙船は、
宇宙人の遺体ごと、破壊されていました。
 
6つの影が散る中、5人がそれぞれ、
目標に向かって、駆け寄ります。
 
クロスもまた、手近の一人を追跡、
部屋の一角で、やり合いますが…
 
両手の鋭い剣のような物で、襲い来る星人。
クロスも個人装備の、仕込み杖を出して応戦。
 
盛んに攻撃する、星人を受け流し、
何とか互角に戦う物の、長引いたためか、
星人が嫌って、途中で逃走、
倒す事も捕まえる事も、出来ませんでした。
 
クロス
「今、星人とやり合った。
 みんな注意してくれ。
 
 二刀流の剣のような武器だ。」
 
ゴウリ
『ゴウリだ。
 
 こっちも、今、撃退したが、
 悪く言えば、逃げられた。
 
 こっちは、糸のような武器だった。
 それぞれ得物は、違うのかな?
 
 他の物は、大丈夫か?』
 
ユリコ
『何か鋭い、刃物か刺突武器のような物。
 
 私の七節棍の方が、リーチが長いので、
 あと少しだったんだけど、逃げられたわ。
 
 武器の相性が、良かっただけに、
 何とか、したかったけど…』
 
ナワテ
『こっちは逆に不利でした。
 
 相手は、やり状の武器でしたが、
 実質、電撃なんです。
 
 ぼくはピッケルで、普通に受けちゃって、
 感電して、やばかった。
 
 ゴウリ隊員が、来てくれなかったら、
 どうなっていた事か…』
 
ユルガ
『みんな無事なら、まずそれだけでも良かったが…』
 

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【B班作戦室】
 
分析結果を見る、マキノハラ博士、
カジ参謀と、UST&B班一同。
 
シズカ
「どうやら、その…
 ワソ星人では無いようです。
 
 彼らの発音とは、言語体系が違う。
 
 推測ですが、そのドシ星人。
 探査機が落下した星の、住人では無いかと。」
 
カジ
「それなら、被害者星人って事か?」
 
ユルガ
「被害者の宇宙人が、なぜ、
 こんな小型宇宙船で、地球に?」
 
ナワテ
「おそらく、最初はもう少し、
 大型の宇宙船が、来たが、
 途中で事故か何かで、脱出。
 
 この宇宙船だけ、つけたんでしょう。」
 
ユリコ
「でも、地球は目指していたわけでしょう?」
 
ナワテ
「はい、まず可能性、高いです。
 
 漂流状態で、辿りつけるほど、
 ここまで来ていた、わけですから。」
 
ヒデコ
「被害者の星人が、加害者の星に…?」
 
リオ
「カオ・コネクションの復讐を、見届けに?
 とか?」
 
アカイ
「あり得る…が、
 だとしたら結構、危ない橋渡るな?」
 
カジ
「気にはなるが…
 
 いまさら何か、わかったところで、
 状況が、変わるとも思えん。
 
 時間も…もう無い。」
 
ユルガ
「あと2時間弱か…
 
 動くとすれば、どこに?」
 
シズカ
「おそらくは、池浮他(いけういた)の、
 エネルギー集積所でしょう。
 
 市内で、残っている中で、
 一番大きな、エネルギー施設です。」
 
カジ
「よし。
 UST出動だ。
 空・陸軍にも、応援を頼む。
 
 万が一、別の場所なら、
 連絡を入れるので、すぐ移動だ。」
 
ユルガ、ゴウリ、ナワテ、
ユリコ、ヒデコ、クロス
「了解。」
 

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【藤枝市 池浮他(いけういた)エネルギー集積所】
 
空軍、陸軍も守りを固める中、
万全の体制ながら、緊張感を持ち、
警戒中のUST。
 
時計を確認する、ユルガ隊長。
 
ユルガ
「時間だ…。」
 
程なくして、どこからともなく声が聞こえます。
 
『約束の時間が来た。
 謝罪する気が無いと知り、残念だ。
 
 俺達も頼まれなければ、見逃したかも知れないが、
 頼まれちまった以上、こっちも商売なんでね。』
 
再び現れ、暴れ始める3大怪獣。

 


 

  

  
待機していた空軍、陸軍がすぐに応戦し始め、
ユルガ隊長とヒデコ隊員の乗る、
≪アーク1号≫も、飛び立ちます。
 
一方地上でも、6つの影が立ち上がり、
そのうちの4人が、飛び去ります。
 
程なくして、地上で起きる爆発や混乱。
それを見てゴウリが、立ち上がります。
 
ゴウリ
「始めたようだ。こっちも行くぞ。」
 
ナワテ、ユリコ、クロス
「了解。」
 


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【ワソ星人ミーク×ユリコ】
 
何か鋭い刃物を、盛んに投げつけて来るミーク。
 
が、
距離を取ったユリコは、外した七節棍の、
半分で刃物を弾き、半分を飛ばして攻撃。
 
次第に追い詰められていく、ミークですが、
一気に距離が、縮まったところで、
飛び込んで、攻撃しようとします。
 
が、それを読んでいたユリコは、
一方の棍で、突撃を防ぎ、
もう一方の棍で、胴を突きます。
 
カウンターのように、もろに入ると、
後ろに吹っ飛ぶ、ミーク。
 
素早く棍を戻すと、今度は全力で突き、
ミークは、動かなくなります。
 
ユリコ
「あなたの得意は、接近戦。
 それはもう、聞いていたわ。」
 

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【ワソ星人フーマ×ゴウリ】
 
二刀流で戦う、フーマに対して、
ゴウリもまた二刀で戦い、互角に撃ち合います。
 
ゴウリ
「わかってて、同じ事をってのは、
 自分でも、バカだとは思うがな。
 
 あんたが同じ得物、しかも腕利きと聞き、
 なんとしても、やり合いたくなってな。」
 
ワソ星人フーマ
「酔狂な野郎だ。」
 
さらに柄からも刃を出し、突き出すフーマですが、
その瞬間、避けながら飛び込むゴウリは、
刀身で一直線につき、命中箇所で小爆発が起きます。
 
思わずフーマが、引こうとした瞬間、
もう一方の刀で、横一線に切り裂くゴウリ。
崩れ落ちるフーマ。
 
ワソ星人フーマ
「殺しの数なら… 俺の方が上と思ったが…」
 
ゴウリ
「俺もいずれは、地獄行きだ。
 
 間違っても地球で、化けて出てくれるな。」
 

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【ワソ星人ナーキ×クロス】
 
距離を取り、糸のような物を投げつける、
ワソ星人ナーキ。
遮蔽物に隠れながら、銃で応戦するクロス。
 
ナーキの糸は物に絡まると、それを切断しますが、
クロスは器用に避け、次の遮蔽物に移動します。
 
ワソ星人ナーキ
「このまま、いくら避け続けても、
 距離があれば、お前の銃も当たらん。
 
 隠れる場所が、無くなるまで、
 逃げ続けるつもりか?」
 
と、
マガジンを、物理弾に換装したクロスが、
影から飛び出して、連射します。
その銃弾を、糸を飛ばして、
途中で破壊する、ナーキ。
 
が、切られた銃弾からは、煙が噴き出し。
辺り一面が、煙幕に包まれます。
 
ワソ星人ナーキ
「これは…!?
 
 小賢しい真似を。」
 
クロスのいた場所の、左右に、
糸を連射しますが、手応えが無く、
 
「もう、そこにはいないよ。」
 
と言う、声が聞こえると、
いきなり、足を撃たれるナーキ。
 
ワソ星人ナーキ
「クソッ、そこか!」
 
体をひねって、反撃しようとした時、
後ろからクロスの、仕込み棍の、
一撃を食らって、崩れ落ちます。
 
クロス
「ふう。」
 

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【ワソ星人ヒイー×ナワテ】
 
接近して打ち合う、ヒイーとナワテ。
 
時折、電撃を発するヒイーですが、
今度は、受けるピッケルは感電せず、
電撃は散っていきます。
 
ナワテ
「同じ手は二度は、食いませんよ。」
 
ピッケルを振り回す、ナワテを避け、
大きく距離を取る、ヒイー。
 
ワソ星人ヒイー
「だったら、これはどうだ?」
 
銃のような物を出し、何かを撃つヒイー。
反射的に、ピッケルで弾き返すナワテ。
 
続いて、2発、3発と撃ちますが、
ことごとく、跳ね返すナワテ。
 
ナワテ
「ただの徹甲弾?
 
 なめられたもんだな。
 このナワテ様は、頭だけじゃ無いって事を…」
 
と、
再び弾を込め直して、撃とうとするヒイーの前で、
撃ち返す気満々で、ガッシリ構えるナワテですが、
その時、
 
ゴウリ
「バカッ、避けろ!」
 
ゴウリの声で、ハッとしたナワテは、
慌てて、大きく横に飛んで避けると、
今までいた場所に、着弾した弾は、
今度は、大きな爆発を上げます。
 
思わず尻もちをつき、息をのむナワテ。
 
飛び込んで来たゴウリが、ヒイーに駆け寄り、
懐に飛び込むと、次の弾を込めて打つ瞬間、
逆袈裟に斬り上げると、弾は上を飛び越えます。
 
後ろで大爆発が起こる中、崩れ落ちるヒイー。
一息吐いて、立ち上がるゴウリ。
 
ナワテ
「た、た、助かりました。」
 
ゴウリ
「馬鹿たれが。
 
 どんな攻撃かも、わからんのか?」
 
ナワテ
「面目ない。
 やっぱり、格闘戦の先読みは苦手です。」
 
ゴウリ
「まあ、誰にでも、
 得手・不得手はあるもんだが。」
 

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暴れている、3体の怪獣。
その真っ只中に、閃光と共にゾフィが現れます。


 

 

 

 

 
虚をつかれた、3体の動きが止まると、
ゾフィは一瞬にして、正面のンシゴンに手刀、
右のワザニドンにチョップを、
後ろのラクリラスに、後ろ蹴りを見まい、
同時に3体を、倒します。
 
3体の様子を見ながら、最初に起き上がる、
ンシゴンの方を向き立つと、M87光線。
しばらくこらえる、ンシゴンでしたが、
防いでいた両腕が爆発、倒れます。
 
ミサキ(第1師団長・IDMA)
「今だ、R作戦。」
 
巡洋艦から、次々に発射される砲弾が、
ワザニドンの頭部に、命中すると、
白い煙が、連続して上がります。
 
冷凍弾によって、針を撃ち出せなくなった、
ワザニドンが、苦しんでいる間に、
ゾフィは、ラクリラスに向き直り、
首からの円盤、爆裂弾を次々に手で弾き、
取りつくと、そのまま首投げ。
 
頭部を広げて、パンチを飲みこもうとするも、
気が付いたゾフィは、すかさず一度手を引き、
ナックル・ショット。
 
頭部が爆発して、後退りすると、
追い撃ちのように、グランドショット。
 
連鎖する小爆発が、地面を走り、
ラクリラスまで届くと、直下で爆発。
ラクリラスごと、吹き飛びます。
 
カラー・タイマーが、鳴り出す中、
振り返ると、飛んで来た、
ワザニドンの触手を、しゃがんで避けると、
空軍の攻撃で、動きが止まったところに、
トライ・グレイダー。
 
小型の光の三日月、3つが組み合わさった、
光輪状の爆発カッターが飛んで行き、
右腕、左腕、首と、舐めるように切断し、
次々に小爆発、最後に大爆発が起きます。
 
その時、
フラフラと起き上がる、ンシゴンでしたが、
いきなり後ろから殴られ、再び倒れます。
 

 
現れた別の、4体目の怪獣。
 
それが尾を、槍のように放つと、
ンシゴンを貫き、爆発が上がります。
 

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ワソ星人アーダ
「信じられない…。」
 
ワソ星人ヤーソ
「我々の油断か?
 
 奴らが我々以上に、強かったのか?」
 
ゴウリ
「あんたらの油断だよ。」
 
振り返ると立っている、ゴウリ。
 
ユルガ隊長、ナワテ、ユリコ、
クロスらも次々に、集まって来ます。
 
ゴウリ
「みんな、普通に強かったさ。
 
 でもな、実力を見せて降参や、
 こっちの条件を、飲ませようってんなら、
 交渉のテーブルにつかせなきゃ、意味が無い。
 
 あんたら敵地で、手の内見せ過ぎだよ。」
 
ワソ星人アーダ
「だ、だが、あの怪獣は…
 
 あの怪獣は、まさか?」
 
動揺するアーダの、後ろから一閃。
何かに貫通され、崩れ落ちるアーダ。
 
一人残った、ヤーソが振り向くと、
立ち尽くす4体目の、怪獣を背にして、
別の人影が、立っています。

 


 
ワソ星人ヤーソ
「お前は…」
 
オハミ星人カケ
「シオはシンジケートを通さない、
 取引を許していない。
 
 まして、お前達のやった事は裏切りだ。」
 
ワソ星人ヤーソ
「ここまでか…」
 
覚悟したように、つぶやくヤーソ。
 
ワソ星人ヤーソ
「一世一代の、土壇場勝負だったんだがな。」
 
ゴウリ
「後が無い時の、勝負って言うのは、
 大抵、上手く行かないもんだぜ。」
 
ワソ星人ヤーソ
「そうだな。」
 
懐から何かを出す、ヤーソ。
 
ゴウリ
「みんな、伏せろ!」
 
一瞬、しゃがむと、
ヤーソのいた場所で、爆発が起きます。
 
まだ立ち上っている、煙を遮り、
ゆっくりと歩いてくる、オハミ星人カケ。
 
剣に手を伸ばしながら、構えかけるゴウリ。
 
ゴウリ
「こいつらの、仲間か?
 
 あんたも、やるかい?」
 
が、カケは、
立ち止まると、話し始めます。
 
オハミ星人カケ
「シオ・シンジケートの者だ。
 私は監視役のカケ。
 
 カオ・コネクションは、シオを裏切った。
 だから、後始末に来た。」
 
顔を見合わせるみんな。
 
ユルガ
「どう言う…事なんだ?
 裏切ったって?」
 
オハミ星人カケ
「確かにシオは、はらせない恨みを、
 依頼人に変わって、はらすのが仕事。
 
 だが、非道な仕事はしない。
 嘘があっても、ならない。
 
 カオは嘘をつき、シンジケートを裏切った。
 地球は、恨みなど買っていない。」
 
ゴウリ
「え?
 恨みは無い?」
 
オハミ星人カケ
「地球、日本の、アコド28号が、
 ドシ星系に、流れ着いたのは本当だ。
 
 だがその時、アコドに爆弾を積み、
 ドシ星のエネルギー施設に、命中させた、
 張本人は、ワソ星人だ。
 わざと恨みを作り、シオにでっち上げた。
 
 ワソ星人は、ドシの恨みの書状を奪い、
 書き換え書き足し、地球への恨みとし、
 シオに、持ち掛けた。
 
 さらに、その事実を知り、
 誤解を晴らそうと、地球へ旅立った、
 ドシ星の宇宙船を襲い、その時脱出した、
 ポッドまでを、証拠隠滅のため襲った。
 
 裏取りに時間がかかったのは、申し訳ないが、
 これらは全て、ワソ星人の仕業で、
 シオの本意ではない。」
 
ナワテ
「じゃ、じゃあ、
 地球は、助かったってわけか?
 
 なんちゅう、人騒がせな!」
 

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【UST作戦室】
 
カジ
「みんなの、協力で、
 何とか危機は、乗り越えられたが…」
 
ユルガ
「結局は濡れ衣で、ほっとしました。」
 
ナワテ
「最初から、何か変な感じはしたんですよ!
 地球が、日本が、星を全滅させたなんて!」
 
マキノハラ
「いや、そうも言えんよ。
 
 なるほど、地球側からの、
 故意や悪意の、攻撃、侵略は無くても、
 何かのミスやあやまって、また誤解から、
 予想外の大事故を、引き起こしてしまう。
 
 そう言う可能性は、無いとは言えん。」
 
ユリコ
「そうよ。
 大体最初に、全否定出来なかったのも、
 そう言う可能性を、考えたからでしょ?」
 
ナワテ
「そう言われると、まあ…」
 
ヒデコ
「それに、宇宙のどこかに、
 そう言う組織が、あるって事自体は、
 どうやら、嘘では無さそうだし。」
 
はらせぬ恨みをはらし 許せぬ人でなしの星人を消す
いずれも人知れず 仕掛けて仕損じなし 謎のシンジケート
ただしこの稼業 アカシック・レコードには 載っていない
 
【第200話・終わり】

 
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