第336話 『メルブル法廷』

 
ケラタラス遊星人 
宇宙怪獣 ハーザラキサトルガ 
宇宙怪獣 ワルテンガルォー 
宇宙怪獣 エルベドン 

     

もし、ウルトラセブンの最終回のあと、
TVでゾフィが始まっていたら?の妄想ストーリーの第336話。

  

作戦室から、突然消えてしまったカジ参謀。 

その裏では、異様な事態が進行していました…!?

 
【UST=防衛チーム】
 
ユルガ(隊長)
ゴウリ
ナワテ
ユリコ
ヒデコ
クロス
 
【IDM=地球防衛機構】
 

(Bチーム=情報技術班)
シズカ(班長)
ユウキ
ドノバ
アカイ
リオ
ユウ
 
カジ(UST参謀)
 
ミシマ(防衛空軍参謀・IDMF司令)
キタワカ(防衛陸軍参謀・IDMA司令)
ナガサウラ(特務軍参謀・IDMI司令)
 
マキノハラ(科学センター・所長)
 
フジハラ(長官)
スガノ(副長官)
 
【その他・ゲスト】

 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆

  

 
【UST作戦室】
 
花を持ち、入って来るカジ参謀。
 
ヒデコ
「あら、珍しい、
 休憩時間、外、行かれてたんですか?」
 
カジ
「ああ。
 ちょっと、外の空気を吸いにね。
 
 西の池のところで、女の子が花を摘んでて、
 お裾分けをもらったよ。」
 
と、花瓶に挿します。
 
カジ
「花一輪でも、あるかないかじゃ、
 やはり、全然違うものだな。
 
 まあ、花にとっては、
 摘まれてしまう事は、いい迷惑かもだが。」
 
ヒデコ
「ん~~~~…
 
 ま、それ言われちゃうと、
 人間の勝手、ですからねえ。
 
 とは言え、
 活けてるんだから、
 すぐ死ぬわけじゃ無いし。
 
 みんなに、見てもらって、
 良い気分になって、もらえるなら、
 お花も少しは、喜んでくれる…
 
 ってのも、まあ、
 人間の勝手な、考えですかねえ。」
 
カジ
「結局は、わからんからね。
 花に直接、本心を聞けるわけじゃない。
 
 さて、仕事に戻るか。」
 
ヒデコ
「そうですね。」
 
と、スクリーンを見て、
 
ヒデコ
「そう言えば、参謀、
 少し前に特務…
 
 あれっ?
 
 参謀?」
 
そこにドアが開いて、ユルガ隊長と、
ナワテ隊員が、入って来ます。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*

 
ユルガ
「どうした?」
 
ヒデコ
「今…
 
 カジ参謀、出てかれました?」
 
ナワテ
「いえ、誰とも、
 すれ違いませんでしたよ?」
 
ヒデコ
「あれっ?
 おっかしいなあ。
 
 今さっきまで、参謀いたんですが?」
 
ナワテ
「カブトムシじゃあるまいし。
 
 ちょっと目を、離しただけなら、
 人間がどっか行くわけ、ないでしょ?
 参謀ー?」
 
何となく気になり、キョロキョロとする、
ヒデコとナワテ。
 
一方、ユルガ隊長は、
ドアを開けて、改めて廊下を確認しますが。
 
ユルガ
「見渡す限り、誰もおらん。
 
 いや、
 私とナワテが、入ったタイミングでは、
 以降廊下に、気付かれずに出るのは無理だ。」
 
ナワテ
「どこにいたんです?」
 
ヒデコ
「そこです。
 
 今、ナワテさんがいる、
 もう少し、左に立ってて…」
 
ナワテ
「この辺ですね…
 
 あれっ?」
 
と、
手を振りながら、探るようにしていた、
ナワテの片手が、消えて行き、
細い線のような物が、現れます。
 
銀色の線は作戦室の、床から天井まで続き、
触れたその部分が、膨らんで大きくなる感じでした。
 
そして、膨らんだ部分に触れた手が、
消えて行きます。
 
ユルガ
「ナワテ!?」
 
そのまま、全身が消えるナワテ。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*

 

 
一瞬硬直した、2人。
そこに、ユリコとクロスが入って来ます。
 
ユルガ
「奥に進むな!
 
 そこを動いちゃいかん!」
 
隊長の声と、ただならぬ雰囲気に、
思わず足を止める、ユリコとクロス。
 
ヒデコ
「あ、あのね。
 信じられない事だけれど…」
 
手短に、状況を話すヒデコ。
 
ユルガ
「科学センターに、連絡入れて、
 至急マキノハラ博士に、来てもらってくれ。
 B班にもだ。」
 
ヒデコ
「ハイ。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
が、
作戦室にマキノハラ博士、シズカ班長が到着する頃、
入った時と同じように、線が膨らみ、
ひょっこり、ナワテが戻って来ます。
 
ナワテ
「あ、みなさん、大丈夫ですよ!
 心配ありません。
 
 あ、でも、まあ、
 大変と言えば、大変なのかな?」
 
ユルガ
「どう言う事なんだ!?
 
 カジ参謀は?」
 
ナワテは、頭をかきながら、
自分でも言う事を、まとめようとしつつ、
ぽつりぽつりと、話しかけますが…
 
ナワテ
「あ、いっそ、
 見てもらった方が、早いかも?
 
 大丈夫ですよ。
 こっちです。」
 
と言い、
再び線に接触。
膨らんだ空間に飲み込まれ、消えます。
 
顔を見合わせる、みんなですが。
 
シズカ
「うかつです。
 
 転移した瞬間、ナワテ隊員が洗脳されたり、
 入れ替わっている、可能性もあります。」
 
ユルガ
「それはそうだが…
 
 ここでがんばっていても、らちがあかん。」
 
シズカ
「そう言われれば… そうなんですが…」
 
ユルガ
「人数を絞ろう。
 私と… もう2名来てくれ。
 後は待機だ。」
 
ユリコ
「私、行きます。」
 
ゴウリ
「俺も、もちろん行くぜ。」
 
クロス
「ユリコ隊員、探査機器、フルオンで!」
 
ユリコ
「わかってるわ、大丈夫。」
 
3人が消えると、再び顔を見合わせる、
ヒデコ、クロス、シズカ班長、マキノハラ博士。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
そこは、巨大な会議場のような空間でした。
 
そこの一角、エントリーゲートのような物から出て、
3人が半ば茫然、キョロキョロしていると、
先の方で、ナワテが手を振ります。
 
ナワテ
「こっちです!
 こっちこっち!」
 
速足で駆け寄る3人。
 
ゴウリ
「何の茶番だよ、これ?
 
 それとも、タチの悪い手品か?」
 
ナワテ
「そんなんじゃ、無いですよ。
 
 ま、ぼくもさっき、聞いたんですが…」
 
ナワテによると…
 
カジ参謀は、地球代表ランダムとして、
メルブル法廷に、強制的に呼び出された。
 
メルブル法廷は、全銀河にネットワークを持つ、
知性体の超越的な、連合集団組織だそうで、
各星間・国家間を超えて、大きな犯罪があり、
起訴があった場合に、中立の立場で被告を裁く。
 
今回、地球人類が訴えられたので、法廷が開かれた。
 
被告は、地球人類すべてだが、
主な積極被告として、地球防衛機構、
その中のさらに、積極主犯として極東基地が訴えられた。
 
そこで積極主犯中の、被告代表として、
カジ参謀が、ランダムに選ばれた。
結審するまでは、法廷に拘束される。
 
原告側は、共同連合原告となっており、
複数の宇宙人、人間を除く地球のほぼすべての生物が、
原告として名乗りを上げ、被害を訴えている。
原告代表として、ケラタラス遊星人が席についている。
 
弁護人は原告側3人、被告側2人が認められ、
これは人数を守れば、開廷中に入れ替わっても良い。
 
ゴウリ
「冗談じゃねえぜ。
 何の茶番だよ、こりゃ。」
 
ユリコ
「いえ…夢や茶番なら良いけど、
 事実なら、とんでもない話じゃ無いの?
 何とかしないと。」
 
ユルガ
「私も…
 把握したとはいえ、事態は信じたくないが。」
 
カジ
「これで、有罪となれば、
 人類は地球に、生存権利無しと判断され、
 流刑地に送られて、全人類が死ぬまで強制労働。
 地球は原告側生物連合の、分割統治になるらしい。
 
 法廷は銀河中の、195兆9552億の星人からなり、
 56億7千万の、重武装宇宙艦隊を持つ。
 武力で逆らう事は、絶対に不可能だと言うが。」
 
ナワテ
「本当なら…
 シャレにも何にも、ならないですね。」
 
ゴウリ
「勝ちゃいいんでしょ?
 勝てば?
 
 勝てば無罪のはずだろ?」
 
カジ
「だとは…思うんだが…」
 
『宇宙時間2-9-41 裁判を開始する』
 
アナウンスが流れます。
 
被告台から動けないカジ参謀。
 
入口の転送ゲートから、弁護人ボックスまでは、
普通に廊下が続いており、移動は自由。
2人までは入れる、被告側弁護人ボックスには、
別の人を基地から呼び、交代も可能になっています。
 
ゴウリ
「よし、俺が行く!」
 
2つあるブースの、1つに入るゴウリ。
 
ユルガ
「じゃあ、私はもう1つに行ってみる。
 後…
 
 1人はここの様子を、出来るだけ調査し、
 もう1人はこの事を、基地に知らせてくれ。」
 
ナワテ
「じゃあ、
 ぼくは一度戻って、事情を話して来ます。」
 
ユリコ
「私は調査役ね。
 了解。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 

 
【UST作戦室】
 
ナガサウラ参謀が来ています。
 
マキノハラ
「なんと?
 そんな事が…」
 
シズカ
「本当なのか?
 それは…
 
 そんな規模の、そんな事態が…?」
 
ナワテ
「いえ、
 起きてる事自体は、間違いないんですよ!
 
 現に隊長も参謀も、いないし、
 ゲートを使えば、誰でも現場に行ける。
 
 この状況で、ぼくが嘘をついてるとでも?」
 
シズカ
「い、いや、そう言う意味じゃ…」
 
ヒデコ
「でも裁判なら、勝てば無罪なんでしょ?
 
 地球人が有罪とか、そんな事は話せば…」
 
ナガサウラ
「いや、事実なら状況は、
 おそらく、極めて厳しい。
 
 それだけの規模と準備で、原告を揃えたのなら、
 ちょっとやそっとで、勝てるとは思えない。
 
 弁護人席は、誰が残ったんだ?」
 
ナワテ
「えっと今は… ゴウリ隊員と…
 あ、隊長です。」
 
ナガサウラ
「取っ組み合いを、するわけじゃ無いんだ。
 
 相手が口八丁手八丁の、凄腕弁護士なら、
 ゴウリ隊員なんか、おそらく手も足も出ない。
 
 ユルガ隊長だって、論戦やディベートに、
 強いと言うわけでは、無いだろう?」
 
ナワテ
「いっ!?
 
 ど、どうしたら?」
 
その様子を見たシズカ班長が、B班へ連絡を入れます。
 
シズカ
「ユウキ君は、今どこにいる?」
 
リオ
『ユウキさん、この時間は…
 
 あ、立川です。』
 
シズカ
「すぐに呼び戻せ。」
 
リオ
『え? あ、今ですか?
 
 多分、実験の最中ですよ?』
 
シズカ
「緊急事態だ。
 一つ間違えば、人類が無くなる。」
 
リオ
『いいえええっ!?
 わ、わかりましたっ!』
 
ナガサウラ
「向こうに行く事自体には、制限は無いんだな?」
 
ナワテ
「はい、おそらく。
 
 あくまでも、弁護士ブースには、
 同時に2人以上、入れないだけで。
 
 傍聴扱いなら、多分何人でも。
 出入りも、自由だと思います。」
 
ナガサウラ
「とは言え、UST代行となると、私は動けん。
 
 マキノハラ博士も、一応、
 向こうに行って、いただけますか?」
 
マキノハラ
「わ、わしも、論戦に強いわけでは…」
 
ナガサウラ
「いえ、何かあやふやな、専門知識で、
 難癖付けて来た時に、見破れる人がいた方が。」
 
マキノハラ
「わ、わかった。
 そう言う事なら。」
 
ナガサウラ
「一応、長官にもお伝えしよう。」
 
ヒデコ
「わかりました。
 
 い、言いにくいですが…」
 
ナガサウラ
「そう言う心情論は、無視してよろしい。
 君個人が、とがめられるわけではない。
 
 気持ちは全て無視して、事態に対して、
 最適な行動を、淡々と取り続ければよい。」
 
ヒデコ
「は、はい。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
そして始まった法廷は、やはり想像以上に、
地球人にとっては、厳しい物でした。
 
地球上の生物は、いかに地球人が傲慢で勝手、
一方的に地球上の生物を、支配・圧制しているか。
 
宇宙人・星人は、警告や話し合い、あるいは、
そんな横暴な、地球人に変わって、
統治を申し出ようと、訪れたのに対して、
地球人が過剰防衛で、乱暴・攻撃をし、
派遣部隊を、絶滅させのかを訴えました。
 
ゴウリ
「冗談じゃないぜ!
 
 侵略者を撃退して、何が悪いんだ?
 襲って来たのは、そっちだろうが!」
 
原告側弁護人
「襲ってはいないケース。
 
 また、襲ったとは、
 断定出来ないケースが、多々あります。
 
 とても正当防衛とは言えない。」
 
ユルガ
「警告を無視して領空、領海、領土に入れば、
 侵略なり、害意があると判断して妥当だろう。
 
 領空侵犯で、問答無用で攻撃のケースだってある。」
 
原告側弁護人
「それだけ地球人が、好戦的な証拠です。
 
 領空に入っただけで、攻撃とか、
 およそ平和主義な生命体とは、思えない。」
 
ゲートから入って来る、シズカ班長、
ナワテ、ユリコ、マキノハラ博士。
 
マキノハラ
「あんばいはどうかね?」
 
カジ
「御覧の通りです。
 
 正直、形勢が良いとは思えない。
 ことごとく、言い負かされてる感じです。」
 
原告側弁護人
「地球人はそもそも、地球の同胞生物、
 地球環境自体の、敵でもあります。
 
 ご覧下さい。
 過去のこの、地球の様子を。
 
 人類だけが栄え、絶滅させられた生物、
 破壊された環境は、数知れません。」
 
スクリーンに、映像が映り、
裁判所が、どよめきに包まれます。
 
シズカ
「ユリコ隊員、マキノハラ博士、
 行って下さい。」
 
ユリコ
「わ、私も?」
 
シズカ
「ゴウリ隊員よりはマシです!」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 

 
【UST作戦室】
 
長官に事情説明をする、ナガサウラ参謀。
 
フジハラ
「そんな事が、起きていたとはな。」
 
ナガサウラ
「最善はつくしますが、先が見えません。」
 
と、
ゲートから出て来る、ユルガ隊長とゴウリ。
 
ナガサウラ
「どうだったね?」
 
ユルガ
「申し訳ありませんが…
 
 旗色が良いとは、言えない状況と思います。」
 
ゴウリ
「なんか、環境汚染や生物絶滅については、
 マキノハラ博士が、反論してくれてますが…」
 
ナガサウラ
「実質、負かせても、言い方一つで、
 ニュアンスや心象は、変わるからなあ。」
 
ユルガ
「データはどうだ?」
 
ヒデコ
「それが… 何も来ないんです。
 
 どうもデーター通信の類は、カットされてるみたいで。」
 
クロス
「裁判所情報は、こちらでは、
 解析させないつもりなんでしょう。」
 
フジハラ
「それじゃ、転送先の裁判の場所が、
 宇宙の果てかどうかすら、わからんのか?」
 
ナガサウラ
「ま、
 わからない事によって、わかる事もありますが。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【法廷】
 
マキノハラ
「温暖化に関しては、実際にはまだ不明点も多く、
 人類がどれほど、直接の原因かには疑問があります。
 
 長いタイムテーブルを見れば、異論もある。
 少し前までは、氷河期になるとさえ言われていた。」
 
原告側弁護人
「自然破壊はもちろん、明らかな種の絶滅も、
 人類は何度も、引き起こしています。」
 
ユリコ
「それは、一方的だわ!
 
 種の絶滅を、目的にしたわけではないでしょう?
 一つ一つを見れば、人間が野生動物から、
 攻撃される事も、それで命を落とす事もあります。」
 
原告側弁護人
「規模や数が、まるで違います。
 
 例えば家畜一つとって見ても、人間は組織的に行っている。
 搾取し、殺すために、自分の都合で生産しているのです。
 動物園などは、見世物にするためだけに、
 了解も得ずに、命をもてあそんでいます。」
 
マキノハラ
「もてあそんでいるわけでは…」
 
クロス
「博士、しばらく変わります。
 基地に戻って、解析お願いします。」
 
マキノハラ
「あ、じゃあ、頼む。」
 
クロス
「被告側弁護人A、交代します!
 
 もてあそんでなどは、決していません。
 動物園の職員は、感謝と尊敬の念を持ち、
 人間と同じように、動物に接しています。
 
 知りもしない、人の心の内を言うのは、
 明らかに不適切で、虚偽です。」
 

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