第100話 『ゲームの星人』

 
ツベレ星人

     

もし、ウルトラセブンの最終回のあと、
TVでゾフィが始まっていたら?の妄想ストーリーの第100話。

 

100回目のお話は、少し変わり種のお話です

クロスに、ある大きなターニング・ポイントが訪れます。

そんな時、地球には奇妙な星人が来ていました…!?

 
【UST=防衛チーム】
 
ユルガ(隊長)
ゴウリ
ナワテ
ユリコ
ヒデコ
クロス
 
【IDM=地球防衛機構】
 

(Bチーム=情報技術班)
シズカ(班長)
ユウキ
ドノバ
アカイ
リオ
ユウ
 
カジ(UST参謀)
 
マキノハラ(科学センター・所長)
 
スガノ(副長官)

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【深夜 極東基地 クロス私室】
 
眠っているクロス。
どこからともなく~鏡から?
歌のような物が聞こえます。
 
『クロス… クロス…』
 
夢の中で誰かに呼ばれ、起きるクロス。
 
クロス
「あ…!?
 
 ゾフィ?」
 
ゾフィ
『そうだ。
 少し話がある。』
 
クロスは頷くと、ウルトラホープを出し、
軽く一度、フラッシュさせます。
 
閃光が放たれ、辺りが光に包まれます。
赤い光の玉の中で、正対するクロスとゾフィ。
 
クロス
「何か… あったんですか?」
 
ゾフィ
「光の国から、連絡があった。
 
 君の体の回復の、めどが立った。」
 
クロス
「あ!」
 
ゾフィ
「今までは、治療法がわからず、
 凍結していただけだったが、
 方法が、わかったそうだ。
 
 急げば一か月程度で、完治するらしい。」
 
クロス
「そう… か。
 
 なんか、すっかり忘れていたので、
 うれしいより、びっくりしたけど。」
 
ゾフィ
「そうだろうな。
 そんな物だよ。」
 
クロス
「あ、でも、そうなると、
 君とは、お別れか?」
 
ゾフィ
「そうなる。」
 
クロス
「そう…か。
 
 名残惜しくないと言えば、嘘になる。
 さみしくはなるよ。
 
 だが、
 いつまでも一緒に、いられないのも事実だ。」
 
ゾフィ
「そうだが。
 それは、ゆっくり考えてもらって良い。
 ここまでを考えれば、確かに急だ。
 
 ズルズル先延ばしは、良くないが、
 だからと言って、慌てて終わらせ、
 後悔になるようなら、意味はない。
 
 ちゃんと、納得のいく答えを、
 自分で考えて、見つけて欲しい。
 そこまでが、責任だと思う。」
 
クロス
「わかったよ。
 ありがとう。」
 
フラッシュが起こり、ゾフィが消えます。
一度伸びをすると、苦笑するクロス。
 
クロス
「やれやれ。
 目が覚めちゃったな。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【早朝 給湯室】
 
お茶の準備をしている、ユリコとヒデコ。
そこに、クロスがやって来ます。
 
ユリコ
「あら、クロスさん、
 こんな時間に、珍しい?」
 
クロス
「なんか変な夢見て、起きちゃってさ。
 コーヒー一杯、もらえるかな?」
 
ヒデコ
「もちろん。
 
 あれ?
 なんかありました?」
 
クロス
「え? なんで?」
 
ヒデコ
「いや… 何かクロスさん。」
 
ユリコ
「うん。
 何か、考えてるような…
 
 心、ここにあらずみたいな顔で…
 
 何か悩みでも?」
 
クロス
「い、いや、
 そんな大げさな事じゃ、無いんだ。
 
 ちょ、ちょっとね。」
 
ヒデコ
「まあ、そう言う、あたしも、
 さっき変な感じが、したのよねえ。」
 
ユリコ
「何? 予知?
 
 何か悪い事、起きるの?」
 
ヒデコ
「そこまではっきりした、感じじゃ無かったけど。
 
 ま、変な事が無いか、気を付けてね。」
 
ユリコ
「わかったわ。
 
 あ、私、パトロールの時間なので、
 行って来るわね。」
 
ヒデコ
「いったんさい。
 
 はい、
 クロスさん、コーヒー。
 
 クッキー付き。」
 
クロス
「ありがとう。
 うれしいよ。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【極東基地 シークレットロード】
 
山の斜面がスライドし、≪アスベライク≫が発進。
すぐに、カモフラージュ・ゲートが閉じます。
 

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【山道】
 
≪アスベライク≫が走っていると、人影が見えます。
 
「止まれ!」と言うように、道路の真ん中に立ち、
手を伸ばしている、少年。
 
思わず車を止めるゴウリ。
 
ゴウリ
「こらあ。どいた、どいた。
 お前さんの相手をしている、暇は無いんだ。」
 
が、
少年は一瞬で、車の上に飛び乗り、
座り込んで、笑い出します。
 
仕方なく車を降りて来る、ゴウリとユリコ。
 
ゴウリ
「なんなんだ、お前さんは。
 我々の邪魔をすると、ただじゃおかんぞ。」
 
少年
「ぼくですか?
 ぼくはツベレ星人。
 
 あなた達と、ゲームをしに来たんですよ。」
 
ゴウリ
「ゲ、ゲームだあ!?」
 
ツベレ星人
「ぼくの問いに、全部答えられたら、
 何か…良い事を、教えてあげましょう。
 
 ただし、答えられなかったら、
 地球を半分、もらいます。」
 
ゴウリ
「ふざけるな!
 そんな冗談に、付き合ってる暇は無いんだ。
 
 大体そんな、不公平な賭けがあるか!」
 
ツベレ星人
「んー… そうだな。
 
 じゃあ、あれ。」
 
と、指さすと山があります。
その山が、少年が指をパチンと鳴らすと、
浮かび上がって行きます。
 
ゴウリ
「お、お、おい!
 ちょっと待て!」
 
ユリコ
「嘘!?」
 
もう一度指を鳴らすと、山は戻って行きます。
 
ツベレ星人
「ぼくが宇宙人、そして地球を半分もらう。
 これは、信じてもらえたでしょう?
 
 そうだなあ。
 
 じゃあ、ゾフィの正体なんか、どうだい?
 君達では、どうがんばっても、
 絶対に正体は、突き止められないだろう。
 
 そう考えれば、無限大の価値の情報と思うが?
 良いかな?」
 
ゴウリ
「い、いや。
 
 それは…
 
 えっと…。」
 
まだちょっと、事態に気持ちがついて行かず、
顔を見合わせる、ゴウリとユリコ。
 
ツベレ星人
「否定や拒否じゃないなら、始めるよ。
 
 碁石が8つある。
 そのうち1個だけ他より重い。
 
 天秤を2回使って見つける方法は?」
 
ゴウリ
「そりゃ無理だろ!
 
 1回目に、4個と4個をかける。
 
 2回目、
 下がった方の2個と2個をかける。
 
 最後、3回目に、
 下がった方のを、1個ずつをかける。
 どうしたって、3回かかるぜ?」
 
ユリコ
「待って… 
 4個と4個で無理なら、3個では…
 
 出来る!
 3個と3個をかける。
 つりあったら、残りの1個と1個をかける。
 
 どっちか下がったら、下がった3個のうち、
 2回目に、1個と1個をかける。
 
 どっちか下がったら、下がった方。
 つりあったら、最後の1個だわ。」
 
ツベレ星人
「正解。
 
 3人の旅人が宿に泊まった。
 宿泊代1万円を、それぞれ払った。
 
 合計3万円の、宿代を持って、
 番頭は、主人に届けたが、
 主人はサービスだと言って、5千円を返した。
 
 番頭はそれを、客に返そうと戻るが、
 5千円では3人で割れない。
 そこで2千円を横取りし、千円ずつ3人に返した。
 
 すると3人が払った金額は、1万円-千円で、
 それぞれ、9千円×3=2万7千円。
 番頭が取った分が2千円で、合わせて2万9千円。
 
 足りない千円は、どこに消えたのか?」
 
ゴウリ
「え? え?
 ええっ!?
 
 ど、どう言う事だ!?」
 
ユリコ
「待って、おかしい、消えるはずないわ。
 
 だって…2万5千円払って千円×3戻り、
 番頭が取った分が2千円…
 
 9千円×3=2万7千円の計算がおかしい。
 
 主人が受け取ったのが2万5千円。
 旅人に戻ったのが3000円。
 番頭が取ったのが2000円。
 合計3万円であってる。
  
 2万7千円は2万5千円に、
 番頭分の2千円を足した金額で、
 2万9千円は、それにまたさらに、
 番頭分の2千円を足した金額よ、
 意味無い計算だわ。」
 
ツベレ星人
「正解。
 
 良いね、他の人とも遊んで来るよ。」
 
ゴウリ
「なんだよ、これで終わりじゃ無いのか?」
 
ツベレ星人
「終わりじゃ無い、よ。
 ほら!」
 
そう言って2人の、後ろを指さします。
 
2人が思わず振り返りますが、何も無く、
花火のような物が一瞬、弾けただけで、
顔を戻した時には、少年の姿はありませんでした。
 
ゴウリ
「あ、あ、あの野郎!」
 
ユリコ
「ただものじゃないわ。
 
 途中から、無線のスイッチを入れたから、
 基地でも聞いてると、思うけど。
 
 とにかく一度、戻りましょう。」
 

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【UST作戦室】
 
ユルガ
「その少年なら、もう来てる。
 それも、ここにだ。
 
 一体どうやって、防衛機構の、
 基地に入って、ここまで来れたのか?
 
 つい今しがた、ここで我々に…
 確か、
 『アキレスと亀』が、どうのこうの言ってな。
 
 私はわからなかったが、シズカ班長が答えると、
 そのまま、出て行った。
 
 すぐ後を追ったが、その時にはもう、
 作戦室前には、いなかったんだ。」
 
ユリコ
『今、しがたって…
 
 彼と別れて、≪アスベライク≫に乗り、
 走り出してから、今連絡するまで、
 5分も無いですよ。
 
 一体どうやって、作戦室まで…』
 
ユルガ
「わからん。
 
 それが本当なら、本当に何者なんだ!?」
 
ユリコ
『言葉通りなら、星人…
 
 地球人では無い、宇宙人でしょうけど。
 
 それにしても、尋常な相手じゃないわ。』
 

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【科学センター】
 
ツベレ星人
「碁石が100個ある。
 そのうち1個だけ、他より重い。
 
 天秤を5回使って、見つける方法は?」
 
ウメノ(第4研究室長・科学センター)
「わ、私は、数学は専門外… いや待て!
 
 50個と50個。
 重かった方を2つに分けて、
 2回目に25個と25個。
 3回目に12個と12個。
 4回目に6個と6個。
 5回目に3個と3個。
 
 いや…不可能だろう。」
 
マキノハラ
「いや、出来る。
 
 1個をのけて、3つの山にし、
 1回目に33個と33個。
 
 一方が下がったら、重かった方、
 つりあったら残りを、
 また3つの山にし、2つをかけて、
 2回目に11個と11個。
 
 一方が下がったら、重かった方、
 つりあったら残りに、
 最初のけた1つを足して、3つの山にし、
 3回目に4個と4個。
 
 4回目に2個と2個。
 5回目で目的の1個がわかる。」
 
楽しそうに拍手する星人。
 
ツベレ星人
「正解!
 それじゃまた。」
 
ドアを開け、出て行きます。
 
ウメノ(第4研究室長・科学センター)
「な、な、なんなんですか?
 あの失礼な奴は!?」
 
マキノハラ
「いや…
 
 さあ…!?」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【B班作戦室】
  
ツベレ星人
「二重円を、直線に沿って転がす。
 
 滑らないように転がし、一回転させると、
 外側の直線ABと並行に、
 内側の直線XYも、同じ長さで出来る。
 
 なぜ、二重円の円周の長さが、
 内側と外側で、同じになるのか?」


 
アカイ
「なるわけ無いんだから、図がおかしい。
 
 …
 
 これ、内側の円は、実際には飛んでいるよ。
 四角形でやればわかる。」

   


 
ツベレ星人
「砂山は一粒の砂を取り除いても砂山だ。
 
 だが、たとえ一粒ずつでも、
 取り除き続ければ、最後は一粒の砂粒になる。
 
 砂山はいつ、どこへ行ったのか?」
 
ユウ
「え?え?え?
 
 そ、それは…」
 
ユウキ
「それは単に、定義問題に過ぎない。
 
 砂山とは、砂粒何粒以上の事か?
 と、
 砂山の定義があいまいだからだ。」
 
ツベレ星人
「65マスの、方眼紙の四角形がある。
 
 これを切って、組み替えると、
 64マスの方眼紙の、四角形になる。
 消えた1マスは、どこへ行ったのか?」

  


 
アカイ
「消えるはずが、無いんだから、
 これも絶対、図がおかしい。
 
 ちょっと、待て。」
 
リオ
「がんばれ、アナログおじさん!」
 
アカイ
「やはり図がおかしい。
 底辺8高さ3の三角形なら、
 底辺13に伸ばした時、高さ5にはならない。
 
 65マスの四角形の段階で、
 中央に1マス分の、隙間が出来る。」
 
楽しそうに笑う星人が、指を鳴らします。
すると、横のモニターに、
 
「正解」
 
と言う字が、タイプされます。
 
そして一瞬、そちらを見、
振り返った時には、星人はいませんでした。
 
シズカ
「い、今のが、作戦室から言って来た…。」
 
ユウキ
「星人…のようですね。」
 
ドノバ
「なぁーにが、したいんスかね?
 
 もしや純粋に、問答ですか?」
 
シズカ
「わからんなあ。
 
 ちょっと、能力の底が見えん。
 
 やろうと思えば、相当な事は、
 出来そうに、見えるんだが…」
 

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