第224話 『火星沖夜戦』  (Bパート)

 

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【火星沖】
 
カン提督
「行くぞ。
 全艦恐れず、作戦通りにだ。
 
 続け!
 第一波、突撃!」
 
ブラインドエリア内に突入する、中国前衛艦隊。
 
中、小の彗星獣の群れ、
バルビリオンと、サストロースに向かい、
果敢に攻撃を、かけて行きます。
 
反撃し、熱光弾、光線を放つ彗星獣。
 
カン提督
「恐れるな!
 
 レーダー、電子機器が利かないだけだ。
 敵は目視で、見えるし当てられる。
 相手も条件は同じだ。
 
 星弾、吊光弾は絶やすな!」
 
中国前衛艦隊は善戦し、ほぼ互角に戦いますが、
彗星獣の方が数が多く、時間が経つと徐々に、
敵に、押され始めて来ます。
 
カン提督
「よし、
 作戦通り、目標ポイントまで撤退。」
 
後退する艦隊を追って、ついてくる彗星獣群。
 
伝令
「提督、彗星獣7割、作戦エリアに入りました。」
 
カン提督
「撤退を急がせろ。
 A-1の陰へ。」
 
伝令
「彗星獣、作戦エリア到達、8割。」
 
カン提督
「充分だ、放て!」
 
伝令
「了解、火計開始!」
 
スイッチが入れられると、あらかじめ散布されていた、
浮遊ナパーム機雷が、次々に爆発。
それが空間に散歩されていた、粒子燃料に引火し、
一気に全体が、渦を巻いて燃え上がります。
 
外側と後続の、彗星獣何体かは、
炎を避けて、燃焼外へ逃れますが、
エリア内の彗星獣は、ほとんどが消えて行きました。
 
伝令
「成功だ!」
 
カン提督
「まだ、油断はするな。
 
 逃れた物、逃げ延びた物に、
 後続の部隊は、生きている。
 
 八門金鎖。」
 
伝令
「了解。」
 
ブラインドエリア、出口に待ち受ける艦隊を、
艦種を中心に、八部隊に分けて、
協力し合いながら、残存彗星獣を攻撃する、
この作戦も、おおむね順調に進みます。
 
伝令
「≪沈淪≫中破、
 ≪金山≫≪長沙≫≪白帝≫小破。
 撃沈は重巡以下のみ、ほぼ完璧です。」
 
カン提督
「まだ…親玉がいるだろう?」
 
伝令
「それらしき大型獣と、一部隊が接触しました。」
 
カン提督
「適当に戦ったら、引き上げさせろ。」
 
伝令
「わかりました。」
 

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【日本 日本アルプス】
 
着弾した岩石塊が割れ、中から現れる彗星獣。
 
すぐに空軍、陸軍の先発隊が来て、
戦闘になります。
 

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【UST作戦室】
 
ヒデコ
「日本アルプスに来た彗星獣は、別ルートみたいですね。」
 
カジ
「戦況は、どうなんだ?」
 
ヒデコ
「空軍、陸軍が、迎撃を開始しましたが、
 まだ何とも…」
 
カジ
「火星も中国軍も、気になるが…」
 
ヒデコ
「火星USTも、始まったばかりのようです。」
 
リオ
「火星沖の中国艦隊、ここまでは順調そうです。
 中小型彗星獣の、7~8割は削り、
 中国艦隊の損害は、2割程度です。」
 
フジハラ
「順調な時ほど、要注意とは言うが…」
 

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【火星沖】
 
伝令
「大型彗星獣、残存彗星獣と共に、
 休門隊を、追って来ます。」
 
カン
「よし、上手く逃げさせるんだ。
 
 十面埋伏、準備。」
  

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【火星 マリネリス峡谷】
 
アッガ彗星獣、トスカム・アムマッカと、
戦闘中の≪アーク2号≫。
 
ゴウリ
「やはりビームは、散らされる。
 残弾これだと、厳しいな。」
 
ユルガ
「いまさらここで、弱音を吐くな。
 行こうと、言ってたじゃないか。」
 
ゴウリ
「そ、それは、そうなんですが。」
 
熱光線をかすられる≪アーク2号≫。
 
ナワテ
「まずいです。
 まともに、当たったら…」
 
ゴウリ
「どうも、引っ張られるんだ。」
 

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【≪アーク2号≫ 銃座】
 
コクピットの様子を、聞いているクロス。
出しかけた、ウルトラホープを止め、
少し、迷いますが…
 
やはり掲げると、フラッシュ。
閃光と共に、ゾフィが現れます。
 

 
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【火星 マリネリス峡谷】
 
≪アーク2号≫に当たりそうだった、熱光線を、
手で弾いて守る、ゾフィ。 
 
ゴウリ
「ゾ、ゾフィだ。」
 

 

 
駆けだすと、彗星獣に突っ込み、
キック一発で、ひっくり返すゾフィ。
 
その素早さに対応出来ず、慌てて起き上がる彗星獣。
 
首を上げて、熱光線を出しますが、
その時にはすでに、次々に側転して避けるゾフィ。
 

 

 

 
隙を見て、ナックル・ショットの光弾を当て、
その間にダッシュで、懐に飛び込むと、
首を抱えて、垂直に持ち上げて、
頭から叩き落す、ウルトラアトミックバスター。
 
ぐったりしながら、やっと起き上がる様子を見て、
ゆっくり構えて、ヴァーチカル・クロス。
光線が命中すると、粉々に吹き飛びます。
 

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【火星沖】
 
ルート彗星獣レゴラと、戦闘中の中国艦隊。

 


 
カン提督
「がんばれ、後は力勝負だ。
 
 目標艦隊はうまく逃げ、
 側面、背面の艦隊が攻撃を。」
 
包囲攻撃で、寄せては返し、
徐々にレゴラに、ダメージを与えますが、
艦隊の損害艦もまた、少しずつ増えて行きました。
 
その時、さらに後方からの巨大熱光弾が、
戦艦≪天山≫の、舷側に命中します。

 


 
カン提督
「どうしたんだ?」
 
伝令
「あれは…!?

 

 包囲外からの、別の攻撃です。
 
 どうも大型の彗星獣が…もう1体います。」
 
カン提督
「しまった!

 むむむ、親玉は2体いたのか!?」
 

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【日本 日本アルプス】
 
空軍、陸軍部隊を相手に、物ともしない、
リラスタ彗星獣、キングサラディン。
 
シノバズ(第12旅団長・IDMA)
「強敵だ。
 一度下がるんだ。」
 
熱光線と冷凍光線を、同時に吐く彗星獣に、
部隊は今一つ、損害を与えられないまま、
ジリジリ、後退していました。

 


 

白煙が渦を巻き、カプセル怪獣ワイリスが現れます。
火炎を吐き、巨体で踏ん張るワイリスですが、
やはり、彗星獣の方が押し気味でした。

 


 
そんな時、さらに別の怪獣が現れます。
熱光線、冷凍光線を、フィールドで半減させると、
飛び込んで、格闘戦で圧倒。
さらに光線を放ち、彗星獣を倒します。
 
シノバズ(第12旅団長・IDMA)
「あ、あの怪獣は何だ?
 
 地球の怪獣か?
 それにしては、妙な感じもするが…
 
 とにかく、助かった。」
 
ワイリスもまた、白煙を巻いて消えます。
 
木陰からその様子を見ている、登山者風の中年男性。
そこに現れた長身の人物が、話しかけます。
 
長身の人物
「ちょっと、皇帝。」
 
中年男
「あ!?」
 
長身の人物
「あ、じゃないでしょ。
 不可侵、ガバガバじゃないですか。」
 
中年男
「いや、だーって、さあ…」
 
長身の人物
「あなたが率先して、これじゃあ、もう。」
 
中年男
「ご、ごめんちゃい。」
 
悪びれずに舌を出し、苦笑する中年男に、
肩をすくめる、長身の人物。
 

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【火星沖】
 
ルート彗星獣レゴラに、何とか止めを刺した物の、
後から来たウォルゴ彗星獣、ビルグスの、
勢いを止められない、中国艦隊。

 


 
カン提督
「SOSは打ったのか?」
 
伝令
「は、はい。」
 
カン提督
「それなら、艦載機隊に進路妨害を。
 
 あとは何とかして時間を稼ぎ、後退だ。
 これ以上の損害は、艦隊行動を成せなくなる。」
 
と、そこへ別の航空機隊が殺到。
 
彗星獣に一撃を与え、そのまま離脱すると、
今度は、別方向から突入した、駆逐隊が雷撃。
 
魚雷が次々に当たって、爆発が上がり、
彗星獣が、その方向を向くと、
さらに別方向から、艦砲射撃、
ミサイル攻撃が集中して、次々に着弾、爆発。

 


 
ついに大爆発が起きると、彗星獣が吹き飛びます。
 
カン提督
「見事な連携だ。

 ど、どこの部隊か?」
 
伝令
「ムーンベース…極東の艦隊です。」
 
カン提督
「そうか。
 
 感謝を伝えてくれ。」
 
伝令
「はい。」
 

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【UST作戦室】
 
ヒデコ
「火星、火星沖、それぞれ間にあいました。
 中国艦隊の損害、最終的にはだいぶ大きかったようですが。」
 
リオ
「日本アルプスの方も、片付きました。
 
 なんか、なんでかは、イマイチ不明ですが?」
 
カジ
「な、なんだそりゃ?」
 
マキノハラ
「また、地元の未確認怪獣がいたのかね?」
 
リオ
「さあ?」
 
スクリーンを見つめるフジハラ長官。
 
フジハラ
「ここまでは何とか、首の皮一枚で持っている。
 
 だが、中国軍が半壊となると、
 もう残り戦力も、かなり厳しい。」
 
カジ
「彗星獣だって、もうそんなにはいないでしょう。
 
 ここまでで、今回の太陽系攻略は、
 難しそうだと、わかりそうな物ですし。
 
 Uターンした彗星群は、すぐ最接近しますが、
 それだけ、切り抜ければ…」
 
マキノハラ
「だといいんじゃが…」
 
すでに最先端の彗星は、地球に接近していました。
 
【第224話・終わり(続く)】

 
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