第223話 『天2号作戦』  (Bパート)

 

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【UST作戦室】
 
ヒデコ
「参謀、
 パラ彗星上で、アクシデントです。」
 
カジ
「彗星発の怪獣が、これだけ来てるんだ。
 その彗星上に、怪獣の存在を、
 予想しなかったのは、少々迂闊だったな…」
 
リオ
「ムーンベースから、別件も来ています。
 
 隕石とも、彗星獣ともつかない、
 要警戒の物体が、木星に向かっていると。」
 
ヒデコ
「あ、木星の未確認飛行物体の件、
 パリ本部から、連絡来ました。
 
 トルコとメキシコの、混成艦隊で、
 調査・対応に、向かったそうです。」
 
カジ
「戦力はどうなんだ?」
 
ヒデコ
「戦艦1、あとは巡洋艦、
 駆逐艦が、数隻のようです。
 
 戦隊規模、程度でしょうか?」
 
カジ
「微妙だなあ…
 こっちが熟練だったり、
 相手が大した事無ければ、大丈夫だろうが。
 
 そうは言っても、本部判断に、
 ここでケチつけても、仕方ないしなあ。」
 
リオ
「もう、全体的に、
 台所、苦しいみたいですしね。」
 

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【木星沖】
 
「あと30分程度で、到着します。」
 
トルコ司令
「よし。
 警戒体制のまま、油断するなよ。
 全艦隊、即・戦闘前提だ。」
 
「了解。」
 

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【パラ彗星 沖】
 
ユリコ
「≪トリエステ≫に雷撃命中、被弾。
 
 回頭中を、狙われるようです。」
 
ユルガ
「損害は?」
 
ユリコ
「後部司令塔から、主砲に命中。
 
 損害大きそうです。
 現在、落伍中。」
 
ゴウリ
「まともに、食らったな。」
 
ナワテ
『銃座、ナワテです。
 多弾頭で正面、狙って見て下さい。
 
 一発の、威力は小さくても、
 急所がわかるかも。
 それと水素弾。』
 
ゴウリ
「了解。」
 
ユリコ
「≪トリエステ≫、砲台になると言っています。」
 
ユルガ
「ありがたいが、無理はさせるな。
 この一戦で、終わりじゃあないんだ。
 
 さあ、我々で決めるぞ。」
 

 
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【パラ彗星 近海】
 
インド司令
『怪獣は、そちらのブロックに向かっている。』
 
西欧司令
「もう見えている。
 
 出来るだけ、防戦してみるが…
 まだ余戦力あったら、回していただきたい。」
 

 
インド司令
『海防艦、突撃艇1~2隻程度だが…』
  
西欧副司令
「そ、そんな程度じゃ…」
  
西欧司令
「この際、無いよりマシだろう。」
 
レーダー員
「地上、怪獣、警戒設定エリアに侵入します。」
 
西欧司令
「よし、攻撃開始だ!」
 

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【木星 衛星イオ 上空】
 
「岩塊が割れて、中から怪獣…
 彗星獣が…」
 
「で、でかい…。
 
 これ、数百メートルはありますよ?
 イモムシのオバケだ。」
 
トルコ司令
「想定通りだ、浮足立つな。
 
 全艦、攻撃陣形に展開。
 戦闘用意。」
 
「了解。」
 

 
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【パラ彗星 沖
 ≪アーク2号≫ コクピット】
 
ユリコ
「目標被弾、あと少しと思われます。
 ≪トレント≫、魚雷発射。」
 
ユルガ
「こちらの攻撃を、合わせろ。
 
 避けるなら、そこを狙うんだ。」
 
ゴウリ
「一の太刀ですね。
 了解。」
 
全弾セットし、照準を見て構えるゴウリ。

 


 
その時、オープン回線の通信が入ります。
映像では、衛星上の推進ロケットに、
怪獣が、迫っていました。
 
インド司令
『こちら、パラ彗星上、インド工作隊。
 
 怪獣の襲撃を受け、
 推進ロケット陣地での攻防で、苦戦中。
 
 近隣の戦闘艦隊、出来るなら助勢を乞う』
 
ゴウリ
「こっちも今、いっぱいいっぱいだが、
 あと、一息なんだ。
 
 もう少しだけ、がんばってくれ!」
 

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【パラ彗星 沖
 ≪アーク2号≫ 銃座】
 
その様子を見ると、通信を閉じ、
ウルトラホープを出して、フラッシュ。
 
機外でゾフィ~さらに赤い光球となり、
木星へ向かいます。
 

 
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【パラ彗星 推進ロケット陣地】
 
推進ロケットを、叩き壊そうとした瞬間、
赤い光球が飛込ん出来て、彗星獣を吹き飛ばします。
 
ゆっくり光が晴れると、現れるゾフィ。
 

 

 
起き上がる、ダローワタスに向かい、
射線上から、ロケットを外そうとして、
油断なく、横に移動していくゾフィ。
 
案の定、毒噴煙を吐くダローワタスですが、
順調に側転で、避けて行くゾフィ。
 
隙を見て飛び込むと、格闘戦になりますが、
格闘戦でも、怪力のダローワタスは五分。
さらに体表面の袋が破れると、毒が噴出します。
 
思わず離れたゾフィに、追い打ちのように、
熱光線を放つ、ダローワタス。
 
が、タイミングを見て、構えたゾフィは、
片手の拳で、熱光線を弾き返し、
もう片手で作った、ボウアンドアロー・スラッシュ、
光の槍を投げつけると、体を貫通。
 

 

 
ひっくり返りながら、もがくダローワタスは、
毒噴煙を吐き続け、地上の土砂が吹き上がり、
山津波のようになって、推進ロケット陣地へ。
 
ゾフィはバリアを、壁のように張って、
土砂全体を、防ぎ切りますが、
これで、カラータイマーが赤に。
 
起き上がる、ダローワタスを、
デルタ・ショット、ウェドウィン・ニードルの、
2連発で倒しますが、ここですぐ、
赤い光球になって、戻って行きます。
 

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【木星 衛星イオ 上空】
 
苦戦中のトルコ・メキシコ連合艦隊
 
トルコ副司令
「≪エルジェス≫被弾。
 ≪トゥンジャ≫、≪メンデレス≫にも命中。
 炎上、落伍します。」
 
メキシコ副司令
「重巡≪カンクン≫、軽巡≪コンセプシオン≫、
 被害甚大のため、戦線離脱します。
 
 司令、怪物の雷撃…火力は強大です。
 このまま正面からの、撃ち合いでは…」
 
トルコ司令
「こ、こんな…
 イモムシのオバケみたいな、奴のために…
 
 やむを得ん、増援を呼びかけろ。」
  

 
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【パラ彗星 沖
 ≪アーク2号≫ 銃座】
 
通信を聞き、映像を見ているクロス。
 
ゴウリ
『隊長、我々で行けませんか?』
 
ユルガ
『落ち着け。
 
 補給し、最小限の修理メンテをして、
 ゲートを2度使って、衛星まで行くのに、
 どれだけかかると思う?
 
 我々より近い部隊は、いくつかはあるはずだ。』
 
一瞬、ウルトラ・ホープを出しかけますが、
 
クロス
「続けては…無理かな…」
 
思い止まると、カプセルケースを出します。
赤のカプセルを、握りしめるクロス。 
 
クロス
「アギラ、防衛軍と協力して、
 この彗星獣を、やっつけるんだ。
 
 がんばってくれ。
 行け。」
 
テレポートし、消えるカプセル。
 

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【木星 衛星イオ】
 
白煙が渦を巻き、現れるカプセル怪獣アギラ。
 
自分の十数倍の長さの、ノムノゴス彗星獣、
リラントゥバに向かって、突進するアギラ。
 
幸い、リラントゥバは上空の艦隊に集中し、
アギラに組み付かれるまで、気が付きませんでした。
 
突然の異変に、驚いて暴れ出すリラントゥバ。
 
が、
自身の体に、取りついている相手に対しては、
上手く得意の、雷撃・電撃を使えないらしく、
時折、空に電撃を放っては、
嫌そうにう鳴き声を上げ、暴れ回るだけで、
大した抵抗には、なりません。
 
一度振り落とされても、すぐに組み付いて、
角で突き、噛みつく、アギラの接近戦に、
中々打開策を、見出せないでいました。
 
トルコ司令
「こ、これは…!?
 この衛星の怪獣か?
 
 いや、この際、正体は良い。
 チャンスだ。
 
 全艦、あの怪物が、
 取りついていない部位を、攻撃だ。」
 
相性の妙で、大き過ぎ、遠距離投射が得意な、
リラントゥバが、アギラに手こずる間、
今度は上空から、トルコ・メキシコ艦隊が攻撃を再開。
 
徐々に被弾し、光線発射眼を潰されるリラントゥバは、
何度目かの小爆発の後、横倒しになって、
そのまま、動かなくなりました。
 
来た時と同じように、白煙が渦を巻いて、
その中に消える、アギラ。
 

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【パラ彗星 沖
 ≪アーク2号≫ 銃座】
 
戻ってきたカプセルを、ケースに戻すクロス。
 
クロス
「よくやってくれた。
 上出来だぞ。」
 

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【UST作戦室】
 
ヒデコ
「全ロケット点火、順調。
 
 天2号作戦、上手く行きそうです。」
 
カジ
「可動ロケットは?」
 
ヒデコ
「撃ち込めたのが…33発。
 うち、怪獣に破損されたのが、5機。
 
 残った28機中2機は、
 位置的・ベクトル的に、不向きになり、
 使用見合わせで… 可動26機。
 
 計算上は、行けます。」
 
カジ
「薄氷を踏む思いだな…」
 
リオ
「木星の方も、何とかなったみたいです。
 
 ゾフィのカプセル怪獣が、現れたようで、
 それで、形勢逆転しました。」
 
カジ
「そうか。
 何よりだ。」
 
B班らかの通信が、スクリーンに映ります。
 
ユウキ
『リオはちゃんと、やっていますか?』
 
リオ
「やってますよー!
 
 なんスか?
 陣中見舞い?冷やかし?」
 
ユウキ
『いや… 今回の一連の、戦闘ですが。
 
 どうも、要所要所で、
 ゾフィとその、カプセル怪獣だけではない。
 
 惑星・衛星上での、怪獣同士の、
 戦闘の痕跡や、目撃報告が見られます。』
 
カジ
「どう言う事だ?
 彗星獣同士の、争いや仲間割れ?」
 
ユウキ
『そうでは無いようです。
 
 可能性としては、太陽系土着の怪獣が、
 外来者に対して、独自に戦っている…』
 
カジ
「ああ、そうか。
 
 ありえそうだし、我々には光明だが…」
 
シズカ
「パラ彗星、最接近、終了です。
 他の彗星も通過中。」
 
カジ
「これで、とりあえず、
 一時、彗星群は離れる…」
 
リオ
「またすぐ、戻って来ますけど。」
 
通り過ぎつつある、スクリーン上の、
彗星群予測軌道を見ながら、半分は一息、
が、
半分はまだ、気が休まらない一同でした。
 
【第223話・終わり(続く)】

 
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