第223話 『天2号作戦』

 
ドロカ彗星獣 ブルザン 
パラ彗星獣 ダローワタス 
オーガドーラ彗星獣 アルガルール 
ノムノゴス彗星獣 リラントゥバ 
天王星怪獣 リカンザン 
カプセル怪獣 アギラ 

     

もし、ウルトラセブンの最終回のあと、
TVでゾフィが始まっていたら?の妄想ストーリーの第223話。

  

ついに地球に到達、襲来する、レオリア彗星群とその原住怪獣。

そんな中、さらに別の問題が発覚します…!?

 
【UST=防衛チーム】
 
ユルガ(隊長)
ゴウリ
ナワテ
ユリコ
ヒデコ
クロス
 
【IDM=地球防衛機構】
 

(Bチーム=情報技術班)
シズカ(班長)
ユウキ
ドノバ
アカイ
リオ
ユウ
 
ヤハギノ(V3隊長)
ミナミ(ムーンベース隊長)
 
カジ(UST参謀)
 
ミシマ(防衛空軍参謀・IDMF司令)
キタワカ(防衛陸軍参謀・IDMA司令)
マトバ(防衛海軍参謀・IDMN司令)
ナガサウラ(特務軍参謀・IDMI司令)
スズタニ(輸送軍参謀・IDMT司令)
 
マキノハラ(科学センター・所長)
 
フジハラ(長官)
スガノ(副長官)
サイバナ(IDM・補佐官)
 

 

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【これまでのお話し】
 
最初は想像の産物だった、レオリア彗星群。
それが実在し、やって来る事がわかります。
 
複数の彗星が、安定した距離を保ちながら、
超長期彗星として、やって来るのは、
未知の部分が、多かったのですが、
問題は彗星には、複数の生物~怪獣が存在し、
軌道上の惑星群を、襲っているらしい事でした。
 
そして実際に、探査衛星等が攻撃され、
レオリア彗星群の怪獣が、太陽系に飛来。
 
地球防衛機構は、全軍を上げて、
転送ステーションを使い、太陽系外縁部から、
襲来する彗星怪獣を、迎え撃ち続けますが…
 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【つつじの原宇宙線研究所】
 
開いている、天文ドーム。
 
垂直に降りて来た≪アーク2号≫が、降下して来ると、
再び天文ドームがスライドし、望遠鏡が現れます。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 

 
【UST作戦室】
 
入って来るユルガ隊長、ゴウリ、ナワテ、ユリコ、
クロスが一度並ぶと、一礼します。
 
ゴウリ
「何かすでに、作戦室が懐かしいな。」
 
ナワテ
「ぼくも、作戦終了までは、
 宇宙、行きっぱかと、思ってましたからねえ。」
 
ユルガ
「それで、重大な話と言うのは?」
 
カジ参謀と、マキノハラ博士が目配せします。
 
カジ
「レオリア彗星群はすでに、太陽系内に侵入し、
 おかげで各彗星の、詳細な軌道が判明した。
 そこで問題が起きた。
 
 もちろんこれは、彗星から飛来する、
 これまでの宇宙生物~彗星獣とは別の問題だ。
 
 これら彗星群の中で、もっとも地球と月の、
 近隣を通過する物は、このパラ彗星だが、
 簡単に言うと、問題のポイントは2点。」
 
スクリーンに、彗星の情報と軌道が映り、
マキノハラ博士が、話を引き継ぎます。
 
マキノハラ
「一つは、地球軌道のすぐ内側。
 つまりは地球・月と、太陽の間を通る。
 
 これは、どう言う事かと言うと…。」
 
ナワテ
「尾に… さらされますね?」
 
マキノハラ
「そう言う事。
 太陽風にさらされた、彗星の尾を、
 地球、月が被る事になる。
 
 そしてその際の、もう一点。
 
 降り注ぐ気化物質や、ダストは、
 極めて有毒、有害と思われる。」
 
ゴウリ
「げっ!?
 
 そ、それじゃあ…。」
 
マキノハラ
「そう。
 このままほっといて、降るに任せたら、
 どれほどの被害が、出るのかわからん。
 
 最悪、地球は全滅する。」
 
ゴウリ
「じょ、冗談じゃない!」
 
カジ
「もちろん、冗談じゃ無いよ。
 そこで、対応策を考えた。
 
 一言で言うと、ロケットを撃ち込み、
 その推力で、軌道をそらそうと言う物だ。」
 
パリ本部の、立てた作戦は…
大型のロケット弾、25発を彗星に撃ち込む。
 
徹甲弾のような、ロケットは、
彗星表面にそのまま突き刺さり、噴射を続け、
その推進力を持って、軌道を地球の外側に、
ズラしてしまおうと、言う物でした。
 
カジ
「すでに作戦は、スタートし、
 各国、各ブロックの担当支部は、
 準備のために、動き出している。
 
 大型ロケット弾は、3割程度を予備と考え、
 とりあえず、36発が準備され、
 いくつかは完成して、艦に積まれている。
 
 極東も、この天2号作戦に参加。
 無事に作戦を、成功させたい。」
 
ユルガ
「それで我々は、何をすれば?」
 
カジ
「主には艦隊護衛だ。
 推進ロケット弾の、輸送・発射は、
 米・ロ、中国・インド、西欧連合の、
 5ブロックチームで、担当する。
 
 が、当然、彗星獣の襲来、
 さらには妨害が、予想されるため、
 我々は船団護衛と共に、外敵排除に当たる。」
 
ユルガ
「わかりました。」
 
カジ
「彗星獣襲来は、まだ続いているが、
 今はまず、この作戦を成功させない限り、
 地球の無事も無い。
 
 諸君らの健闘を祈る。」
 
こうしてUST5名~≪アーク2号≫は、
地球でのひと時の、補給・メンテナンス、
作戦確認を終えると、再び急ぎ、
宇宙へと、飛び立って行きました。
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 

 
【土星ステーション 近海】
 
土星の軌道上に浮かべられた、ステーション、
補給基地を拠点に、作戦を進める極東UST。
 
西欧連合艦隊と、合流します。
 
西欧艦隊司令
「当艦隊では、大型推進ミサイル7発を、
 現在、準備しています。
 
 その発射母艦に、改装された艦船が7隻。
 旗艦は、当イタリアの≪パレルモ≫
 他は巡洋艦2、駆逐艦2、
 工作艦、補給艦が3と言う編成です。」
 
ユルガ
「了解しました。
 失礼ながら、まともな彗星獣に襲われたら、
 迎撃・撃退は、少々厳しそうですね。」
 
西欧艦隊司令
「そうです。
 
 攻撃用艦隊では、ありませんから、
 自衛レベルと、言ったところです。
 
 積極的に、倒すのなら、
 極東チームの活躍に、期待します。
 
 そちらの機体は、宇宙艇サイズとは言え、
 攻撃力は、巡洋戦艦以上と聞いています。」
 
ユルガ
「設計、運用思想が違うので、艦艇のような、
 継続的な攻撃力は、ありませんが。
 
 出来るだけの、お手伝いはします。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【天王星沖】
 
半球陣で防衛線を張り、彗星獣を待ち受ける、
アフリカ・ロシア、混成連合艦隊。
 
アフリカ連合艦隊を中心にして、さらに、
ロシアの遊撃部隊、オセアニアの艦船で、
数的には、それなりの戦力になっていました。
 
ターゲットにしていた、ドロカ彗星獣ブルザンを補足、
さっそく、総攻撃に移ります。

 


 
アフリカ艦隊司令
「よし、全軍突撃、攻撃開始!」
 
ロシア司令
「えっ?
 全艦艇、前進しながら攻撃か?
 艦載機も大型艦も?」
 
オーストラリア司令
「命令なら、やるだけやってみよう。
 全艦前進。」
 
ミサイル、レーザーで、攻撃に殺到する艦隊。
ブルザンも、その動きに気づいたらしく、
小型の火球を出しながら、反撃します。
 
とは言う物の、10数隻対1で、
火力差は、圧倒的に思えました。
 
アフリカ艦隊司令
「よし、戦艦、重巡の照準を開けろ。
 一斉砲撃で、一気にやろう。」
  
…が!?
 
アフリカ艦隊司令
「な、なんだ?」
 
ずっと等速移動していた、ブルザンが、
不意に、これまでにないスピードで、
しかも方向も、横滑りのように、
予期せぬ方向に、移動したのです。

 


 
砲手
「照準が… 追い切れません!?」
 
その後もブルザンは、艦隊の中に飛び込んでかき回し、
狙われると、不規則に高速移動します。
 
さらに、突然接舷された艦艇は、
格闘戦で、艦に損害を負わされ、
小口径の火球だけと、思っていると、
徐々に、大口径の火球に、
エネルギービームまで、撃って来ました。
 
『≪タンガニイカ≫大破炎上航行不能。
 
 ≪キリマンジャロ≫≪ラジャスタン≫も、
 同じく被弾。中破。
 旗艦、≪スタンリー≫へ移ります。』
 
ロシア司令
「艦載機に捕捉させろ!
 何とかしろ!」
 
伝令
「無理です。
 こう動きが早くては、同じです。」
 
オーストラリア司令
「ワイヤーネットで、動きを封じれんか?」
 
伝令
「ワイヤーネットが、当たりません。」
 
アフリカ艦隊司令
「少しずつでも、何としてでも、
 ダメージを与えろ!
 
 組み付かれた艦は、0距離ミサイルだ!」
 
徐々に損害を増す艦隊の、必死の反撃で、
それでも多少は、傷を負ったのか、
最後はブルザンは、艦隊を離れ、
天王星の衛星、オベロンへと、
逃げるように離脱して、行きました。
 
アフリカ司令
「生きている艦を選抜して、オベロンへ!
 ここで逃がしては、いかん。」
 
ロシア司令
「なんて事だ。
 大損害だ。
 
 だから最初は、慎重な方が良かった。」
 
アフリカ司令
「後から泣き言を、言っても始まらん。
 
 慎重だろうが、思い切りだろうが、
 相手の手の内が、わからんうちは同じだ。」
 
オーストラリア司令
「今ここで、責任問題を言っても仕方ない。
 敵はまだ生きて、衛星にいます。
 
 残存艦隊をまとめ、誰か一人指揮して、
 衛星へ、向かいましょう。」
 
ロシア司令
「惑星沖で戦って、この有様なのに、
 衛星重力下に行って、大丈夫なのか?」
 
アフリカ司令
「それなら私が行く。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【天王星 第4衛星 オベロン(Uranus IV Oberon)】
 
暗い地表~谷間の中へ、身を隠すように、
静かに降下して来る、ドロカ彗星獣ブルザン。

 


 
その時、谷間の地面が盛り上がり、
巨大な怪獣が、現れます。
 
天王星の衛星に住む、衛星怪獣リカンザン。

 


 
ふわふわと漂いながら、接近するブルザンは、
確かめるように、手を伸ばしますが、
不意にリカンザンの、尾の一撃で吹き飛びます。
 
距離を取り、小火球を連射して攻撃するブルザン。
手前の地面に当たって、爆発が上がりますが、
大したダメージではないらしく、向かって来ます。

 


 

 
何度か横滑りで、移動して避けるブルザンですが、
ダメージからか、衛星重力圏下だからか、
艦隊戦の時ほどの、速度とキレはありません。
 
それを自覚しては、距離を取りつつ、
エネルギービームに、切り替えるブルザン。
 
1発目は、手前で大きな爆発と、
氷の吹雪を巻き上げましたが、2発目…
 
リカンザンが、尾を開いて立てると、
表面上に薄い光が起き、フィールドが張られ、
エネルギービームは、そこに一度吸い込まれ、
反射するかのように戻り、ブルザンに当たります。
 
大きな爆発で、ひっくり返るブルザン。
 
リカンザンは、爆発性の噴煙を吹きながら突っ込み、
横倒しで、もがくブルザンを踏みつけ、
最後は爆発噴煙で、小爆発を繰り返した後、
大きな爆発が上がり、ぐったりと動かなくなります。
 
ブルザンの死を確認すると、去って行くリカンザン。
 

 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【パラ彗星 沖】
 
ナワテ
「来る…来ますよ!でかいのが一体!」
 
ユルガ
「よし、それを我々が引き受ける。
 
 工作隊には、先に行ってもらえ!」
 
西欧艦隊司令
「かたじけない。
 
 巡洋艦2隻をつけます。」
 
≪アーク2号≫と巡洋艦2隻が、迎撃に残り、
旗艦≪パレルモ≫が指揮を執る、
発射母艦と、駆逐艦、工作艦、補給艦の、
工作部隊が別れ、パラ彗星を目指す事になります。
 
ユルガ
「最初は、どんな相手かもわからないですし、
 我々が前面を、受け持ちます。
 
 ≪トレント≫、≪トリエステ≫は側面を抑え、
 隙があったら、攻撃して下さい。」
 
巡洋艦艦長
「了解!」
 
ナワテ
「巡洋艦を差し置いて、我々前ですか?」
 
ゴウリ
「≪アーク2号≫の前面は、バリアがある。」
 
ナワテ
「前だけですよ。
 
 それにそれは本来、削岩用のフィールドです。
 出力落ちたり、前以外に回られたら、
 装甲なんて、あって無いようなもんです。」
 
ゴウリ
「回られなけりゃ、どって事無いだろ?」
 
クロス
「来ますよ!
 攻撃、見極めて!」

 


 
翼を広げ、迫って来る巨大な怪獣。
オーガドーラ彗星獣、アルガルール。
 
先手を打って、電撃を放つアルガルール。
 
ナワテ
「こっ、こいつの武器は、電撃光線です!
 バリア全開!」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【ムーンベース 作戦室】
 
シモカワ
「エモリさん、これ…
 
 レーダー・スクリーン、見て下さい。」
 
エモリ
「どうした?
 
 これは…隕石…か?」
 
シモカワ
「なんとも微妙です。
 確かに直接の反応、データーは、
 彗星獣のような、生物ではない。
 
 しかし、自然の隕石や岩塊にしては、
 何か不自然な…?」
 
エモリ
「彗星群側から、来たのか?
 どこに向かってる?」
 
シモカワ
「このままなら…木星でしょうか?」
 
エモリ
「何か別タイプの、彗星獣かも知れんな。
 
 直接間に合うかも、知れんし、
 一応、隊長と地上には、伝えよう。」
 
シモカワ
「了解。」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【パラ彗星 近海】
 
旗艦≪パレルモ≫以下、発射母艦、
駆逐艦、工作艦、補給艦の、西欧工作艦隊。
 
所定距離・位置につくと、発射準備を開始し、
ミサイル発射母艦から、次々と推進ミサイルを発射。
 
地表に着弾したのを、確認します。
 
西欧司令
「よし、USTが彗星獣を引き受けてくれたおかげで、
 こちらは今のところ、順調だ。
 
 後は他艦隊と連絡し、噴射を開始出来れば…」
 
と言うところで、
インド艦隊から、緊急電が入って来ます。
 
西欧司令
「な、なんだって!?
 彗星獣がいる?
 
 ここに怪獣がいるのか!?」
 

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
インド司令
『こちら、インド工作艦隊。
 ただいま、パラ彗星沖。
 
 推進ロケットを、撃ち込んだが、
 彗星地表に、怪獣がいる。
 
 そいつがロケットを、破壊しているので、
 このままでは、作戦を続けても失敗する。
 
 先に彗星上の、怪獣の排除が必要。
 攻撃部隊を求む。』
 
ゴウリ
『な、なんだって!?』
 
インド司令
『重巡1、駆逐艦2。
 しかしすでに、重巡は被弾。
 
 駆逐艦1も中破で、戦線離脱。
 残り戦力では、怪獣排除は困難。』
 
西欧艦隊司令
「こちらと合わせても、
 巡洋艦と駆逐艦3か。
 
 何とか行けるかもしれん。
 やるだけやってみようか?
 
 沖の彗星獣、USTはいかがか?」
 
ユルガ
『まだ倒せていない。
 片づけられたら、急行するが…
 
 くれぐれも無理はせず、
 ご武運を祈る。』
 
西欧艦隊司令
「お互い、グッドラックだな。」
   

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