第221話 『奇襲カイパーベルト(彗星の群れ1/5)』(Bパート)
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【海王星沖】
アメリカ、カナダの有志艦隊が、防衛線を張る中、
2体の怪獣が、接近して来ます。
巨大な姿の怪獣を、守るかのように、
その前を進む、中型の怪獣。
カナダ艦隊と、アメリカ艦隊の一部が、
先行する怪獣に、接近していくと、
惹きつけるかのように、離れだす中型怪獣。
その様子を見て、アメリカ艦隊主力が、
後方の、巨大怪獣に向かいます。
中型怪獣とカナダ艦隊は、次第に、
激しい光線の、撃ち合いになって行きます。
小型の光刃のような、三日月形の光弾を放ち、
接近する艦には、大きな爪で攻撃する怪獣。
多少の被弾をしながらも、速度に勝る怪獣は、
カナダ艦隊を、強引に振り切って、
そのまま海王星に、突入して行きます。
カナダ艦隊司令
「駄目だ。
ダメージは与えたと思うが…」
副官
「こちらの損害も、小さくありません。
既に、半分以上の艦が、
何らかの損傷を、受けています。」
カナダ艦隊司令
「やむを得ん。
報告だけして、一時、艦隊を立て直そう。」
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【海王星沖 アメリカ艦隊×クラーギル】
盛んに攻撃を行うも、光線が途中で変色・湾曲し、
怪獣に到達せずに、消えたり跳弾します。
アメリカ艦隊司令
「どう言う事だ?」
副官
「わかりませんが、バリアか何かと思われます。」
アメリカ艦隊司令
「バリアなら、一定以上の負荷で破れるだろう。
攻撃を続けるんだ。
が、
次第に、艦隊に損害が出始めます。
突然、見えない壁か何かに、当たったように、
艦艇が折れたり、爆発を始めます。
アメリカ艦隊司令
「様子がおかしい。
包囲態勢のまま、一時下がるんだ。」
そこへ、極東ムーンベースの艦隊が合流します。
ミナミ
『戦況は、聞いていました。
我々に、やらせて下さい。
カツノ、始めろ。』
カツノ
『了解、電磁反駁場弾、攻撃開始します。』
空母≪秋風≫を発艦した、艦上攻撃機隊が、
怪獣の周囲に、ロケット爆弾を投下。
次々に爆発すると、やがてさっきまでの怪獣が消え、
別の場所から、怪獣の姿が現れます。
ミナミ
『あっちが本体だ。
全艦攻撃開始。』
アメリカ艦隊司令
「そうだったのか!
我々も攻撃開始だ。」
一斉に攻撃を開始する、連合艦隊。
怪獣は巨体のため、中々参らず、
反撃で損害は、出ましたが、
今度は攻撃が通り、徐々に煙を吹き、
最後は爆発して、粉々になりました。
アメリカ艦隊司令
「協力感謝する。」
ミナミ
『良いって事よ。
お互い様だ。』
カツノ
『隊長、他国の艦隊司令に向かって、
その口調は、無いですよ。』
ミナミ
『え?
そ、そうか?』
ミカゲ
『しかし、頭が痛いですね。
一体だけでも、この有様とは。』
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【天王星沖】
ナスカーノと遭遇する、中国艦隊。
射程距離内に、接近しようとしますが、
先に怪獣から、攻撃をかけられます。
それは小さなつぶて…弾丸のような物が、
無数に飛んで来ては、艦に命中。
被弾や貫通を、して行きました。
やがて何発かは、中~大型の物も飛んで来ます。
中国艦隊司令
「なんだ、これは?」
射程内に入る前に、艦隊は混乱し、
その真っ只中を、突っ切るように、
怪獣は天王星へと、向かいました。
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【海王星】
暴風の大気、水素ガスを抜けた、氷の海王星表面。
カナダ艦隊を振り切った怪獣は、そこに降り立ちます。
周囲を探るように、浮遊しながら移動する怪獣ですが、
山影から、別の怪獣が現れます。
彗星怪獣を迎え撃つ、海王星土着の怪獣、
エリゴラッフィ。
半ば浮遊しながら、移動攻撃する彗星怪獣に、
組み付いて格闘で圧倒する、海王星怪獣。
が、彗星怪獣は光刃で反撃すると、
巨体と爪で次第に、押し始めます。
止めを刺そうと、のしかかったところを、
尻尾ではねのけると、光線噴煙を吐き反撃。
今度は彗星怪獣が、逃げ始めますが、
小爆発を繰り返した末、最後は裂け目に落下します。
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【冥王星】
トーア彗星獣、イシュサムナを追撃する、
デンマーク、フィンランド、ノルウェー、
スウェーデンの、北欧連合艦隊。
そこにさらに、インド艦隊が加わり、
挟み撃ちの形で、挟撃します。
怪獣は盛んに、光線を放ち、
正面に回ったインド艦隊に、被害が出始めます。
さらに巨体で、艦艇に体当たりし、
正面突破で、強引に冥王星に向かいます。
追いすがる北欧艦隊と、インド残存艦隊。
冥王星の氷の平原から、険しい山脈に、
逃げ込もうとする、彗星怪獣、
低空を縫うように移動する怪獣を、
追撃する艦隊は、次第に吹き上がる雪煙に、
目標を、見失います。
北欧艦隊副司令
「潜ったのでしょうか?」
北欧艦隊司令
「散開して探せ!」
が、とある山腹に接近したところで、
突然怪獣が、雪氷を噴き上げて現れます。
イシュサムナにのしかかられ、鎮座する旗艦。
インド艦隊司令
「このまま攻撃すれば、味方艦にも当たる。」
北欧艦隊司令
「構わん、このまま撃て!」
インド艦隊司令
「艦載機に攻撃させ、離れさせろ!」
この空撃で、離れだした怪獣を、
駆逐艦、魚雷艇、突撃艦ら、小型艦で攻撃し、
墜落し始めたところを、接近、
砲撃、雷撃の集中攻撃で、ついに倒しますが、
北欧艦隊旗艦も大破し、司令官らが艦を移動、
北欧艦隊は、旗艦を変わります。
北欧艦隊司令
「それ以外の被害も、決して軽くはない。
だが、とにかく、倒せた。」
残存艦をまとめて、冥王星ステーションに、
一時、引き上げていく艦隊。
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【天王星 ≪アーク2号≫】
ナスカーノを発見する、≪アーク2号≫。
ゴウリ
「こいつか?
中国艦隊が、してやられた相手は?」
ユリコ
「でもそのおかげで、敵の術が見当つくわ。」
ナワテ
「機首を向けて、バリア全開、
一撃離脱ですね。」
この対応はうまく行き、怪獣の最初の徹甲弾攻撃を、
≪アーク2号≫は、ほぼ完全に防いで、
こちらのレーザー、ミサイルを命中させます。
が、怪獣は被弾して、煙を吹きながらも、
そのまま天王星へ、逃げ去ります。
回頭して追いすがる≪アーク2号≫。
ゴウリ
「ほとんどの、彗星怪獣は、
惑星や衛星…星に向かってるらしいが、
どうしてなんだ?」
ナワテ
「おそらくですが…
産卵、繁殖のためでしょう。
また、その予備段階として、
エネルギー施設や、軍事拠点を破壊して、
エネルギーの奪取や、驚異の除去もあるかと。」
ユリコ
「言ってしまえば、自然の摂理の、
弱肉強食や、種族の?栄なのかしら。」
ゴウリ
「だったら、外敵排除のこっちのする事だって、
正当防衛って、なもんだぜ。
天王星、突入します。」
天王星の、高密度流体層に突入する≪アーク2号≫。
やがて表面に相当する、氷の層に着陸します。
ユルガ
「怪獣は?」
ゴウリ
「レーダーが捕らえています。」
ユルガ
「しかし、この環境下で、
≪アーク2号≫は行けるのか?」
ナワテ
「高温よりはマシですし、理論的には活動可能ですが、
何せこんな環境は、実証実験のしようがありません。
余り長時間は…
ゴウリ隊員、レーザー中心で。」
ゴウリ
「了解!」
レーザー攻撃で、被弾するナスカーノ。
振り返ると、巨体で迫って来ます。
ナワテ
「やつの武器は、つぶての物理攻撃だから、
この暴風大気内では、撃てないんだ。
チャンスです。」
ゴウリ
「よし!」
レーザーを何ヵ所かに当て、頭部らしき場所が、
急所と判断したゴウリは、ミサイルを放ちます。
何とか誘導しながら命中すると、大爆発し、
全身にひびが走ると、ナスカーノは爆発しました。
ゴウリ
「あ、ミサイル発射口が、閉じん。
と言うか、動かん。」
ナワテ
「やっぱりかあ。
まあ、やっつけたから、もう良いです。
最寄りのステーション行って、メンテしましょう。」
噴射して、天王星を脱出する≪アーク2号≫。
と、遠くに光が走るのを見ます。
『緊急警報!
彗星怪獣の最先端は、土星に接近。
繰り返す、
第1第2防衛ラインは、既に破られている。
最寄りの戦闘艦隊は…』
ゴウリ
「もう土星まで?」
ユルガ
「連戦は無理だ。
今はステーションへ急ごう。」
ナワテ
「賛成です。」
ゴウリ
「戦えないわけじゃ無いし、位置的には近いのに。
残念だ。」
ユリコ
「気持ちはわかるけど、駄目よ、変な気起こしちゃ。
ここで無理して何かあったら、取り返しつかないわ。」
ゴウリ
「わかってるよ。」
クロス
「一応点検して来ます。」
さりげなく、コクピットを抜けるクロス。
誰もいない、通路まで来ると、
ウルトラホープを出して、フラシュ。
閃光と共にゾフィが現れます。
一躍、土星を目指すゾフィ。
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【土星沖】
土星へ向かう、怪獣、
パール彗星獣ゲラシウスを、発見するゾフィ。
飛びながら、スラッシュショットを放つと命中し、
一瞬、グラリと来る怪獣。
その間に急接近して、組み付きます。
もがき、上になったり下になったりしながら、
土星へと墜落して行く、両者。
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【土星】
メタン、アンモニアの雲を抜け、
そのまま液体状の海~表面に浮かぶ、
岩塊島に落下する両者。
光線を放って攻撃する、ゲラシウス。
ゾフィは、避けてかわしながら、
スラッシュショット、ネオアタックビームで応戦。
ゲラシウスも、半透明の防護壁のような物を張り、
光線の威力をそいで、対抗します。
共に接近して、格闘戦になると、
ゲラシスウの両手の、爪が伸びてヒート。
また、トゲもヒートして輝き、
回転ノコギリのように、触れる物を切断します。
上手くかわして、触らないようにしながら、
頭を殴り、胴を蹴り上げると吹っ飛ぶ怪獣。
頭と両手からの、合体光線を出すと、
ゾフィのバリアを、押し始めますが、
ゾフィはバリアを捨てて、ダイブ。
サイコルディア・ストラッシュ~
光の円盤を投げつけ頭部の命中、爆発で、
光線が止まったところで、
スパーク・ストライカー~両腕で出す、
十字状光線を、近距離から放つと、
後退りしながら、爆発。
ゲラシウスは吹き飛びます。
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【天王星沖 ≪アーク2号≫】
各国艦隊の展開図と、彗星怪獣の予想図が、
スクリーン上に、映し出されます。
ゴウリ
「こりゃあ… 全然手が足りねえ。
のんきにメンテしてる場合じゃ、無いですよ。」
ナワテ
「そうは言っても、メンテは絶対必要です!
今、無茶は、死にに行くようなもんです。」
ゴウリ
「理屈じゃ、わかるんだけどよ。」
ユルガ
「星に到達された途端に、どうにかなるわけじゃない。
焦ったら、それこそ負けだぞぞ。」
ゴウリ
「そ、そうなんですが…
あ、また。」
すでに十以上の光点~怪獣が確認され、
最先端は土星の先…木星を目指していました。
【第221話・終わり(続く)】