第271話 『陰にいる者(後編)』

 
フォンキルカル星人 
トーネルカーネ星人 
怪獣 サウザンスタング 
怪獣 イスタンスタング 
怪獣 ウェスタンスタング 

     

もし、ウルトラセブンの最終回のあと、
TVでゾフィが始まっていたら?の妄想ストーリーの第271話。

 

なんとか、極東基地を解放したUSTは、

現象の元凶かつ中心に、迫ろうとしますが…!?

 
【UST=防衛チーム】
 
ユルガ(隊長)
ゴウリ
ナワテ
ユリコ
ヒデコ
クロス
 
【IDM=地球防衛機構】
 

(Bチーム=情報技術班)
シズカ(班長)
ユウキ
ドノバ
アカイ
リオ
ユウ
 
カジ(UST参謀)
 
マトバ(防衛海軍参謀・IDMN司令)
 
マキノハラ(科学センター・所長)
 

 

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【これまでのお話し】

 

パトロール中に、プラトン立体を見たクロス。
それが各地に、飛び去ってから、
日本中で奇現象が、起きていました。
 
調査を進めようとした、USTですが、
クロスは次々に、不思議な空間に入り、
基地から出る事すら、出来なくなります。
 
堂々巡りの末に、一計を案じ、
逆に中に戻るように、進んだ結果、
宇宙人に遭遇、撃破に成功し、
一時的に基地は、開放されます。
 
が、日本全体では、まだ奇現象は続き、
しかもどうやら、撃破した宇宙人は、
真の敵ではなさそうだ…とわかり!?
 

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【福島沖 海上
 第2艦隊旗艦≪雲仙≫ ブリッジ】
 
ユゲ(第2艦隊提督・IDMN)
「よし、発射!」
 
第2艦隊の、ミサイル戦艦≪雲仙≫、
≪阿蘇≫から発射された、ミサイルが、
海上の立方体に命中、爆発が上がります。
 
副官
「全弾目標に命中、目標消失。
 破壊されたようです。」
 
ユゲ(第2艦隊提督・IDMN)
「何か影響は無いか?
 
ユゲ(第2艦隊提督・IDMN)
「今のところ、ありません。
 
 毒物、放射線、電磁波、細菌等、
 反応は、オールグリーンです。」
 

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【千葉南東沖 海中】
 
潜水艦から、次々に発射される魚雷。
立方体に命中すると、爆発します。
 
副官
「目標に、命中。
 排除完了。」
 
サシグレ(第2潜水戦隊・IDMN)
「よし。
 本部へ連絡だ。」
 
旗艦≪奄美≫(あまみ)の周囲に、
浮上する、4隻の潜水艦。
 

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【新潟沖 海上
 第6艦隊旗艦 巡洋戦艦≪慶良間≫ ブリッジ】
 
少し先で、次々に水柱が上がり、
最後にひときわ大きい、爆発が上がります。
 
副官
「≪梨平≫(なしだいら)より入電。
 目標は完全に破壊せり。」
 
ナカサイ(第6艦隊・IDMN)
「よし。
 
 念のため、今しばらく、
 臨戦態勢のまま、様子を見る。
 
 5水戦は戻せ。」
 
副官
「了解。」
 

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【静岡南方海上
 第5機動部隊 旗艦≪やはた≫ブリッジ】
 
次々に急降下する艦爆隊が、爆弾を落とすと、
爆発が上がり、爆炎が吹きあがります。
双眼鏡で、じっと見ている数人。
 
副官
「目標、破壊のようです。」
 
ニオギ(第5機動部隊・IDMN)
「よし、このまま15分待機だ。」
 
副官
「隊長機が、まさか海上静止目標に、
 急降下爆撃を、する事になるとは…と。」
 
ニオギ(第5機動部隊・IDMN)
「良かったな。
 良い訓練になったろ?」
 

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【UST作戦室】
 
ヒデコ
「日本全国の怪雨現象、腸チフス罹患者、
 既存動物の移動現象、消失船の再発生現象、
 無限回廊の出現などの、奇現象は、
 首都圏を除いて、ほぼ沈静化したようです。」
 
マキノハラ
「やはり、
 例のプラトン立体が、原因だったのは、
 これでまず、間違いない。」
 
ゴウリ
「ただ…
 最後の1個が、まだ…」
 
ナワテ
「おそらく都内、都心でしょう。
 
 ここだけ現象に、変化が無いようだし、
 4つの位置は、正方形の4頂点です。
 
 最後の1個が、てんで関係無い位置に、
 ポコッとあるとは、思いにくい。
 対角線の、中点でしょう。」
 
カジ
「ここまでの経験則が、今度も通じるなら、
 外から中へは、入れるはずだ。
 
 ただ、
 その後の移動が、どうなるかは…。」
 
ユルガ
「≪アーク1号≫で、突入し、
 行けるところまで、空から行く。
 
 様子がおかしくなったら、その時点で、
 散開して、各自で向かう。
 ヒデコ君は、ここを頼む。」
 
ヒデコ
「隊長も、行かれるんですか?」
 
ユルガ
「状況を考えれば、今回は、
 現場が1人でも、多い方が良いだろう。
 
 対してここは、
 連絡なら、ヒデコ君で充分、
 指揮・判断なら、カジ参謀がいる。」
 
カジ
「みんな重々、気を付けてくれ。
 どうも今回は、得体が知れん。」
 

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【北香第2ダム】
 
ダム前面が開閉して排水した後、湖底部がスライド。
上がって来る、≪アーク1号≫。
 
エレベーターが所定位置で止まると、発進します。
 

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【東京上空 ≪アーク1号≫コクピット】
 
ナワテ
「そろそろ影響圏と考えても、良いはずですが…
 今のところは、異常ありませんね?」
 
ゴウリ
「行けるところまで、行こう。
 なるべく、少しでも。」
 
ユルガ
「いや…着陸だ。
 ここからは、陸路で行こう。」
 
ユリコ
「隊長?」
 
ユルガ
「太陽が2つあるぞ。」
 
ゴウリ
「あっ!?」
 

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【世田谷区 多摩川近隣】
 
着陸した≪アーク1号≫から降り、
散開して、都心を目指す5人。
 
別れた直後から、4人が次々と、
陽炎のように、消える姿を見て、
苦笑する、クロス。
 
クロス
「やれやれ、
 これじゃ、また、どうなる事やらだが、
 人数も5人だし、多少なりとも、
 一度経験しただけ、マシかな?」
 
と、
河川敷の階段を、上って行きます。
 

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【宇宙 星を治す馬】
 
階段を上るうちに、周囲が暗くなり、
いつの間にか、宇宙になって来ます。
 
細い、曲がりくねった階段を上り、
宇宙の中を進んで行く、クロス。
 
ところどころでは、水平の通路に。
また、降りたり上ったりしながら、
一本道の階段は、くねりながら進みます。
 
ふと見ると、輝く星は五角形で、
壁掛け時計の下に、ぶら下がっており、
その時計はさらに、鳩が吊り下げて支えていました。
 
別の細い、一本階段が伸び、
そこに腰かけて、乗り出した馬が、
壊れたらしい時計を、一つ一つ、
直している、ところでした。
 
足を止めて見入る、クロスですが、
馬が気が付いて、話しかけて来ます。
 

「駄目だよ。
 これは人間が見ちゃ、駄目なんだ。
 
 人間の世界に、生きる人間なら、
 他の世界の事を知ったら、おかしくなる。
 自分の生きる世界との、つじつまが合わなくなるからね。
 
 やれやれ、まったく。
 どうやって、こっち側に来たんだが…
 
 さあ、人間は行った行った。
 宇宙の真実を、知っちゃいかん。
 そこから、戻りなさい。
 
 やれやれ、まったく。」
 
ふと、自分の階段に目を戻すと、
すぐ上が、踊り場になっていて、
扉が一つだけ、あります。
 
クロス
「あ、ありがとうございます。
 
 また…」
 

「ああ、達者でな。
 または無いよ。
 
 やれやれ、まったく。」
 
不機嫌そうに、仕事に戻る馬に、
頭を下げて進む、クロス。
 

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【機械の中】
 
そこは巨大な機械の中のようでした。
 
一応の床は、ありましたが、
ところどころで、さらに下の階が見え、
そこでも、不思議な様々な機械が動いており、
一角は、制御室のようでもあり、
機械室や、ボイラー室のようでもあり、
実験室のようでもあり、
巨大な工場のようでもありました。
 
絶え間なく、何かを作る音や叩く音、
ベルトコンベアーの音が、聞こえます。
 
作業服に帽子の人間が、一心不乱に機械に向かい、
作業を続けていましたが、顔を見ると歯車でした。
 
その中の一本道を、進んで行くクロス。
 
途中、すぐ脇で作業している、作業員?
歯車人間?がいたので、
思い切って、声をかけてみます。
 
クロス
「あのう…
 ここは何ですか?
 
 何を、作っているんです?」
 
歯車人間
「ここは、第142857工場だよ。
 ここでは、世界の全てを作っている。」
 
クロス
「世界の…すべて?」
 
歯車人間
「そうだよ。
 
 世界だって、作らなきゃ出来ないだろ?
 当たり前だろ?
 
 君だって元の世界で、生きていたんだろ?
 
 それなら、そこだって、
 作ってもらったから、出来たわけだよ。」
 
クロス
「作ってもらったから出来た?」
 
歯車人間
「そうだよ。
 
 先に出来た、どこか別の世界の人が、
 付きっきりで、全部作ってくれたから出来た。
 でなきゃ、世界なんて無いだろ?
 
 そりゃあ、大変なんだよ。
 世界全部を、作るんだからさ。
 
 今だってこうして、どこかの世界が、
 世界を上げて、別の世界を作ってるのさ。
 
 だから世界があるんだよ。」
 
クロスは一礼すると、通り過ぎました。
 

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【螺旋階段】
 
縦、横、斜めに、螺旋階段の入り組んだ空間。
 
ところどころの踊り場に、小さな部屋があり、
そこに入る扉があります。
 
クロス
「四畳半くらいの部屋に思えるけど
 
 多分あそこに入ったら、世界が広がってるんだろうな…」
 
そんな事を思いながら、進んで行くと、
突き当りの扉になります。
 
クロス
「ここは他に、行きようがない…」
 
一瞬、通路を離れ、
無限の空間に、飛び降りたらどうなるか?
と考えますが、
 
クロス
「通常の進み方で、まだ進めるのに、
 あえて、リスクを取らなくても良いか?」
と思い、
突き当りの扉に入ります。
 

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【内臓のような部屋】
 
異様な部屋?でした。
 
何か、巨大な生き物の中のような、
内臓の中のようでもあり、辺り一面に、
内臓が張り付いた部屋、空間のようでもありました。
 
それらは生きており、脈動しており、
管の端からは、何かの液体を出していました。
 
ところどころで、リンゴの行列や機械の鳥が、
通り過ぎたり、部屋の世話?をしているようでした。
 
仙人
「ここは、命を生む場所じゃ。
 世界を作ったら、命も作らにゃならんからな。
 
 世界だけでは、何も起こらん。
 花も草も動物も魚も、全部作って世界に置き、
 それで始めて、世界が出来る。」
 
二重らせんの仙人が、独り言のようにつぶやきます。
 
仙人
「おお、君はもう、命を持っとるな?
 
 それなら、ここにいちゃいかん。
 場違いなんだよ。」
 
クロス
「ど、どうも…」
 
歩くのも、何か踏んづけないか?気にしながら、
慎重に、でもなるべく早くこの場を去りたくて、
進んで行くクロス。
 
「ハヤク、ハヤク」
 
機械の鳥が、しゃべりながら足元を通り過ぎ、
暗い穴に、消えるのを見ると、
見つけた同じような、穴の一つに入ります。
 

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【止まっている電車】
 
出たところは、電車の車内。
 
古風で立派な、客車内のような場所で、
窓から外を見ると、多くの電車が止まる、
広い館内の、電車の駅のような場所でした。
 
が、見ると電車は、みんな止まっており、
しばらくすると、ホームの方が動いて行きます。
 
クロス
「電車とホームが、逆なのか?」
 
ホームから降りて来た、様々な客が、
列車に乗って移動し、乗り継ぎをするべく、
次のホームへと、向かいます。
 
廊下を客が通るため、そのたびに席に座り、
退避して、やり過ごしているクロス。
 
クロス
「電車がホームだと、不便だな…」
 
小さな12星座の妖精が、列になって通り過ぎると、
反対側からは愚者、魔術師、女教皇、女帝、皇帝らが、
やはり列を成し、通り過ぎて行きます。
 
外の、ししおどしが鳴ると、
新しいホームが、入って来ます。
 
「参宮橋←小竹向原→水天宮」
と書かれています。
 
クロス
「あ、乗ります!
 ごめんなさい。」
 
白い一つの顔の人、黒い二つの顔の人、
碧い三つの顔の人らを、押し分け、
慌ててホームに、乗るクロス。
 
やっとの事で、列車を降り、
ホームのベンチに座ると、動き出します。
 

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【長い階段】
 
降りた場所は、電信柱がどこまでも続く、
一方が崖になっている、光景でした。
 
が、順路はこっちと言わんばかりに、
長い階段が、道のように続いています。
 
階段を使って、少しずつ上って行くクロス。
 
「転落注意。転落注意。」
 
電信柱の上にとまっている、カメレオンが呟き、
その後、自分自身が落下して行きます。
 
不意に両側が、屋台の夜店になり、
そこを通り過ぎると、長い廊下に突き当たります。
 
廊下を進み、最初のドアに入るクロス。
 

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