第301話 『三国志対関が原(後編)』

 
 上杉側怪忍獣
昆虫怪獣 カルゴナ  
山犬怪獣 ラオラ 
砂鮫怪獣 シャルゴザ 
鍬形怪獣 ギグラス 
蝙蝠竜 ワウバリン
 
 武田側怪忍獣 
二枚貝怪獣 バイガ 
トカゲ怪獣 ゲルカス 
大アブ怪獣 ブゴス 
黄金巨像 ビグード 
大蜘蛛怪獣 ジキモ 

次元超怪獣 ガルギルドス 
イッカド次元星人 

   

もし、ウルトラセブンの最終回のあと、
TVでゾフィが始まっていたら?の妄想ストーリーの第301話。

 

異世界へ飛ばされてしまったUST。

戦闘の休止と、帰還を模索しますが…!?

    
【UST=防衛チーム】

ユルガ(隊長)
ゴウリ
ナワテ
ユリコ
ヒデコ
クロス

【IDM=地球防衛機構】
  
カジ(UST参謀)
 
マキノハラ(科学センター・所長)
 
【その他・ゲスト】
 
【東軍(徳川勢)】
 
徳川家康(東・魏) 
本多忠勝(東・魏)
黒田長政(東・魏)
細川忠興(東・魏)
加藤嘉明(東・魏)
筒井定次(東・魏)
田中吉政(東・魏)
福島正則(東・魏)
藤堂高虎(東・魏)
京極高知(東・魏)
吉田重勝(東・魏)
織田有楽(東・魏)
金森長近(東・魏)
生駒一正(東・魏)
井伊直政(東・魏)
松平忠吉(東・魏)
寺沢広高(東・魏)
有馬豊氏(東・魏)
山内一豊(東・魏)
浅野幸長(東・魏)
池田輝政(東・魏)
 
【西軍(石田勢)】
 
石田三成(西・呉)
島左近(西・呉)
蒲生郷舎(西・呉)
宇喜多秀家(西・呉)
明石全登(西・呉)
小西行長(西・呉) 
平塚為広(西・呉)
赤座直保(西・呉)
小川祐忠(西・呉)
朽木元綱(西・呉)
脇坂安治(西・呉)
島津義弘(西・呉)
島津豊久(西・呉)
大谷吉継(西・呉)
大谷吉治(西・呉)
毛利秀元(西・呉)
吉川広家(西・呉)
 
【小早川勢】
 
小早川秀秋(小・中)
平岡頼勝(小・中)
稲葉正成(小・中)
 
【魏軍(曹操軍)】
  
曹操(東・魏)
荀彧(東・魏)
郭嘉(東・魏)
賈挧(東・魏)
程昱(東・魏)
曹仁(東・魏)
曹洪(東・魏)
張遼(東・魏)
于禁(東・魏)
張合(東・魏)
楽進(東・魏)
徐晃(東・魏)
典韋(東・魏)
許亥(東・魏)
夏侯淵(東・魏)
夏侯惇(東・魏)
 
【呉軍(孫権軍)】
 
孫権(西・呉) 
周瑜(西・呉)
魯粛(西・呉)
張昭(西・呉)
程普(西・呉)
韓当(西・呉)
黄蓋(西・呉)
太史慈(西・呉)
丁奉(西・呉)
甘寧(西・呉)
周泰(西・呉)
凌統(西・呉)
潘璋(西・呉)
 
【蜀軍(劉備軍)】
 
劉備(蜀・中)
諸葛亮(蜀・中)
鳳統(蜀・中)
徐庶(蜀・中)
法正(蜀・中)
馬良(蜀・中)
関羽(蜀・中)
張飛(蜀・中)
馬超(蜀・中)
黄忠(蜀・中)
趙雲(蜀・中)
王平(蜀・中)
厳顔(蜀・中)
呉懿(蜀・中)
馬岱(蜀・中)
李厳(蜀・中)
 
【梁山泊軍】
 
宋江(泊・中)
智多星呉用(泊・中)
公孫勝一清道人(泊・中)
豹子頭林冲(泊・中)
小李広花栄(泊・中)
鎮三山黄信(泊・中)
花和尚魯智深(泊・中)
武松(泊・中)
青面獣楊志(泊・中)
黒旋風鉄牛(泊・中)
神行太保戴宗(泊・中)
九紋竜史進(泊・中)

【毘竜十弐裏天】(上杉方~西軍)
蟷螂左近(とうろう・さこん)
犬陣狼鋭月(けんじんろう・えいげつ)
ホオジロのカスザ(ほおじろのかすざ)
鉄甲葉切丸(てつかぶとはきりまる)
飛竜の蒼鶴(ひりゅうのそうかく)
水天宮左門(すいてんぐうさもん)
影心(えいしん)
 
【甲斐拾一鬼】(武田方~東軍)
栗実水口斎(くりみ・すいこうさい)
石竜子頂眼(せきりゅうし・ちょうがん)
短角刺堂(たんかく・しどう)
怒剛臨在坊(どごう・りんざいぼう)
骸蜘蛛の円十(むくろぐものえんじゅう)
驚天動地の大三郎(きょうてんどうちのだいざぶろう)
落雁寺佐兵衛(らくがんじ・さへえ)
瑠璃風(るりかぜ)

 

  

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 【これまでのお話し】
 
演習中、転移現象に巻き込まれたUSTは、
異世界の関ヶ原に、飛ばされてしまいます。
 
そこには、同じように飛ばされて来た、
異世界の魏・呉・蜀、梁山泊軍も降り立ち、
生き残るために、魏軍は目の前の東軍、
呉軍は目の前の西軍と、一時休戦、同盟を結び、
東・魏軍×西・呉軍の間で、開戦、
戦闘が始まってしまいます。
 
USTは、小早川軍、蜀軍、梁山泊軍と休戦、
同盟を結び、この転移の原因究明に乗り出します。
原因の一つは、諸葛亮の行った呪法だそうですが、
どうもそれだけでは無く、黒幕がいる様子。
 
その間にも、戦闘は激化し、
上杉・武田の、忍者軍、怪忍獣も加わって、
徐々に松尾山にも、戦線が広がる中、
ナワテ達は、原因らしき手がかりをつかみますが、
それは桃配山~東軍の本営、中心部でした。
 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*


 

 

 
争っている、山犬怪獣ラオラと、
トカゲ怪獣ゲルカス。
 
飛んで来た≪アーク1号≫が、攻撃をかけます。
 
ユルガ
『怪獣相手とは言え、最小限だ。
 出来れば本来、干渉したくない、
 異世界の、存在だからな。』
 
ヒデコ
「了解です。」
 
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【中央部】
 
東・魏軍、細川、加藤、筒井隊と、
西・呉軍、宇喜多隊の争い。
 
そこに割って入る、
東・魏軍、張遼、徐晃と、
西・呉軍、太史慈、黄蓋。
 
飛んできた弓矢が、張遼に当たります。
 
張遼(東・魏)
「むむっ」
 
徐晃(東・魏)
「張遼、しっかりせい!」
 
太史慈(西・呉)
「勝負は後日…」
 
追い打ちをかけようとせず、
走り去る太史慈。
 

 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【木立】
 
一進一退で、争っている、
上杉側怪忍獣・ギグラスと、
武田側怪忍獣・ゲルカス。

 


 

 
鉄甲葉切丸(てつかぶとはきりまる)
「行けっ、ギグラス!」
 
石竜子頂眼(せきりゅうしちょうがん)
「負けるな!ゲルカス!」
  
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【松尾山 中立軍 東側陣】
 
黄金巨像の襲撃に、追い詰められて行く、
中立軍の武将、好漢。

 


 
豹子頭林冲(泊・中)
「まずいな。
 
 時間稼ぎとは、言っても、
 いつまでも、出来るもんじゃない。」
 
張飛(蜀・中)
「おおーい!
 何かしてくれるんなら、早いとこ頼むぜ。
 このままじゃ、手遅れになっちまう。
 
 う、うわー!?」
 
巨像の手が、つかみかかろうとする瞬間、
別の手が、巨像の手をつかみます。

 

 


 
もう一体の巨像が、そのまま腕を引くと、
バランスを崩した黄金巨像が、
反対側に倒れます。
 
咆哮を上げる、もう一体の巨像。
それは白銀色に、全身が輝いていました。
 
怒剛臨在坊(どごう・りんざいぼう)
「ビグード!?
 
 な、なんだと…!?」
 
クロスが檄を飛ばします。
 
クロス
「さあ、敵に黄金巨像があるなら、
 こっちには、白銀の巨像があります。
 
 白銀巨像は、こちらの味方です。
 そして、負けやしません。
 
 魔神は魔神に任せて、皆さんは人間を!」
 
関羽(蜀・中)
「よしっ。
 これなら負けん!」
 
徐庶(蜀・中)
「術者がいるはずです。
 術者を!」 
 
豹子頭林冲(泊・中)
「心得た!
 
 そこか!?」 
 
飛び込む林冲、避ける臨在坊。
が、
その時、地面を火が走り、
臨在坊を遮ります。
 
関羽(蜀・中)
「仲間がまだいる。
 油断するな。」
 
落雁寺佐兵衛(らくがんじ・さへえ)
「してやられたな、臨在坊。」
 
怒剛臨在坊(どごう・りんざいぼう)
「かたじけない。
 
 しかしわからん…
 あの白銀の像は、一体!?」
 
乱戦になったのを見て、そっと振り返るクロス。

 


 

 
クロス
「ウインダム、勝てなくても良い。
 決して負けずに、無理せず戦うんだ!」
 
咆哮を上げて答える、ウインダム。
 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*

 


 

怪忍獣ワウバリンの、背に乗り、
上から戦場を見下ろす、飛竜の蒼鶴。
 
飛竜の蒼鶴(ひりゅうのそうかく)
「むーん、見失ったか…」
 
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【松尾山 中立軍 本営】
 
鳳統(蜀・中)
「よし、打って出るぞ!
 
 3隊、用意は良いな。」
 
王平(蜀・中)
「し、しかし、
 笹尾山への使者が、まだ戻りませんが?」
 
鳳統(蜀・中)
「いつ戻るとも、わからぬ中、
 これ以上は、待ってはおられん。
 
 こちらが先に、事起こせば、
 西軍への、説得材料にもなる。」
 
王平(蜀・中)
「わ、わかりました。
 
 行くぞ、者ども!」
  
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【松尾山 東軍側 ふもと】
 
ぞくぞくと打って出る、小早川勢。
 
蜀・梁山泊も合わせた数の、半分以上が、
堰を切ったように、東軍側に殺到します。
 

 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【桃配山 東・魏軍 本営】
 
伝令
「も、申し上げます!
 
 松尾山の兵が、一斉に下山、
 伊勢街道を、こちらに攻めてまいります。」
 
徳川家康(東・魏)
「おのれ、小早川。
 裏切りおったな…。
 
 本多に一時、迎撃を命ぜよ。
 その間に池田、浅野、山内の兵を、
 南宮山抜け道から、南へ!」
 
伝令
「な、南宮山を、突っ切るのでございますか?」
 
徳川家康(東・魏)
「構わん。
 どうせ毛利は動かん。
 
 この際だ、
 武田の草にも、助勢を仰げ。」
 
伝令
「わかりました。」
 
郭嘉(東・魏)
「正面の気を抜いては、いけません。
 
 おそらくは、示し合わせての、
 陽動、もしくは連動です。」
 
曹操(東・魏)
「わしもそう思う。
 曹仁、曹洪を中央へ。
 
 于禁、張合は南へ加勢。
 正念場だぞ。」
 
伝令
「はっ!」
 

 
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【松尾山 中立軍 本営】
 
駆け込んでくる馬良、鉄牛、戴宗。
 
馬良(蜀・中)
「成功です。
 
 三成公は、持てる戦力で、
 東軍への一斉攻撃に、同意ました。」
 
呉学人(泊・中)
「うまく行くはずとは、思いましたが、
 この耳で聞くまでは…
 
 しかし、これで、一安心です。」
 
鳳統(蜀・中)
「猫の手も借りたい時に、戦力が増えるのだ。
 断る理由など無い。」
 
呉学人(泊・中)
「それは、そうなんですが…」
 
黒旋風鉄牛(泊・中)
「さあ、これで退屈な護衛役は、終わりだ。
 
 兄貴、さっそく俺達も、
 打って出ようぜ!」
 
神行太保戴宗(泊・中)
「適当で良いんだぞ、鉄牛。
 
 どうせこの攻撃は… オトリだ。」
 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 

 
【松尾山 北東方面】
 
≪アスベライク≫をステルス仕様にして、
一路、桃配山に向かうゴウリ、ユリコと、
同乗の諸葛亮、趙雲、史進の5名。
 
ゴウリ
「今のところは、うまく行ってるな。」
 
ユリコ
「みんなが、うまくやってくれている…
 と、信じましょう。」
 
趙雲(蜀・中)
「この車の、不可視の術はすごい。
 だがそれでも、油断は出来ん。
 
 他の術者の術も、見た事が無いような物だ。
 何がどうなるやら、わからん。」
 
ゴウリ
「何より色々と、見切り発車だしなあ…」
 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*

  


 
【関ケ原 中央部】
 
大規模戦闘となり、衝突している、
東・魏軍×西・呉軍
 
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【関ケ原 南方】 
 
そこここで、衝突している、
東・魏軍×小早川・蜀・梁山泊軍。
 
その様子を見ている、
骸蜘蛛の円十と、落雁寺佐兵衛。
 
骸蜘蛛の円十(むくろぐものえんじゅう)
「こうなっては何とも、やりにくい。」
 
落雁寺佐兵衛(らくがんじ・さへえ)
「敵味方の兵同士の、乱戦だからな。
 
 獣遁も火術も、味方を巻き込んでしまう。」
 
そこに現れるもう一人。
 
栗実水口斎(くりみ・すいこうさい)
「やれやれ、どうした物か?」
 
落雁寺佐兵衛(らくがんじ・さへえ)
「しばらくは様子を、見るよりあるまい。
 
栗実水口斎(くりみ・すいこうさい)
「大三郎と、瑠璃風は?」
 
落雁寺佐兵衛(らくがんじ・さへえ)
「少々、気になる事があってな。
 
 確かめに、行った。」
 
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【松尾山 中立軍 本営】

 
何か気配を感じた花栄が、矢を射ると、
飛び出してくる影…。
 
すかさず黄信、馬岱、李厳が前に出ます。
 
小早川秀秋
「忍び…クノイチ。
 
 私の命を、狙いに来たか?」
 
影心(えいしん)
「私は毘竜十弐裏天が一人、影心。」
 
思わず顔を見合わせる小早川、劉備、
宋江、鳳統、呉学人、ユルガ隊長ら。
 
小早川秀秋
「上杉の忍びが、なぜここへ?

 
 隙あらば寝首をとでも、言われたか?」

 
影心(えいしん)
「そうではありません。
 ですが…
 
 この戦は、おかしい。 
 小早川公の、本心もわかりませぬ。
 
 確かめたいは道理。」
 
鎮三山黄信(泊・中)
「生意気な…
 
 貴公こそ、それが本心かはわからぬ。」
 
剣を構える黄信を、押しとどめる宋江。
 
宋江(泊・中)
「聡明そうな方に思える。
 話がわからぬ事もあるまい。」
 
呉学人
「ふむ…
 いや、言われる事はもっともだ。
 
 どうです?
 この際、本当の事…
 ここまでに分かっている事を、話しては?」
 
鎮三山黄信(泊・中)
「信用するんですか?」
 
馬岱(蜀・中)
「待たれよ。
 
 敵ならともかく、味方がわざわざ、
 いくさ中に、嘘をつきに来るとも思えぬ。」
 
鎮三山黄信(泊・中)
「むむむ…」
 
ヒデコ
「この人、嘘はついて無いわ。」
 
李厳(蜀・中)
「えっ、わ、わかるのですか?」
 
影心(えいしん)
「読心の術か?」
 
ヒデコ
「いや、そんな、忍者用語は、
 あたしの方が、知らないけど…」
 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【桃配山 南方】
 
山道を縫い、進む≪アスベライク≫。
が、突然爆発が起こり、急停止します。
 
降りて来るゴウリとユリコ。
 
ユリコ
「私達が対応します。
 決して車から、降りないで下さい。」
 
趙雲(蜀・中)
「心得た。」
 
少し離れた樹上から、話しかける二人。
 
瑠璃風(るりかぜ)
「姿を消しても、無駄です。
 
 すでに術は、見破りました。」
 
驚天動地の大三郎(きょうてんどうちのだいざぶろう)
「ハッハハハハハ!
 こんな小細工が、我ら甲斐拾一鬼に、
 通じると思ったは、笑止千万!
 
 この大三郎が、ひとひねりにしてくれる。」
 
瑠璃風(るりかぜ)
「軍を動かしつつ、何を企んでこそこそ動く?
 御屋形様の命か?」
 
ユリコ
「違うのよ、聞いてちょうだい。
 このいくさは、最初から…」
 
驚天動地の大三郎(きょうてんどうちのだいざぶろう)
「問答無用、
 さあ、どっからでも、かかってこい!
 正々堂々、一対一の勝負と行こうぞ。
 
 遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ。
 我こそは越後に、その人ありと謳われ…」
 
そこまでしゃべると、ユリコの七節棍が伸び、
大三郎の腹を、クリーンヒット。
 
「うっ」と一声うめくと地上に落ち、気絶します。
 
瑠璃風(るりかぜ)
「大三郎!?」
 
ユリコ
「だから、聞いてちょうだい。
 このいくさは、仕組まれた物なの。
 黒幕がいるのよ。
 
 ここにいるみんなは、踊らされてるだけ!
 こんな事で、命を落として良いの?」
 
瑠璃風(るりかぜ)
「それは… 承知はしている。
 
 だが…」
 
ユリコ
「嘘かも知れない、真相はわからない。
 それが心配なんでしょう?
 
 でもそれは、私達も同じなの。
 
 それなら一緒に、確かめましょうよ?」
 
少し考えると大三郎を背負い、うなづきます。
 
瑠璃風(るりかぜ)
「わかった。
 嘘でない限り、先に手出しはせぬ。
 
 影から見届けさせてもらう。」
 
一陣の風と共に、一瞬で消える瑠璃風。
 
ユリコ
「見事だわ。」
 
ゴウリ
「で、でもよお…
 
 正々堂々、一対一の勝負って言ってるやつを、
 口上の途中で、やっちまうなんて…」
 
ユリコ
「何、言ってんのよ!
 そんな場合?
 
 状況判断、出来ないの?」
 
ゴウリ
「い、いや、わかる、わかるよ。
 でも正々堂々、一対一の勝負だぜ?
 
 時間が、あったら俺が…」
 
ユリコ
「だったら今からでも、降ろして上げるから、
 気が済むまで、やって来なさいよ!」
 
ゴウリ
「いや、そりゃねぇだろ……」
 

≪アスベライク≫に乗り込むs人。

 
ユリコ

「大体、問答無用といながら、
 あんなにベラベラ、しゃべってる方が悪いわよ。
 
 どっからでもかかれって、言いながら、
 隙だらけだったし。」
 
ゴウリ
「そこはまあ、俺も、どうかとは思う。」
 
☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*
 
【松尾山 中立軍 本営】
 
クロス
「隊長、ナワテ隊員、ヒデコ隊員、
 ちょっと気になる事が、あるんです。」
 
携行センサーの、データーを転送した、
レーダー画面を、見せるクロス。
 
クロス
「一つだけ戦場から、少し離れていて、
 動いてない点が、あるでしょう?」
 
ナワテ
「確かに。
 青点ですから、この時代…
 東西どっちかの、軍の人ですね?」
 
ユルガ
「逃げて隠れている、足軽とかでは無いのか?」
 
クロス
「かも、知れませんが…」
 
呉学人(泊・中)
「いえ、
 そう言われれば、確かに気になります。
 
 隠れている兵なら、時々は気になって、
 様子を見に動いても、良さそうです。」
 
ユルガ
「念のため、確かめるか?」
 
クロス
「ええ。

 今ここは、落ち着いてますから、
 この隙に。」
 
ユルガ
「じゃあ、私も行こう。」
 
ヒデコ
「えっ、隊長、行っちゃうの?」
 
ユルガ
「今、ここには、頭がいくつもある。
 命令系統がかえって、混乱しかねない。
 
 私は、コマンドに回るよ。」
 
ヒデコ
「それはそうでしょうけど…
 何となく、心もとないと言うか。」
 
ユルガ
「じゃあ、私が残って、
 ヒデコ君が、クロスと行くか?」
 
ヒデコ
「いえ、やっぱ良いです!
 隊長、ご武運を!」
    

☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆*゚¨゚゚・*☆

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