何をさぐっておいでかな? | 永劫回帰

永劫回帰

価値なき存在

 
 
 
 
さて今回お送りするのは昨年12月に入って直ぐの午後、バイクで一走りして訪れた宇治田原町の神社探訪です。
 
京都府綴喜郡宇治田原町は宇治茶の主要な産地として知られ、国道307号沿いや周辺には茶葉販売店が何軒も見られます。青製煎茶製法を開発した永谷宗円(子孫がお茶漬けの永谷園を創業)の生誕地で、町内の生家近くにはお茶に纏わる観光施設が作られています。
 
昼過ぎには出発するつもりでしたが、何時ものことでもたもたして出遅れた上に神社のある集落への道を見落とし、行き過ぎてしまったせいで到着した時には冬の陽が傾きかけていました😅
 

 

 

参道の坂道をくねくね上って角を曲がると鳥居が現れましたが、うっかりするとエンストしそうな急傾斜です💦 1速にシフトダウンして上り、鳥居の向こうの駐車場にバイクを停めてから徒歩で戻って写真を撮りました。駐車場は10台程のスペースがあり、舗装されています。

 

 

 

駐車場の横に池があり、その向こうに見える二の鳥居が境内への入り口です。池には取水禁止の張り紙がしてありました。湧水や流入水が枯渇しているようです。

 

 

 

今日の目的地に到着です。鳥居、石段、参道の向こうに神楽殿が見えます。とても静かで人の気配は全くありません。

 

 

 

ここは『雙栗天神社』です。坐摩神社に続いて、これまた難読で「さぐりてんじんじゃ」と読みます。「そうくり」から転じたのかな?

 

祭神は天之菩卑能命、事代主神、大歳神で、後から菅原道真を合祀したそうです。なるほど、最初は雙栗神社で天神様も祀ったから雙栗天神社になったのかしらん。

 

 

 

鳥居を潜って直ぐ左に手水舎があります。傾いでいるのは目の錯覚?と現地でも何度も角度を変えて見てみましたが、やっぱり真っ直ぐじゃないよなあ。何か意味があるのか、それとも地面が緩い傾斜なの?ちょっと謎でした。

 

 

 

なかなか愛嬌のある顔の吐水龍です。残念ながら水は枯れていました。普段は誰も来ないのでしょうかね。

 

 

 

石段を上ると三の鳥居がります。山を背にして静かで心落ち着く空間です。社務所は閉まっており誰もいませんでした。参拝する人もおらず貸し切り状態です。

 

 

 

神楽殿。質素で派手さはないですが、綺麗に手入れされています。

 

 

 

右手には摂社末社。

 

 

 

階段の上にも摂末社があります。

 

 

 

神楽殿から拝殿を望む。

 

 

 

石段の上に向拝。

 

 

 

苔生した感じの狛犬。顎が欠けてる?

 

 

 

こちらは鼻が欠けてる?割と古そうですから風化しているのでしょうね。

 

 

 

社殿は流造で、そのまえに向拝が付いています。両脇には短い廻廊があります。

 

 

 

平安末期の平治の乱で、この地は全部炎上してしまったそうです。その後、鎌倉時代に入り再建されますが、江戸中期の大火で灰燼に帰してしまいます。その後また再建されますが、幕末に社殿が焼失。そして、何と😳1ヶ月程で再建され、現在に続いています。地元の信仰が厚い神社なんですね。

 

 

 

飾り付けの彫刻もなかなかに迫力があります。

 

 

 

地元の名匠が再建した社殿は、一間社流造で向拝の付いた重厚な造りとなっています。左右に屋根付きの短い廻廊があります。

 

 

 

昭和15年の皇紀2600年を記念して建てられた神武天皇遥拝所。神武天皇陵と祭神の橿原神宮の方角に向いているようです。

 

 

 

本殿の右側、神武天皇遥拝所の向かいに山の神、菊理媛命が祀られた白山社等の摂末社があります。

 

 

 

本殿の屋根の曲線が美しいですね。

 

 

 

本殿前の廻廊を左へ進むと社務所への階段があり、その右手に山へ上る奥の院参道の案内板があります。

 

脇に杖が置いてありましたが、まだまだ大丈夫のはずだ😬と、そのまま上ることに。

 

 

 

是より五百米、ふんっ楽勝だわ😚

 

 

 

参道を登って直ぐにある戸隠社。立て看板には蜂に注意とありましたが、それを見なくても大量の蜜蜂が飛んでいて近付こうとは思いませんでした。祠の中に蜂の巣があるのでしょうね。このまま冬も越すのかな。

 

 

 

参道が山道へ変わりました。落ち葉のせいでハッキリしませんが、何となく歩いた跡を辿ります。

 

 

 

振り返っても道はよくわかりません⋯⋯ね。

 

 

 

陽が山に隠れそうです。急がねば🏃‍♂

 

 

 

脚が重くて若干息が上がってきました😅 現場作業から離れて随分経ちますが、もう山を歩く体力も技術もないようです💦 これくらいは楽勝だったのになあ😭 杖を持ってくれば良かったと少し後悔w

 

 

 

まだ数分も経っていないのに引き返そうかと思うような傾斜が続きます😓 それにしてもこんな所で何か(何かって何だよw ちょっと怖くなってきてます😂)に突然会ったら腰を抜かしますなwww

 

 

 

これは陽が落ちたら完全に分からなくなるやつだ。老体に鞭打って急ぎます。

 

 

 

おー見えてきました。奥の院です。ここまでの所要時間はなんとたったの5分程😳 いやあ体感は30分以上なんやけど🤣

 

 

 

社伝記によると宣化天皇3年(538年)9月7日に、この岩の上に雷神が降り、座して光明を放ったと伝えられているそうです。その瑞祥を見ていた雙栗忌寸宿袮、和邇部茨彦の2人が大岩の下に宮柱を建て斎き祀ったといわれています。この場所の地名「岩本」はそこからきているようです。神社名はこの住人の名前からなのかな?

 

 

 

素朴な丸太の神明鳥居です。鳥居の前は急傾斜で正面から写真を撮ることはできませんでした。

 

 

 

祠なども手入れされており、今も手篤い信仰の対象であることが解ります。

 

 

 

古代の磐座信仰から連綿と続いているのでしょうね。

 

 

 

微妙なバランスで巨石が支えられているようです。岩の下の穴の中を覗こうかと思いましたが、何かと目が合ったりしたら怖いのでやめましたwww 妖怪ハンターかな?🤣

 

 

 

かなり風化により崩れていますが、原初の磐座信仰の頃はもっと大きな岩だったと思いますね。

 

さて参拝を済ませたら下りましょう。何とも物寂しい雰囲気に妖の類が出てこないように願いながら奥の院をあとにします。

 

 

半分程下った時に何やら動く物が、えっえっえっ😨何?何?熊?猪?妖?😱

 

 

目を凝らしてみますと⋯

 

 

 

猿です。得て公様です。こちらに気付いたようで、じっと見られていますが、刺激しないようにわたしもじっと見て🐒を観察します。万が一襲われた時の為にバイク用のグローブをしっかりと両手にはめます。ドキドキドキドキオーキドーキーw

 

しばらく睨み合いが続きましたが、さして興味もなかったようでゆっくりと立ち去っていきました。畑なんかを荒らしに集落に下りていたハグレ猿だったのかな。

 

 

 

本殿に戻って境内を見下ろすと美しい紅葉。

 

 

 

静寂と風景を独り占めする気分は大変よろしいものでした。小さな集落の神社ですが、この地に根付く信仰と歴史を少し体感することができました。

 

 

 

 

実は今回の真の目的は新調したヘルメットとグローブのテストだったのですが、それはさておきとても素晴らしい神社に参詣することができました。宇治田原町はまだまだ興味深い神社があるので、またそのうちに訪れたいと思います。しかし帰りに寄るはずだったラーメン屋が、昼のみの営業なのは大誤算でしたわwww