Insomnia | 永劫回帰

永劫回帰

価値なき存在



眠れない夜は過去の記憶の数々に責め苛まされる。


自分には嫌な記憶しかないのではないかとさえ思えるような時間が続く。


生まれて最初の記憶が嫌なものだったのだから、これはもう生来の宿痾と言うべきだろうか。


幼児、児童、生徒、学生、いつでも集団に馴染めず、常に孤立し、恥ずかしさに死にたくなるような失敗を繰り返してきた。


社会に出ても日々は自己否定の連続で、決っして肯定感なんてものには縁がなかった。


負の記憶というものは、やはり負の出来事を引き付けるようで、上手くいったと実感する一日にはお目にかかれない。


やがて、つまらない失敗の積み重ねが、つまらない人生を形作り、終焉を強く願う夜が来る。