読書感想文  具体例を使って | 函館の家庭教師・個人塾

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読書感想文の書き方を指導していても、やはり抽象的な話になってしまって、生徒の筆(ペン、シャーペン、えんぴつ)はなかなか進みません。

 

そこで具体的な本を使って具体的に説明していきます。

 

ただし、「この文章を写して提出しなさい」というものではありません。そういうものをお探しでしたら他のサイトへどうぞ。

 

そのような一時的なその場しのぎでは、本当に必要な力はつきません。しかし本質をつかめば、何も怖くありません。本が変わっても、同じアプローチで取り組めます。そして、一度できるようになってしまえば楽しくて楽しくてどんどん読書感想文を書きたくなりますよ。

 

さっそく始めましょう。まずは本を用意してください。中高生の朝読書や長期休みの読書感想文に最適なカンタンな本です。

 

 

 

 

以前のブログで、読書感想文を書く上での一番大事なポイントとして「どれだけ自分の話ができるか」を挙げました。

 

この本『サムライブルー』は、サッカーのワールドカップを世界の各国がコンピュータによる抽選で全国民の14歳から36歳の男子の中から無作為に代表メンバーを23人選んで戦うようになった世界を描いています。

 

まずは、もし現実の世界がこの本のようになった場合、自分ならどうするかを書くことができると思います。

 

「あなたならサッカー日本代表に参加するのか辞退するのか」という問いです。

 

参加するなら、なぜ参加したいのか。参加したら、どんな未来が待っているか。どんなことをしたいのか。不安点は? 楽しみな点は?

 

辞退するなら、その理由を書けば唯一無二の感想文が書けます。

 

なぜ参加したくないのか。もう少し想像力を高めて、もし参加したらどうなるのか考えるのも良いでしょう。

 

想像で考えた上で、やっぱり無理だなと考えるのも自由。想像したら、面白そうだからちょっと日本代表になってみようかなと思うのも自由。

 

そんな気楽な感じで「日本代表」を語るのは、通常であれば不謹慎ですが、これはあくまでも想像上の世界のお話しです。小説の世界は基本的にフィクション(作り話)なので、何をどう考えても自由なのです。

 

想像上の話とはいえ、自分の力で考えて自分の意見を持って表現するということが大事なことなのです。

 

そういう訓練を学生のうちにすることで、社会に出てから自分の意見をはっきりと主張できる社会人になれるでしょう。

 

 

ちなみに私なら日本代表を辞退します。サッカーを学校の体育以外でやったことがなく、手でボールを扱う球技ならともかく、足でボールを扱うなんて上手にできる気がしないからです。

 

私はサッカーの試合を見るのは大好きです。ただ、見るのとプレーするのは大違いです。サッカー経験者に話を聞くと、逆に見るよりプレーする方が好きという人が多いです。サッカーを見ているとプレーしたくなると言うのです。私はそんな気にならないから、やっぱりサッカーは向いていないと思うのです。

 

また、作品中でも指摘されていますが、この自動抽選による日本代表メンバー選定は裁判員を選ぶのに似ています。

 

私は、この裁判員ですらできることなら辞退したいと思っています。ご存知のように裁判員制度は重大な刑事事件を扱うので、極刑もあり得ます。人の生き死にを自分が決めるなんて考えただけでも畏れ多いことだと思うからです。

 

こういう責任の重い事柄は、自動的に選ばれた人間が行うのではなく、自ら納得した上で職業として選んだ裁判官が行うべきだと思います。

 

サッカーの日本代表も同じでしょう。日本を代表して日の丸を背負って世界で戦うということは、とても責任の重い事柄です。

 

そんなプレッシャーの中で戦っている代表選手は本当に素晴らしいと思いますし、敬意を表したいと思います。

 

私ならとてもじゃないけれどプレーできません。勝敗を決めるPKを蹴るなど考えただけでも気分が悪くなります。そういう点でも可能ならば代表は辞退するでしょう。

 

 

このように自分の話をするのは簡単なことです。

 

なぜならば、それは他の誰でもないあなた自身の話だからです。

 

自分ならどうするかという話をどんどん書いていけば、いつの間にか原稿用紙が何枚も埋まっているでしょう。