前回の生徒たちへ(2)では、受験生に対して「『もう少し時間があれば』とならないように一刻も早く準備を始めるべき」というようなことを言いました。
では、具体的に何から始めればいいのでしょうか。
志望校が決まっていないなら、決めるところから始めましょう。
志望校を決めるときに大事なことが一つあります。
それは、「今の成績で志望校を決めるな」ということです。
「今の成績」というのは、定期テストの成績や模試の成績のことです。定期テストは、よくある質問(19)に書いたように「暗記テスト」なので、入試で合格するかどうかの指標にはなり得ません。
模試も例えば英語に関していえば、長文あり、並べかえあり、英作文ありと様々な問題形式で偏差値を算出しています。しかし、志望校の過去問を調べて、英作文がなかったらどうでしょう、並べかえの問題がなかったらどうでしょう。模試で点が取れなかったとしても、入試では関係ないのです。
そもそも、定期テストの成績も模試の成績も「過去」のものです。終わってしまった「過去」は嘆いても、悔しがっても変えられないものです。
変えられない「過去」に基づいて、これからのみなさんの「未来」を決めるなんてあってはならないと思うのです。
「過去」は変えられなくても、「未来」は変えられます。みなさんの気持ち一つで変えられるのです。
だから、決して今の成績で志望校を決めないでください。こんな学校無理だとあきらめないでください。「過去」にしばられて、「未来」を制限しないでください。
私は、必ず生徒に志望校とその理由を聞きます。「過去」にとらわれていないか、「未来」をしっかり見ているか確認します。そして、合格するために必要な戦略を考え、生徒に伝えます。
あとは、みなさんがその戦略に基づいた計画を実行に移すだけです。
最後にもう一度だけ言います。
「過去」は変えられなくても、「未来」は変えられます。頑張ってみませんか。