罪と罰*02* | 尚実の変態ホットライン

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ゆりかごという名の孵化器のなか、リハビリ中。

Masterから与えられるさまざまなものを素直に悦べる体質になるにつれ
ナオミのなかである種の苦しみが生まれた。

初めは無視していたけれど、どうにも抑えられなくなり、
ついにその苦しみを主に吐露してしまった。

なぜ、今日、主にそれを吐露する気になったか。
それは今日のわたしが限りなく気分が安定していたからだった。
主に対してひとつでも不安を感じている時で在れば、
「罰」を与えられるかもしれないという恐怖から
素直な気持ちを吐き出すことを躊躇ってしまう。

在る意味、安定している今日でなければならなかった。
罰をどこかで覚悟しながら、むしろ罰をどこかで求めながら、
主にずっと抱いていたわだかまりを吐き出した。


それは、ごくシンプルに言えば

「わたしは与えられるだけでなく、与えたい」

という内容だった。
与え、与えられる。
求め、求められる。
それはあらゆる関係に於いてごく当たり前の定義だ。
一番理想的な五分五分の関係だろう。


主の答えはこうだった

「私がお前に与える

 それは命令であり
 罰であり
 喜びである

 私はお前に与えることで
 心を満たす」


主の本意を知った途端、
主を否定するつもりで主に投げかけたのに、一切を否定できなかった。

奴隷は、主との関係に五分五分を求めてなど居ない。
奴隷は奴隷。施しを与えられ、それを甘んじて受け、恍惚をさえ味わうという
あからさまに貪欲であさましい存在。
甘んじて奴隷になりたくて、志願したこの世で最もあさましいイキモノ。
わたしは主からあらゆるものを「一方的」に与えられたかった。
もちろん、与えられるものをこちらから選ぶ権利など一切要らない。
与えられるものはどんなものでも欲しい。
選ぶなんてことは、貪欲なわたしにはできない。
ぜんぶ欲しいのだ。
YESを言い続けること…それこそ主がわたしに与えた唯一の権利。
そうやって与えられたもので至福を味わう奴隷を見て心を満たしてもらえるなんて
奴隷は幸せ者だ。


愕然とした。
主が与える存在だと仰るなら、ナオミは主に罰を求めようと思った。

「与えるのはナオミでなければいけないのですね?」

「わたしはすべてに与える」

主は答えてくださった。

「ナオミでなくとも、代わりはいくらでも居るということですね。
 わかりました。心に刻み込んでおきます」

必死の抵抗を試みる。最後の殻を守るように…でもその必要もないことも、同時に感じていて
その言葉は虚しく発せられた。

「愚かだ」

ええ、そのとおりです、Master。
わたしは愚かでした。


こんなに貪欲なマゾヒストには罰がお似合いです。

「Master、悲しませてしまうことを言ってしまいましたね」

「罰が欲しいか?」

「Masterを悲しませた罰を与えて下さい」

ナオミはもう、頭を上げることも出来ない。絶対服従の姿勢。



もう、逆らえない、逆らったらどんなに恐ろしい目に遭うか