おやすみのご挨拶は
一日の終わりの生存確認であると同時に
今日一日のわたしがどうであったかの
ご報告を兼ねています。
これは誰に命じられたわけでもないのですけれどね(笑)
眠りはタナトス。
だから、眠りの中に堕ちていく数時間の間に
世界がすっかりと世界が変わってしまわないとも限りません。
おやすみなさいのご挨拶は
どんなに世界が混乱しても必ず取り戻せるよう
道標にするためのものなのかもしれません。
ヘンゼルとグレーテルという童話が大好きで
真樹ちゃんとよく読んだものです。
両親の秘密の会話を立ち聞きしてしまったヘンゼルは
夜のうちにそっと家を抜け出して
月に照らされて光る石を拾い集めておきました。
翌日、ヘンゼルは何も知らないグレーテルと共に
両親に連れられ森の奥深くに行く道中、
道標として白い石を落としていったのです。
ヘンゼルとグレーテルは
夜になって月が出るまで森の中で待ち
月が出たら光る石を辿って両親の元に帰りました。
光る石とはどんなものだろう、と
わたしはお菓子のお家と同じくらいに興味を引かれたものです。
暗闇のナオミの光る石は、Masterが握る鎖。
暗闇ほど、鎖はよく見える。だから暗闇の方が安全なのですね。
Masterを軸にして、ナオミは弧を描いてぐるぐる廻る。
でも鎖をさっと引かれたら、
否応なくビューンっとMasterの足元まで飛んでいかなきゃ。
漆黒の闇の中で
ナオミは鎖が引かれるのは今か今かと心待ちにしていて、
どこに居ても、何をしていても、
注意深く鎖の振動を辿らずにはいられない。
首輪に伝わってくる振動にさえ、反応するのです。
ということは
鎖の長さはあってないようなものですね、Master。
実は、自由に歩き回っていたのは、
ナオミの夢の中だけの出来事で、
体も心も魂もMasterの足元にある。
思い出せないほど遠い昔に囚われ、
Masterに惚れ、心縛られてしまったのです、ナオミは。
今日のナオミは、
Masterにあまり胸を張れる状態ではなかったかもしれません。
不安もあったし、寂しさに苦しくなったし
それに少し泣いてしまいました。
弱っちいダメなナオミでした。
Masterに強がっていいところを見せても、
何の意味もありませんので
正直にご報告し、Master裁判にかけさせていただきます。
Masterがナオミのたったひとつのルールです。
自らのご報告により、放置の時間が長引いたとしても
それはMasterのご判断です。
だから信じて委ねます。
それはMasterのご判断ですから恐くありません。
信じて委ねます。
