ソフト不正疑惑のその先 | タマネギの流氷漬け

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将棋を中心に、長男・次男の少年野球等、子供たちの日々の感じたことに対して書いていきます。

久し振りにブログを更新します。但しこんな形で更新するとは夢にも思っていませんでしたが(苦笑)

今回のソフト不正疑惑の要点は、そもそも
三浦九段が棋風を大きく変えるような指し方を最近し始めて、それがソフトのような妙に違和感のある指し方で、しかもタイトルホルダーも含めた名だたる対局者らが圧倒されたというのも、その疑惑を色濃いものに向かわせた。

ここで今回の事の成り行きを以下推察すると、

~対局者~
対局者A「なぜこれほどまでに急激に踏み込みが良くなったのか?」B「攻めたと思ったら急に守ってくる。波長が合わないな」

→頻繁に終盤離席

A「これは何かやってないか?」B「そうだ。絶対に何かやってるに決まってる。なぜなら三浦九段はあのような踏み込みの良い棋風では無かったはず。ソフトを使ってるに違いない。そう考えないと不自然過ぎる」

→対局中の将棋ソフトの不正使用を強く疑う。時を同じくしてこの頃に『技巧』というPonanzaに匹敵する程の最強ソフトが無料公開され、スマホ上でも操作できるようになっていた

→しかも三浦九段の勝利した最近の対局の棋譜の解析をするとその『技巧』の最善手との一致率が80%という高確率に

A,B「これはクロ確定だ」
対戦相手のC,D,Eからも三浦精査の依頼あり

→連盟に告発(5人とあるが、それが繋がりの無い5人なのか、研究会の仲良し5人なのかは不明)

~連盟~
→「5人もの棋士が言ってきたのだから間違いない。一致率、離席の多さも含めクロ確定です。これでそのまま放置して三浦九段が竜王になった後で不正が公になればスポンサーは離れ、将棋界は崩壊する」「一刻も早く三浦の竜王戦への挑戦を止めさせるべき」→「不正をしていない?既に確たる証拠【一致率、離席の多さ、5人の棋士の言質】は押さえている。正直に白状しなさい」「開催も迫り、代役の依頼も早急に行いたいので、一刻の猶予もない。やってる云々まではもう問わないから『体調不良』として休場届けを出して竜王戦の出場を辞退しなさい」「期日は明日の15*00まで」

~三浦九段~
私は何一つやましいことはしていない。よって『休場届け』自体出す理由が無い。

~連盟~
本人から『休場届け』が無かったので、年内の対局を禁止処分にします。この件で詳細な調査は済んでいるのでこれ以上は追求は行わない(クロだと確定してしまうと新たなクロ探しに火がついて収集がつかなくなるのでこの辺で手打ちにしてあげましょう)。

と、こんな感じだろうか。本人の反論文でソフトを自宅で使って研究をしていたとあったので、棋風が変わるのは実は至極当然なのかもしれない。そのソフトが自身よりも圧倒的に強かったなら尚更その指し方に陶酔して真似ようとするからだ。森下卓がツツカナを研究に使用して、人との対局に怖れなく踏み込んで来るようになったのと似ている。

このような問題はソフトの凄まじい棋力の進歩を考えると、遅かれ早かれ誰しもが容易に想像できた事例だ。よって規制をかけるのが連盟は遅すぎたのが一番の原因。よって今回の件も、判断が拙速で証拠も開示していない所をみると連盟の形勢不利は否めない。

しかし、何にせよファンあっての将棋界。ファンの心を離れさすような今回の件は二度と起こさないでほしい。そして早急に決着してほしい。願わくば三浦九段はシロ、連盟側に非があったという結論で。

追伸
昨今の棋士の環境を考えるとコンピュータソフトはもはや切っても切れないツールになっている。自宅に帰れば自分よりも遥かに強い師匠に毎日当たり稽古をしてもらえるようなものだ。 このソフトの活かし方は人それぞれ。定跡の先を行くために使う者や詰みの有無を調べる者、はたまた形勢判断力そのものを取り入れようという者まで実に様々。

そんな中、三浦九段は、それまでの序盤の定跡研究家というベースの上に更に中盤以降も定跡化して取り込み、終盤では一気呵成に踏み込む勇気を手に要れた、実はコンピュータで強くなった成功者だったのではないか?

本当にそうだとしたら、そんな勇姿を竜王戦という名人戦と並ぶ最高棋戦で観られなかったことを考えると残念でならないし棋界にとっても酷い損失だ。