第60期王座戦第2局 | タマネギの流氷漬け

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将棋を中心に、長男・次男の少年野球等、子供たちの日々の感じたことに対して書いていきます。

今回のこの王座戦での羽生と渡辺の頂上決戦は凄まじいものを感じる。特にこの第2局の羽生の後手番での角交換四間飛車からの玉の横移動による千日手も辞さずという指し回しには、勝ちにいくというよりは絶対に負けないという執念を見た気がする。

渡辺は、電王戦でボンクラ―ズに「わーい飛車」をされたときの米長の「隙あらば襲いかかろうと敵は虎視眈々と狙っている」という気持ちとは180度違うものを羽生の「玉の貧乏揺すり」に感じていたはず。これで負けたら末代までの恥ぐらいに。しかし結果は優勢をひっくり返されての負け。

羽生のこの後手番振飛車での勝利は、永世竜王対決の第1局以上の精神的ダメージを渡辺に与えたはず。

羽生がプラスにならない手を延々と繰り返している間に自分だけ限りなく満点に近づけての絶好のタイミングでの仕掛けができたのにもかかわらずなので。

次の第3局の戦型が非常に興味深い。それでも第1局と同様、2手目8四歩で初志貫徹を渡辺は選択するであろう。

端の攻防をミスっただけで私は全然堪えてませんが。羽生さんの方こそ普段滅多にしない振飛車に独り千日手とダメージを受けているんではないですか?と。

これが五番勝負なのが口惜しい。しかし、やはり生身の人間の指す将棋がこれほどまでに面白いと感じたのは久しぶり。

最終局までこのような珠玉の名局が続くことを強く願います。