官能小説~夏の宴~  -3ページ目

夏の宴 第五話

その後も、夜が明けるまで、安永は飽きる素振りも見せず百合子の身体を弄り続けた。


ベッドの上で、ソファーで、安永は百合子をあらゆる姿勢に動かし、尻を撫で、乳首を吸い、秘部の中を指でかき回し、そして下半身が疼き勃つと彼女を犯した。

発射を重ねる毎に、彼の陰茎にも疲労が見え、回復速度も遅れ気味にはなっていたが、自分の隣に横たわる彼女の白く、きめの細かな肌、自分の唾液で軽く濡れた乳首、どれだけ強く掴んでも程良い反発を掌に返してくる尻を見ていると、すぐにまた欲望の蟲が疼き出すのであった。


朝、5回目の射精を百合子の胸に浴びせると、安永はさすがにぐったりと疲れた様子になり、ソファーに腰を降ろし水を一気に飲み干した。

彼女もふらふらと立ち上がり、

「もう帰らなきゃ……、会社行く前に帰らないと……」

と蚊の鳴くような声で呟いた。

「さすがに5回は疲れたな……」

そう言って彼は煙草を1本取り出した。

彼女はソファーの前に落ちていた自分の下着を拾おうとした。

お辞儀の姿勢でブラジャーを掴もうとした時、彼の目には彼女の乳房が揺れる様が映った。

下向きになっても決してその美しい形を崩す事のない乳房。

それが彼のその日、最後に残った性欲を刺激した。

「最後にこれをしゃぶってくれよ」

と、彼は座ったまま、腰を少し前に突き出して陰茎を誇示した。

彼女は何も言わず、彼の前にひざまずき、まだ半勃ち気味の陰茎を口に含んだ。

これを一晩で何回、口に咥えされられたのだろうか、何回、自分の中に挿入されたのだろうか……。

彼は右腕をソファーの下方に伸ばし、彼女の乳房を弄り始めた。

乳房を揉む手の動きが激しくなるにつれ、彼女の口の中で陰茎が大きく固く膨らんでいった。

そして彼は、最後の一滴まで絞り出した。


出勤の時刻が迫っていた。


部屋を出る直前に安永はポケットから携帯電話を取り出し、百合子の目の前で開いた。

「ほら、ちゃんと見てて下さいよ」

と言って、彼は2枚の画像を立て続けに削除して見せた。

「ありがとう。あと、誰にも話さないでね」

本当は、ありがとう、となど言いたくはなかった。

私は十分過ぎる仕打ちと屈辱を受けた。

恨みの気持ちの方が勝ってはいたが、これで終わりだという気持ちが、彼女の口からその感謝の言葉を言わせていた。

「ええ約束ですから、今後は誰にも言いませんよ」


二人はホテルの前で別々にタクシーを拾って会社に向かった。

その日、夕方まで、百合子は次々と襲ってくる睡魔と、否応なしに蘇ってくる昨夜の悪夢のような光景に意識を支配されながら仕事をこなした。

時折、胸の奥から安永の精液の匂いがこみ上げてくるような感じがして涙が出そうになるのを堪えながら。


帰宅すると、百合子は食事も取らないままベッドに倒れた。

自分が悪かったのよ、罰が下されたんだわ。

もうあんな事は二度としちゃいけない。借金は真面目にコツコツと返そう。

嵐は過ぎた……。

そう思って、彼女は瞳を閉じ、泥のような眠りへと落ちた。


これから、更に大きな嵐が襲ってくるとも知らないまま……。



数日間、特に変わった事もなく、百合子は落ち着きを取り戻していた。

時折、思い出される屈辱感も、彼女の中で消化する術を見出したような感じであった。

そうして金曜日を迎えた。


明日からは9日間に及ぶ夏期休暇が始まる。

例年、この時期になると百合子は地元に帰省し、旧友と再会したりして過ごしていた。

今年も土曜日の朝には新幹線に乗るつもりでいた。


昼休みを迎えていた。

百合子が仲のいい同僚の女子と連れ立って外へ昼食に出ようとしていたところに高本が声を掛けてきた。

高本敏男、これもまた彼女と同じ課に勤める同僚であった。

33歳で独身。容姿もパッとせず、既に20代の後半から中年太りし始め、顔はいつも脂切っている感じである。


「一緒のところ悪いんやけどな、ちょっと仕事の事で栗沢さんと打ち合わせがしたいねん」

高本が何年、東京に住み続けても変わらない関西弁で言った。

「え、突然、何の話ですか?」

百合子が怪訝な表情を浮かべて問い返すと、高本はそれらしい業務を挙げ、早口で説明をした。

「じゃ、社員食堂で食事しながらしましょうか?」

「悪いな、せっかく休み前最後のお昼やのに」


食事が済み、百合子が仕事の話を繰り出すと、高本はポケットから携帯電話を取り出した。

「いやな、今週の月曜なんやけど、こんなんが届いたんやわ」

高本が見せた画面には、例の領収書の写真が映っていた。

その瞬間、彼女の脳裏には安永のにやけた顔が浮かび上がった。

「それの話だったんですか? ここに誘ったのは……」

「いやなあ、俺もよう分からんのやけど、ほら、よう見たらここに君のハンコ押してあんのが見えるやろ?」

「そんなの、私、知りません」

「そうか、そんなら余計気になるしなあ……、後で課長にでも相談するわ」

「いや、ちょっと待って下さい」

彼女はどうしていいのか分からなかった。

「ま、まあ、もう時間もないし、また仕事終わってからにしよか、この話は」

そう言って高本は席を立った。



続く





夏の宴 第四話

安永はベッドの上で壁にもたれ、煙草を吸いながら、床に崩れすすり泣く百合子の姿を眺めていた。

煙の向こうに、精液で濡れた彼女の背中が映っていた。


数分後、百合子はふらふらと立ち上がり、無言で浴室の方向に歩き始めた。

それを見た安永は2本目の煙草をもみ消し、この夜初めて上着を全部脱ぎ、彼女に近付いた。

彼は何も言わず彼女の尻を軽く押し、彼女と共に浴室へ入った。

彼女は特に抵抗しなかった。

彼女の中では、もう償いは終わったのだ、という思い込みがあったのだろう。

最後に浴室の中で裸を見られるぐらい、先程までの屈辱から比べれば大した事ではないのだと。


「そうか、風呂にお湯張らなきゃな」

そう言いながら安永は浴槽の蛇口をひねった。

「私はシャワーだけでいいわ、だって身体洗ったらもう帰るんでしょ……?」

百合子は恐る恐る彼の目の様子を伺いながら言った。

「まあ、まあ、とりあえずあんたの身体を洗ってやるからさ」

彼はシャワーヘッドを持ち、こちらの蛇口も回した。

湯が適温になったところで、彼は彼女の身体にシャワーを浴びせ始めた。

「明日も会社よ、家に帰らなきゃ……」

シャワーの音で聞こえていないのか、それとも聞こえぬ振りをしているのか、彼は何も答えずボディーソープを手に取り、濡れた彼女の身体に泡を立て始めた。

そして彼は泡を塗り広げるように彼女の全身を弄った。

「じ、自分で洗うわ、ねえ……」

彼の両手は彼女のあらゆる部位に伸び、その動きは洗うというより明らかに愛撫のそれでしかなかった。


安永がシャワーを止めた。

「さて、湯が溜まったな」

彼は百合子の二の腕のあたりを掴み、彼女の身体を浴槽に誘った。

「ね、もう帰るんでしょ……?」

彼はまた、その声を無視しながら、彼女を背後から抱きかかえるようにして浴槽に浸かった。

そして、先程のソファーでの時と同じように彼女の首筋に舌を這わせ、ゆっくりと両手で乳房を揉みしだき始める。

「ほら、あんたの尻に俺の固くなったものが当たってるのが分かるだろ?」

彼はそう言いながら軽く腰を動かし、陰茎を彼女の臀部に擦り付けた。

彼女は、男の性欲の底の知れなさを知り、おぞましい気分になった。

「そりゃ、あんたとヤルために、この週末、いつもの寂しいオナニーも我慢して溜めこんだんだからな」

この男は最初から私をこうするつもりだったんだわ、と彼女は思ったが、そんな事を思っても今更、何が変わるわけでもなかった。

「まあ、これだけの身体が待ってるかと思えば、いくらでも我慢できたけどな」

「ねえ、お願い、もう帰らせて」

「最初に言ったろ、一晩付き合ってくれ、とな」

彼がフロントで休憩ではなく宿泊を選択していたのは言うまでもなかった。


「この1年、ずっとあんたのこの身体を思いながらオナニーしてたんだ」

安永の興奮した生暖かい息が湯気を押しのけて百合子の耳元にかかっていた。

次の瞬間、彼は軽く腰を浮かせ、右手を付け根に添わせた肉棒を彼女の尻の谷間にねじ込んだ。

彼女は反射的に浴槽の淵に手を掛け上体を起こそうとしたが、それは無駄な抵抗に過ぎなかった。

挿入を確認すると、彼は彼女の腰を両腕でがっちりと掴み、浴槽の下からゆっくりと腰を突き上げた。

ピチャピチャと水面が波立った。

「さっき出したばかりでしょ? も、もういいでしょ……?」

ほんの半時間ほど前に射精した男が、すぐにまた次を求めてくるという事実が彼女には理解できなかった。

腰の結合が安定したとみるや、彼は両腕を再び彼女の乳房に回し、その例えようのない甘美な感触を掌に味わせた。


「少し熱くなってきたな」

安永は腰の動きを止め、浴槽から出るように促した。

彼は百合子の背中を浴室の壁にもたれさせ、彼女の左足を右手で抱えて股を開かせた。

そして、彼はその体勢から再び彼女の中に挑み入った。

「あ、あん、もういや……」

「お、ちょっとはいい声出すようになってきたじゃねえか」

「ち、違うわ……あっ……」

彼は腰を振る速度を少し緩め、彼女の表情を眺めた。

目を閉じ、口をかたく結んだ彼女の色白の顔がピンク色に染まっていた。

その彼女の表情にまた一層、興奮を覚えた彼は彼女の頬のあたりを舐めながら、再び腰のストロークを速めた。


「ああ、最高のオマンコだな、マジで、ああ、気持ちいい……」

そんなうわ言のような声と共に発せられる安永の声と吐息が徐々に荒くなり、百合子の耳元に降り注がれ続けた。

「お、おっ、イキそうだ、ああ、ああ」

「お、お願い、中、中は……」

「ん? 中に出して欲しいのか? はあ、はあ……」

「い、いや、中は、中には出さないで……」

「仕方ねえな、口の中で我慢しといてやる、おおっ」

そして極まった彼は、勢い良く肉棒を抜き取り、すぐさま彼女の頭部を左手で掴んだ。

「ほら、早く口を開けろ!」

言われるがまま、半分ほど開いた彼女の唇の間に彼は右手を添えた肉棒をねじ込んだ。

「あっ、ああ」

彼は悶悦した声を出しながら、1時間前と同じぐらいおびただしい量の精液を彼女の口内に放出した。

陰茎を引き抜くと同時に、彼女はむせこんだ咳を発した。

「吐き出すな、全部飲み込むんだ」

うつむいた彼女の喉が何回か動いた。

喉の奥から、胃の底から、屈辱的な匂いがこみ上げてきた。


続く


夏の宴 第三話

タクシーに乗ると、安永は運転手にホテル街の地名を告げた。


百合子の男性経験は20歳の時に一度あるだけだった。

バイト先の同僚に告白され、それとなく付き合って半年後に初めてのSEXを終えた彼女は、その時、男との別れを決意したのだった。

私は恋愛のようなものに憧れていただけで、本当にこの人を愛しているわけではない、と自分の身体を貪る男の姿を見て思ったのだ。

その後、彼女に言い寄る男は不思議と現れなかった。

美貌が際立ち過ぎて、逆に男が敬遠するパターンの典型例だとも言えるし、彼女が半ば意図的に出会いの場を避けている節もあった。


そんな百合子が、自らのふとした過ちと、一人の男の、彼にとってすれば間の良い幸運により屈辱的な状況に堕ちたのである。


タクシーを降りたあたりから、安永の百合子に対する態度が少しずつ、以前とは異なる雰囲気に変わっていた。

彼は周りを気にする素振りも見せずホテルに入ると、フロントのパネルを無言で触って部屋を選び、付いて来いよ、と言わんばかりにエレベーターに先に乗り込んだ。


二人が部屋に入ると、安永はソファーにもたれ、ネクタイを外しながら軽く舌を舐めずった。

百合子は自分の居場所が分からないといった風情でおたおたと立ちすくすだけだ。

「さてと、まずは、ここでは何の役にも立たない物をまず脱いでもらいましょうか? 栗沢先輩」

この敬語にも「先輩」にも敬意は一切込められていない事が彼の口調と表情から彼女には伝わっていた。


百合子は終始うつむきながら、そして恥じらいをこらえながら一枚一枚、ゆっくりと自らの布を外していった。

安永は座ったまま、その様子を眺めている。

自分が服を脱がない事で、その場の主従関係をはっきりと示すかのように。


全裸になった百合子は依然、下を向いたまま左手で両胸を、右手で下半身の秘部を隠した。

安永は何も言わず、彼女の足元から頭までをじっと眺め続けた。

数分間、沈黙の時が流れた。


「いつまでもそうやってりゃいい。まだまだ夜は長いからね」

「ほんとにこれで、あの写真は消去してくれるのね……?」

百合子は震えるように小さな声で言った。

「ああ、先輩がおとなしく付き合ってくれればね」

「シャ、シャワー浴びてきてもいい……?」

安永は首を横に振り、

「こっちへ来いよ」

と言った。

そして彼は座ったまま全裸の彼女を自分の前方に抱きかかえた。

彼は右手で彼女の乳房を掴み、左手で頭部に触れながら首筋を舐め始めた。

「ああ、いい女の匂いだ……」

86センチの美しい彼女の乳房が、弾力性いっぱいにその形を変え続ける。

左手に力を入れて彼女の顔を横に向け、唇を強引に吸った。

彼女は全身に力を入れ「うー、うーん」と強張ったが、その力みすらも彼にとっては興奮を引き立たせる材料の一つでしかなかった。


安永は右手を百合子の下半身に沿わせた。

乳房を左手に持ち替え、指の間で乳首を挟み、ゆっくりと揉み回しながら、右手で彼女のクリトリスを探った。

「ちょっと湿り始めてるじゃん」

「い、いや……」

彼女はズボン越しに彼の下半身の物が固くなっているのを自分の臀部に感じていた。


安永は立ち上がり、百合子を座らせたまま、おもむろに彼女の両足の付け根に顔をうずめた。

「い、いや、何するの……?」

他人に自分の秘部に顔を押し当てられる事など、彼女には初めての経験だった。

彼は大きく舌を上下させ彼女の大陰唇を何回か舐め上げた。

彼女の陰毛とざらついた彼の舌の表面が擦れる音が小さく静かな部屋に響いた。

彼女の瞳からは自然と涙が流れ出していた。

その様子に気付く事もなく、彼は舌をやや細め、彼女の内部に挿入した。

蛇のように舌を振るわせ、中で細かく動かした。

彼女は上半身を小さくくねらせながら恥じらいと屈辱感に耐えていた。


「やっぱり、美人OLが一日働いた後のおマンコはいい味がするなあ」

股間から顔を離し、安永はそう言いながらズボンのチャックを下ろした。

彼が軽く自らの股間に手を入れると、いき勃った陰茎が百合子の眼前に飛び出した。

血管が浮き立つ、おぞましいその肉棒は、彼の腹に当たらんかという勢いで上を向いて勃っている。

彼女は思わず顔を横に背けた。

彼は構う事なく、座っている彼女を跨ぐようにソファーの上に立ち登った。

「さて、舐めてもらおうか……」

彼女にとっては、男の陰茎を口に含む事など想像を絶する行為である。

「言う事をちゃんと聞いてもらわないと困るんだけどねえ……」

残酷な彼の言葉により、彼女は恐る恐る、顔を肉棒に近付けた。

男の汗の発酵したような匂いが彼女の鼻についた。

ためらいながら口を少し開くと、ここぞとばかりに彼は右手で彼女の後頭部を押さえ、自分の腰を前に突き出しで彼女の口内に肉棒を入れた。

「舌を動かすんだ」

そう彼女に命令しながら、自然に彼の腰は前後に動き始めた。


百合子は時折、むせ返りながら、懸命に耐えていた。

彼女の顔は涙と自分の口から漏れる唾液で照り輝いていた。

気絶しそうな精神の中で、このまま発射してくれたらこの男も満足して帰ってくれるかもしれない、と思ったりもした。

そんな筈はない。

安永は口から陰茎を抜くと、そのまま彼女に覆い被さった。

彼女はまた一瞬、自然と身体に力を入れた。

「お願い、や、やめて……」

「止められるわけねえじゃん、こんな気持ちいい事を」

彼は自分の息子に軽く手を沿え、それを彼女の内部へと誘った。


安永は無心に腰を振り続けた。

百合子は時折、「いや、やめて」などと声にならない声と、鼻をすする涙の音を発するだけだった。

その声を押しつぶすかのように、彼は腰を振り続けながら彼女の唇に自分の唇を押し当て、音を立てて唾液を吸いながら腰の動きを更に加速させていた。


安永は一旦、百合子の中から自分の物を引き離し、両手で彼女の身体を起き立たせ、ソファーに手を付かせ、彼女の尻を自分の方に向けさせる姿勢を取らせた。

彼女の両足はがくがくと震えていた。

その震えを止めるかのように、彼はぬらぬらと鈍く光った肉棒を彼女の後ろから挿入した。

両手で彼女の腰をがっちりと掴み、激しく腰を動かし、それはどんどん加速していった。

子宮の奥に彼の先が当たる毎に、彼女の口から「う、う……」という弱々しい声が漏れた。

興奮した彼は、肉棒を抜き、急いでズボンとトランクスをまとめて脱ぎ下ろし、再び彼女の中に挑み入った。

彼は自分の下腹部と彼女の柔らくも張りがある尻が触れる感触に、更なる性的興奮を感じた。

汗で濡れた肌と肌がぶつかる音が短い間隔で部屋の中に響いていた。

彼女にとっては悪魔のリズムであった。


「ああ、気持ちいい、ああ…」

安永の声が次第に大きくなっていた。

両手に力を入れ、一突き毎に百合子の尻を自分の方に押し当てるようにして、その動きは一段と激しくなっていた。

「ああ、いきそうだ、もう我慢できない……」

「な、中には出さないで……お願い……」

彼女は僅かに残った気力を集めて、なんとか彼に聞こえる声を振り絞って出した。

「あ、あ、気持ちいい、ああ、どうしようかな……」

「お願い、やめて、うっ、う……」

次の瞬間、彼は彼女から下半身を抜き放ち、亀頭の先から勢い良く精を放った。

その白くどろどろとした塊は、まるで生き物のように飛び、まず彼女の後頭部の髪に付着した。

そして、それは彼が「うっ」と言う毎に何度か放出され、彼女の背中から尻をべっとりと覆った。

ふうー、っと彼は大きく息をした。

彼女はそのままの姿勢で肩を震わせ、自分の背面全体に伝わる生暖かい感触を感じ、涙の粒を床に落とした。

その屈辱感は、中で出されなかった事に対する安堵感を大きく凌駕するものであった。


安永は脱いだズボンから煙草を取り出し火を着けた。

そして百合子は、力なく身体を床に崩れ落とした。