官能小説~夏の宴~  -2ページ目

夏の宴 第九話

昨夜、二度目の射精を終えた後、隣の部屋で寝ていた高本が目を覚ましたのは午前6時であった。


のそのそと起き上がった高本の耳に、肉と肉がぶつかり合う音が入ってきた。

「お前、まだやっとったんか?」

呆れた口調で高本が言った。

「ええ、今、5発目っす。あ、ああ、全然飽きんわ……」

ぐったりとした表情を浮かべ、弱々しく声を上げる百合子の上で、安永は腰を振りながらそう言った。

「若っかいのう」


さすがに疲れたのか、安永は薄く水っぽい精液を百合子の顔に放出すると、下着を履いてソファーに倒れ込んだ。

うつ伏せになり、身体を細かく震わせている百合子の背中に、高本が無造作に菓子パンを投げつけた。

「腹減ったやろ? まあ食えや」

「お願い……おうちに帰して……」

「ええから食えや」

そう言って高本はコップ1杯の水を百合子に差し出した。

一晩中、強制的に汗をかかされ喉が渇いていたのだろう、百合子はそのコップを受け取り一気に飲み干した。

「こんなとこで倒れられるわけにはいかんのやわ。早よ、パンも食えや」

百合子が、与えられたパンを時間をかけて食べおわると、高本はブリーフを脱ぎ降ろして百合子の二の腕を掴んだ。

高本は百合子の身体を強引に立たせると、彼女の胸のあたりを嗅ぐ仕草をし、

「うわあ、むちゃ臭いな、精子の匂いが」

と言って、百合子を浴室の方に引っ張って歩かせた。

「身体洗ったるわ」

高本の一連の動きは、まるで家畜の世話でもしているようであった。


高本は浴室の中で、以前、安永がホテルでしたのと同じように、百合子の成熟し切った美しい肉体を愛でるように洗い、そしてまた同じようにその場で彼女を犯した。


高本が射精を終え一息ついた瞬間だった。

百合子が浴室を飛び出した。

百合子は脱衣所でバスタオルを掴み、すぐ横の玄関を目指した。

しかし、百合子がドアノブに手を掛けたその時、高本の腹が彼女の背中に張り付いた。

「おいこら、何逃げようとしとんねん」

百合子は持っていたバスタオルを力なく床に落とした。

「ちょっと来い、逃げれんようにしたるわ」

高本はそう言うと、百合子を引き摺るようにベッドの上まで運んだ。

「おお、ちょうどいいとこに起きたな。ちょっと手伝えや」

百合子の肩を両腕に押さえ付けながら、高本は先ほどの騒ぎで目を覚ました安永に言った。

「そこのタンスの上から3番目の引き出し開けてくれ」

安永がその指示に従い引き出しの中の物を見ると、彼は高本の言わんとする事を瞬時に理解した。

「ああ、逃げようとしたんですか? この女……」

「おう、そうや。そういうなん揃えといて良かったわ」

安永は、まず引き出しの中から程よい長さに切られていた荒縄を手にし、百合子の両腕を後ろ手に縛り上げた。

「いや! 何するの!」

百合子は必死に抵抗したが、その動きは高本によって完全に妨げられていた。

「お前がおとなしくしとかんからこうなるんや」

百合子の両腕が完全に固定され、彼女の動きが制限されたのを確認すると、今度は高本が立ち上がり、引き出しから手錠を取り出した。

「先輩、どこでそんなもん買ってきたんですか?」

女を縛るという行為により興奮し、ものの1時間ほどしか寝ていない安永もさすがに目を覚ました様子だった。

「いや、こんな使い方しようとは思ってなかったんやけどな……」

そう言うと高本は、手錠を開き、まず百合子の右足首にその片側を掛けると、手際良く、もう片側をベッドの上部のパイプに掛けた。

こうして百合子は両腕と片足の自由を奪われた。


「これでさすがにおとなしくしおるやろ」

「先輩もエグい事しますね」

「朝飯でも食いに行こか?」

「そうっすね」

泣きながら、無意味に身体をくねらせる百合子の横で、二人は服を着始めた。

「まあ、俺らが戻るまでせいぜい寝ておくんやで」

「また、戻ったら可愛がってやるからさ」

そう言って彼らは部屋を出て行った……。



続く




夏の宴 第七話

高本は百合子の長く美しく伸びた両足の付け根に顔を埋め、まるで飢え切った動物のように彼女の蜜壺を吸った。

百合子は身体をくねらせ、時折切ない声を上げた。

我慢ならなくなった高本は、上体を起こし、自らの腹を割り込ませるようにして百合子の股を大きく広げ、その茂みの奥に肉棒をねじ込んだ。

「い、いや」

今更、逃れられない事など分かり切ってはいたが、それでも百合子は反射的にそう言った。

生理的に受け付けない、とはまさにこういう事なのであろう。

構う事なく高本は、ゆっくりと自らの分身のすべてが奥まで埋まったのを確認すると、大きく息を吐いてからピストン運動を開始した。

「ああ、よう絞まるわ……」

悦楽の表情を浮かべた高本は、腰を振りながら上半身を百合子に覆い被せ、強引に彼女の唇を吸い始めた。

百合子はとっさに右手でその醜い顔を払い除けようとしたが、それはあまりに無力であった。

少しでもそのおぞましさから逃れようと、固く目を閉じるのが精一杯の抵抗。


その時だった。

玄関の方からドアの鍵が開く音が聞こえた。

高本は動じる事なく腰を振り続ける。

百合子は一瞬だけ目を開いた。

あろう事か、そこにはTシャツに短パン姿の安永が立っていた。

百合子の中で、驚きよりも、自分がSEXをしている姿を第三者に見られる事に対する羞恥心が先に立った。

百合子は思わず片手で自分の顔を覆った。

「おう、早かったな。こいつめっちゃええぞ、は、はあ……」

「でしょ? 一回ヤッたら病み付きになりますよ」

「な、なんで、あなたが……?」

百合子はそう言って、顔を覆った指の隙間から安永を睨んだ。

「いやあ、もともと今日は高本先輩の家で飲む予定でしたからね」

安永はどこまでも白々しい口調で言った。


高本は安永にあらかじめ、オートロック解除の番号を教え、部屋の合鍵を渡していたのである。

「安永、シャワー使ってもええぞ」

「いやあ、もう家で済ませてきましたから」

「そうか、俺ももうすぐイクわ、おお、おっ……、もうちょっと待っとって」

安永が服を脱ぎ始めた。

「あ、あなた達、最初から私を二人で……」

高本は少しだけ顎を上げ、背中を突っ張った。

「あっ、おう、イキそうや、安永、俺、中に出してしまいそうやわ、あ、あ……」

「い、いや! やめて! お願いだから外に……」

百合子はあらん限りの声を振り絞った。

「まあまあ、高本先輩、これから先は長いんだから、今日は我慢しましょうよ」

すっかり全裸になって床に座った安永が言った。

先……? 長い……? 何、何よそれ……?

百合子の頭の中で、それらの言葉が交錯し、混乱した次の瞬間、自分の上に仁王立ちした高本の先端から、勢い良く精液が浴びせられた。

それは瞬く間に百合子の身体の前面を覆い尽くした。


高本はベッドの脇からティッシュペーパーを取り、無造作に百合子の身体に張り付いた精液を拭いた。

百合子はそれを遮るようにうつ伏せになり、枕に顔を埋めて嗚咽した。

「おいおい、次のが待っとるんやから」

高本はそう言って百合子の身体を強引に起こした。

「もう帰らせて下さい……お願い」

「もう遅いわ。お前はなあ、この盆休みの間、俺らの奴隷なんやわ」

百合子に、その言葉は死刑宣告に近い絶望感を与えた。

悪魔だわ、この人達……。

ゆっくりと安永が立ち上がりベッドに近付いた。

百合子の目に、数日前、散々見せ付けられた安永の陰茎が映った。

それを右手で軽くしごきながら安永は、

「あんたもそろそろまた、これが欲しくなってきてたんだろ?」

と言い、百合子の乳房と尻を撫で始めた。

「や、やめて……」

「相変わらずいやらしい身体だ……、前よりオマンコも濡れるようになったんじゃないの?」

安永は尻を撫でる指を百合子の秘部に沿わせた。

百合子の身体が一瞬、ビクっと反応した。

「ほらほら、感じてるんだろ?」

「ち、違う……」

「まあ、これからあんたももっと気持ち良くなるようにしてやるからさ」

そう言って、安永は百合子の乳首に大きく吸い付いた。


その様子を安物のソファーに座って見ていた高本が立ち上がった。

「おう、安永、今日のために色々と用意しておいたでえ」

と、高本がタンスの引き出しを開け何かを取り出した。

陰茎の形をしたバイブレーターだった。

その白く大きなプラスチックは、高本がスイッチを入れると不気味な電動音と共にクネクネと動き出した。

「早速、使いましょうよ、それ」

安永はそう言うと、嫌がる百合子の背後に回り、両足で彼女の太股を押し開いて保持した。

百合子は身体を大きく横に振って抵抗する素振りを見せたが、少しずつ、そういう力が弱っている自分にも気が付いていた。

「な、何するの……?」

百合子のその言葉を聞くと、高本はそのバイブを彼女の顔に近付け、それで彼女の頬を何度か軽く叩いた。

「これをお前のオマンコにブチ込むんやがな、言わんでも分かるやろ?」

高本はバイブを百合子の中に挿入した。

抵抗しようにも百合子の身体は安永によってがっちりと固定されていた。

バイブをゆっくりと、そしてやがて速く動かしながら、また高本の陰茎は隆起していた。

安永は両腕で百合子の乳房を弄りながら、彼女の下半身を覗きこもうとする。

「あ、ああん、やめて……」

「ほらほら、気持ちようなってきたやろ? これからもっとな……」


夏の宴はまだまだその幕を上げたばかりに過ぎなかった。



続く

夏の宴 第六話

就業の時刻を迎えると、百合子は急いで安永を捕まえ廊下に出た。

「ちょっとあなた、あれどういう事よ?」

「え、あれって何すか?」

「とぼけないで、なんで高本さんがあの写真を持ってるの?」

「いや、僕は約束通り、”自分の携帯の中の”写真は消去しましたし、誰にも”話して”はいないですからね……」

「そんなの約束を守ったうちには入らないわ」

「いやあ、間違って送っちゃったんですよお」


そこに高本が現れた。

「おお、二人共おってちょうど良かったわ。安永、もしかしてお前か? 俺にあんなもん送り付けてきたのは?」

「い、いや、その……」

白々しい口調だった。

第一、高本と安永は日頃から仲が良く、互いのメールアドレスを知らない訳が無い。

「お前か、この写真を撮ったんは? 詳しく説明せえや」

「い、いやあ、それは言えない約束なんですよ……」

百合子は耳を塞ぎたい気分だった。

「なんや、どんな約束したんや? まあ、これはお前ら両方に詳しく聞くしかないなあ……」


三人は会社近くの喫茶店に場所を移した。

高本のねちっこい尋問に、百合子はすべてを話さぜるを得なかった。

「そうか、事情が大変やったんは分かるけどな、うちも大きい会社やさかい、これ表沙汰になったらえらい騒ぎになるで……」

「ですから、お願いなんで秘密にしておいてくれませんか……?」

「まあ、かわいい後輩が言う事やさかい俺は構わんけど、ところで安永、お前、無条件でこの話、内緒にする事にしたんか?」

「いやあ、それは、いくら高本先輩といっても言えませんよ」

百合子には、目の前の二人の男のやり取りが、まるでリハーサルをしてきたかのような風に見えた。

「お前ら、むちゃ怪しいなあ、栗原さん、どうなんや?」

「安永君には月曜に食事をご馳走して……」

高本が場の空気を完全に支配していた。

百合子はもう確実に逃げれない状況に堕ちていた。

それを確認した安永が口を開いた。

「その食事の後、一晩付き合ってもらったんです」

「ちょ、ちょっと、あなた何言い出すの?」

百合子は焦って言うと同時に、あの夜の狂気の光景を思い出してしまっていた。

「そういう事やったんか、安永」

「はい。僕もそんな事はしたくなかったんですけど……」

「そうか、ほんなら栗原さん、こいつだけ、って訳にもいかんわなあ……」

高本の口元が軽くにやけた。

百合子は心の中で、一度でも身体を許してしまった自分を責めつつ、絶望感を感じた。


「じゃ先輩、僕はこれで」

喫茶店の前で、安永はにやっと笑い去っていった。

高本はタクシーを拾い百合子を乗せた。

私はどこまで堕ちてしまうのだろうか……?

私はどうすれば罪を償えるのだろうか……?

誰かに相談すれば良かったのか……。

タクシーの中で百合子は考えていた。


タクシーが停まったのは、大きなマンションの前だった。

高本の自宅である。

高本が自動ドアの前でオートロックを解除した。

二人はエレベータで9階まで上がった。

ヒラ社員とはいえ、さすがは独身貴族である。

一人で住むには惜しいほどの広い部屋だった。

綺麗に片付けられた部屋が、30代独身男らしくなさを感じさせられた。

が、百合子は、それを見て、この男は、自分をこの部屋に連れ込む事を最初から分かっていて片付けていたのかもしれない、と思った。


もちろん、高本と安永の計画であった。


「疲れたやろ? まあ、シャワーでも浴びてきいな。タオル使ってええから」

高本は冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出しながら言った。

「1回だけ、1回だけ終えたら帰ってもいいでしょ?」

百合子は精一杯、強気な表情を作って言った。

「まあ、それでええけど」

軽く受け流す口調で高本が答えた。

その軽さに不安を覚えつつ、百合子は浴室に入りドアを閉めた。

あと一度だけ、今夜だけ耐えるのよ。

百合子はそう自分に言い聞かせながらシャワーを浴びた。

涙を堪え、恐怖心を堪え……。


バスタオルで身体を包んだ百合子が浴室から出てくると、

「まあ、ゆっくりしときいな」

と、高本は言って立ち上がり入れ替わるように浴室へと消えていった。

この間に逃げ出せないかしら……。

百合子は考えた。

だが、脱いだ服は浴室の脱衣所に置いてきてしまっていた。

しかし、その以前に、今、逃げ出したら、その後どうなるか分からないという恐怖がその考えを打ち消した。

改めて、自分の過ちを後悔するだけだった。

我慢してきた涙がこぼれ落ちた。

あんな脂切った中年手前の醜い男に身体を許さねばならないなんて……。


10分程が過ぎ、高本が全裸の姿で出てきた。

百合子の目に、おぞましく緩んだ脂肪と、既に軽く隆起しつつある陰茎が映った。

「ほな楽しませてもらうわ」

高本はベッドに百合子を押し倒した。

「電気を消して……」

百合子はその弛んだ肉体の重圧を受けつつ懇願した。

「明るい方が、この白い肌が綺麗に見えて興奮するやろ」

そう言って、高本は息を荒げながら百合子の唇を奪い、タオルを剥ぎ取った。

高本の言う通り、蛍光灯の灯りが百合子の白い肌を照り輝かせた。

高本は百合子の上から覆い被さり、百合子の乳首に吸い付いた。

肌に高本の醜い腹が触れると、百合子は吐き気を感じ嗚咽した。

条件反射で百合子の身体は高本から離れるように抵抗していたが、その肉体の重みから逃げるなど不可能な事だった。


高本は百合子の右の乳房を吸いながら、右手で片方の乳房を激しく揉みしだいた。

「むっちゃええ乳や、夢のようや……」

高本はうわ言のように呟きながら、彼の下半身の突起物は、もはや完全に固く隆起していた。



続く