●感想
◆精神科医の先生がカウンセラーの育成向けに書いているだけあって、
話が理論・学術に基づいたものである。
◆内容としては心理学の素人が読んでもなるほどとなるぐらい、
日本語としては平易に書かれている。
◆カウンセリングはカウンセラーからアドバイスを貰って解決の糸口を
見つけるものだと思っていたが、全く違った。
結局、答えは自分でしか出せない。
ただ、そこを深いレベルで見つめていく作業のアシストとして存在。
理論的に説明できる6つの段階を経て行かなければならない。
◆”傾聴” ”聴く”と単語は頭にあるが、実例を出されて説明があると、
こんなにも難しいものかとびっくりする。
◆”黙って/賛成して聴く”、のは常に難しい。特殊な訓練が必要な技術。
例)クライアント)頑張っているけど、この状況が辛い。
カウンセラー)頑張っていて偉いですね。応援します。
↑ 頑張ることという限定している。頑張っている状態を応援という
一部だけの個人的評価(・・・聴く人はしてはいけない)
になっており、賛成して聴いていないことになる。
結果浅い範囲で終止して問題解決に結びつかない。
と聞くときに、「そうですか。。。」と、本当にその人の気持ちになって、
心を向けなければならない。聞いてないのも違うし、口を挟むのも違う。
◆要点を見ることでは理解しきれない。本書の事例を通して読んで、
どんな心の動きになるかを知らないと、動きは理解できない
●心に残ったこと
◇カウンセリングに必要なのは、下記の4つの要素
“黙って聴く”
“賛成して聴く”
“感情を聴く”
“葛藤を聴く”
◇人の悩みは根本的には4つに分類される
1.人が怖い
2.自分を責める
3.人とうまく付き合えない
4.死ぬのが怖い
1~4について、下記A~Y複合の二元表で整理される。
(A)望んでいる生き方/理想
(B) Aがうまくできないときの感情・悩み
(X)課題と解決方法
(Y)悩みが深刻化したときの症状
◆とは言っても解決方法Xを見たからすぐに解決できるものでもなく、
自分との深い対話による気づき、転換によってのみ解決しうるものである。
◇傾聴で進む感情の感情の段階は下記の6項目
Lv. 傾聴で進む感情の階層 回復の経過
レベル1 不安と頑張り 相談は現実の不安の表現から
レベル2 抑うつ 頑張れない自分をせめて人生を振り返り、
レベル3 怒り そんな生き方をしてきた自分に怒り、
レベル4 恐怖 自覚されない恐怖を見て
レベル5 悲しみと諦め 悲しみの中で、古い生き方を捨てると、
レベル6 喜び 喜びの中で、人は新しく生き始める
◇葛藤は規範Aと感情Bの対立構造による
感情の階層に従って、
stage1 A(○) B(✕)
stage2 A(✕) B(○)
stage3 A(△) B(△)として、
葛藤を超越して、ま、いいか、という心の解決ができるようになる
◇本当に言いたいことは、言葉を超えた感情の中にある。
それを自分自身であっても”聴く”ことで捉えることが大事
◇心は深いレベルで捉えると、実は非常に論理的に動いている
●評価
★★★★★
●著者
高橋 和巳
●読書日
2023/1/27





