サバンナとバレエと -16ページ目

サバンナとバレエと

ブラジルからの便り

ご無沙汰しております。



時間に追われて

書くことが出来ないので。。。

好きな記事を再び。。。



2010年7月28日に書いた記事です。










。。。。。。。。。。。。。。。。。。






一時期、

本当に生活に困った頃があった。




夫も私も博士課程を終えた時期でサンパウロの田舎に住んでいた。

ブラジル経済はまったく不況でなかなか就職出来なかった。



 夫は私立大学で教えるために

サンパウロ州のいくつかの町をめぐっていた。

毎日相当な距離を運転しながら。





私は車なしの生活。

仕事も見付からず、主婦として子供達の面倒を見ながら、

出来るだけ節約するための遣り繰りに暮れる毎日だった。



次女の学校の送り迎えのバス賃さえもなかった。



学校まで歩いて片道45分もかかり、

次女は毎日往復1時間半、

私は迎えも入て約3時間歩いた。


いやがる次女をなだめるため

毎日 一生懸命 

いろいろな遊びを考えながら歩いた。


なにかいいもの見つけること。

新しい道を見つけること。





将来のことや

借金のことなんか考えると

気が狂うぐらい不安だった。


とにかく生活していく事、

生き延びていくこと。。。


そう自分に言い聞かせながら

生きていく毎日だった。



 ある日

一度も行ったことのない道に入り込んだ。

舗装もされてない小道だった。


道の両方にあった塀が途切れると突然、

広い景色が目に入ってきた。



 「ママェ 見て!」
 

次女は嬉しそうに指差して叫んだ。




なんとそこは牧場だった。

田舎町でも珍しいものだった。

まさか町の中にあんな農場があるなんて。





小さな農場だったが、沢山の動物がいた。


牧場を横切っていくと

牛や馬がゆっくり牧草を食べていた。


子ヤギが後をつけて来た。


鶏は沢山のひよこを連れて歩いていた。


遠くに泥のなかに鼻をつっこんでる豚もみえた。



 冬の朝日のなか私達二人は有頂天になって歩いた。 


なんだかタイムスプリップしたような感じだった。 

別次元に迷い込んだような。



「ママェ、魔法の世界の入り口、見つけたのかな」


「そうかな? 二人だけの秘密にしようか 


「うん、お姉ちゃんにも内緒ね。


次女の喜ぶ顔が忘れられない。


まだ小さかった姿を思い出すと胸がいっぱいになる。






いろいろ苦しかった時期だったけれど

いい思い出も沢山ある。


結局、苦境なんてこんな感じだった。

全てが灰色ではなく心を和める出来事がまばらにあった。



ぱらぱらと散らばった真珠のように。

灰色とのコントラストのためより輝いていた。


それだけに

余計愛おしい思い出の数々。











。。。。。。。。。。。。。。









最近、父が癌だと診断され

抗がん治療のために両親をブラジリアへ連れてきました。

父は「ほんまに癌なの?」と思う程元気で

現在抗がん剤の副作用はゼロ。

むしろ食欲旺盛で

抗がん剤を初めてから食欲がましたと言っています。

病院では「忍者」なんて呼ばれて。。。

ちなみにリオを離れる前日には

プールを直すためにタイルをハンマーでかちわっていました(笑)。


私は。。。

両親を見守ることがなんか嬉しいです。
自分自身を見守ることにも良い機会だと思います。
色々忙しい毎日ですが
この体験でより人生を理解することの可能性への希望も。。。






この頃、このブログはまったく日記のつもりで綴っています。
前は読んで下さる方々に読みやすくすることを考えていたんですけれど。。。
すみません。この頃,書いておくことが大切だと思っているので
沢山余計なことも書いています。。。



長女の誕生日でした。

一緒に誕生日を過ごすダンナサンの航空チケット、
大分前に用意していました。
丁度週末には休みがとれると聞いていたので
金曜日について日曜日に帰ってくる予定。。。

数日前に急に仕事の予定が変わってしまったと連絡。
金曜日も土曜日も仕事になると聞いて
せめて丸一日一緒に過ごせるようにと
帰りのチケット、月曜日に変えました。


土曜日に
彼女のアパートで誕生日パーティの準備をしていたダンナサンからの電話。
色々なパテを作るように頼まれているんだけど
どうしたらいい?って
彼女が書いていったレシビを電話で読みます。(笑)
独りでミキサーと格闘しているダンナサンを想像して笑ってしまいました。


夜,電話掛けたら
楽しそうな笑い声が一杯聞こえます。
どうやら友達たち一杯集まってくれた様子。。。
お酒飲んだようで浮かれた長女の声。
「パパィ、ちゃんと準備できた?」って訊いたら
「完璧だったよ
M君と一緒にキッチンでワイン飲みながら
ワイン一瓶とバゲット一本食べちゃって。。。」

M君って新しい彼氏です。
私はまだ会っていないけれど
ダンナサン、ワイン一瓶って、どうやら意気投合したみたい。。。(笑)。

前の彼氏D君とは3年位つき合ったかな。
彼女が
「ママェ、私がD君と別れて気に入らなかったんじゃないの?」
「えっ?それは貴方のことでしょう?気に入るも気に入らないもないんじゃない?」
「だってもう会えなくなるから」
そっかー会えなくなるんだ。

D君は映画監督で脚本も書くので
常にアイデアを探していて好奇心が旺盛。
なんでも目を輝かして人の話を聞く好男子。

一緒に酒飲みながら話すのが好きでした。

「こんな脚本考えたんだけど。。。インデェオと白人の間で戦争になってね
でもインデェオ達があまりにも無邪気だから
白人の戦略が全然効かないんだ」

「あら、そんな小説あったなー」

「えっ?どれ?」

「たしかトルストイだよ。イワンの馬鹿じゃないかな?
トルストイ読んだことない?」

「無い、でも読んでみる」

そして次の日インターネットで探せたよ!って私に見せてくれました。

そっかー、もう息子みたいに感じていたんだけど
会えないのかー。。。
「よかったら何時でも家に来てって伝えてね」と言っておきましたが。。。

今度はどんな人なのかな?
建築家だそうです。
まあ、しっかり者の彼女が選んだ人だから
全然心配しません。


。。。。。。。。。。。。。。

長女、29になりました。
私が彼女を生んだのは
26の時。
ダンナサンは24。
なんて時がたったのかーと驚きます。

大人の娘っていいですよー。
もう私にとって想像もつかないような世界に生きる子。
私よりずーっとずーっと大きく成長してくれた子。。。

今でも
「ママェ、この脚本どう思う? この映写どう思う?
このプロジェクト、なんかいいアイデアない?」
なんて問いかけてきますが
もう大分前から何を言っていいのか分からないんです(苦笑)


私は大の映画好きで
彼女はごく幼かった頃から
私の好みにつき合っていたんですね。
小さかった頃は
寝ている彼女を連れてシネマへ
寝てながら家から連れ出し
そのまま寝ている彼女を抱っこして映画を観て
次の日何も気がついていなかった長女。。。

彼女が映画大学生だった頃
世界ベスト100の映画のリストを見て
観た映画、私が勝ちました(笑)
現在では考えられないこと。。。

絵を書く事が好きだった長女。
大学も芸術学部にするっていっていました。
貧乏生活だったので
一様大学は国立か州立にして欲しいと思っていたのですが。。。
芸術学部はあまり競争率が高くないので大丈夫だと思っていました。
絵を本格的に習ったことはなかったので
芸術家の私の友達に授業をたのみました。
授業料払えないので
その友達にサイトを作り
ブツブツ交換的な関係で。。。
あの頃、サイトを制作なんてなんにも知らなかったんです。
一生懸命勉強しました。

彼女が生まれて初めて感動した作品は
タイタニック。
あの年のクリスマス。
タイタニックの映画の撮影を語る本をプレゼントしました。
彼女は喜んで
映画に使われたコスチュームを描いて
紙人形なんか作っていました。


高校3年生になって
初めて映画関係の大学に受験したいといいだしました。
正直言って
「これはえらいことになった」と思いました。
何故ならば
彼女の一番選考は
サンパウロ大学
あの頃、映画科は医学の次に困難だったのです。
おまけに私たちは彼女の予備校の月謝もまともに払えない環境。。。

あの事については何度かこのブログで語っているのですが
忘れられないあの日
長女の受験が受かったと知った日のことはこちら
シリーズで書きました
「大学入試をアマゾンと」というタイトルです。


色々苦しかった事の中で成長し
長女は私に比べられないほどの女性に成長しています。
考えること、なんでも刺激的で
キラキラするオーラをもっていて
惚れ惚れします。
決して美人ではないんです。
それでも
何か惹き付ける。。。

私の昔の友達が集まって彼女が一緒だった事があります。
一回り二回り年上の人達と自信一杯で話す彼女。
小さい頃から彼女を知っている友人が私に耳打ちしました。
「きっと彼女はどれだけ魅力的なのか意識していなんだね」
うん、うん、意識していなんだと思います。
だから惹き付ける。。。


。。。。。。。。。。。。

本題に入ります。
娘へ。。。

貴方を生んだ時
貴方は私より
美しく
利口で
幸せになると決めました。

本当に未熟な母でしたね。
自分自身を見つけなければ
母であることの役目も出来ないと感じた頃もあります。
色々、我がままで自分が見えなくて
貴方にとってよくない母だった事もあったと感じます。
それでも
貴方は立派に成長してくれた。
立派に立派に。。。
誇らしい気持ちで一杯です。
有り難う。。。

貴方はきっと
私が生きた世界より
大きい世界に生きるんですね。
感謝します。
一杯、一杯成長して下さい。
私が見れなかった世界を体験してください。

実に愛情表現が下手な母親ですね。
毎日のように「愛してる」っていうパパィに違って
一体何回「愛してる」って言う事が出来たか。。。

貴方のママェは日本人。
愛してるって伝えることはとても難しいんです。

でも
言葉で伝えなくても
貴方は理解していると思います。
大切な大切な貴方。。。
とてつもなく愛していますよ。。。







長女、ロライマ山の頂上で。。。





孤独に対して
ポ語でも英語でも
異なる意味の言葉が二つあります。

一つはloneliness
(ポ語ではsolidão)

これは日本語の孤独に良く似た言葉。

もう一つは
solitude
これはポ語も英語もまったく同じスペーリングです。


このふたつ。。。
何が違うのかと言うと。。。

solidãoは何かメランコリックな感情なのに対して
solitudeはなんの感情も含めていません。
ただ独りっきりっていうこと。。。

独ぼっちと独りっきりって訳するかな?


この週末は
独りっきり。

ダンナサンは長女の誕生日にサンパウロへ
次女は今日、待ちに待ったライブ。
そして
連休を一杯彼氏の家で過ごすそうです。

長女の誕生日、私も行きたかったのですが
この前リオの実家に帰ったので
今回はダンナサンだけ

いつも二人だとお金が掛かってしまいます。


実は私
独りっきりってとても好きです。
毎日半日は独りっきりの時間が欲しいし
それがなければちょっとイライラし始めます。

今日も独りっきりを楽しみたいので
友達が来ての居留守することに決めました (あはは)

孤独ではない
独りっきりな時間。。。
何にも聞かなくでいいし
何にも答えなくてもいい。。。

自分との関わりのみ。。。

何をするかと言うと。。。
結構散乱的です。
気になった所を掃除し始めたり
書いたり
踊ったり。。。

踊りに対しては

この週末はスローなムーブメントがマスターしたくて
色々試しています。
憧れるんだなー。。。
踊りの中で一瞬スローモーションみたいに減速する動作。。。
パワーは何処から?
腹筋?
プリエ?

あっ、それから好きな音楽を流して
ガレージで精一杯踊る事
ワンちゃん達が喜んでワンワン付きまといます。


独りでホラー映画観て
独りで叫んだり。。。
「ヒィー!!!キャー!!!!」
「ああ、そこヤバいよ」
「だめ、だめ、だめ!!!」
「だめって言ったでしょう」
なんて。。。



ネコちゃん、ワンちゃん達と話したり
庭の花達に言葉を掛けたり。。。

書きたい小説の事を考えたり。。。

昔は絶対に考えられない事なんですよ。
寂しいって感じなく独りで楽しむってこと。。。

火曜日まで独りっきりです。
夜はちょっと独ぼっちな感じになり始めるけれど
寝る時間が凄く早いんです。
10時になるとバタンキュウ。

一様、寝室に鍵掛けて寝ます。
もし真夜中に停電になって目が覚めたらと
ロウソクとマッチも用意して。。。

一度
もの凄く怖い思いしたことがあるんです。
同じ様に独りで過ごす週末。
アマゾニアに住んでいた頃の話です。
あちらはとても暑いので
停電になるとクーラーが止まるので目が覚めるんです。
真っ暗闇のなか目を覚まし
手探りでキッチンへ行きロウソクを灯し
さてどこにロウソクを立てようかと探すと
ちょっと丈夫そうなプラスチックの鉢。

ニンニクなんか潰すための鉢なんですが
とっても分厚い構造で
これはいいって
ベッドのサイドテーブルに逆さまに置いてロウソクを灯しました。

それから寝付いて奇妙な夢を見ました。
実は。。。

私は子供の頃から繰り返して夢みる風景があります。
山肌に張り付いた道路。
左は海。
夕暮れの太陽は海に沈んでいます。
大体私は道路を走って太陽を見つめているんですが
あの時は小舟に乗って沈む太陽に向かって漕いでいました。

突然光りが信じられないほどカラフルになり
小舟から差し伸べる私の手の平も。。。
もの凄い色彩で輝き始めました。

とてつもなく幸せな感じで
夢中で太陽の光と戯れていた幼い頃に戻りました。

ただ光線と遊ぶことではなくて
周りの現実が全て
感情をもつような。。。
あの光線は感情をもって
何か私の胸をうつような事を語りかけていました。。。





すると突然
ダンナサンが私を呼ぶ声を聞いたんです。
そして全てが消え
息苦しい感じがして。。。
目が覚めました。

ベッドに飛び上がって目に入ったものは。。。

煙。。。
寝室は煙だらけ。。。


それでもなんか気がつかない。。。



何故ならば。。。

もう一つ繰り返す夢があるんです。
匂い夢。。。。

いつも煙を感じて目を覚ますんですが
起きてベッドに座り
ダンナサンを起こして
それでも煙の匂いを感じつづけます。

悪夢だったんだと理解しても
あの匂いは鼻の奥に張り付いて
もの凄く現実的に残ります。
目に見える煙も。。。
見えなくなるまで大分時間が掛かります。
悪夢だったと理解した後でも。。。


あの時、
飛び上がった私の目に入ったものは
いつもの通り悪夢に魘された時に見る
灰色の煙で一杯になった部屋。
いつもの通り焦げ臭い匂い。。。

でもいつもとはちょっと違っていたこと。。。
闇に立ちこめるのみの煙と違って
なにか光がある。。。
黄色っぽい光。
左のほうに。。。

まだ寝ぼけたままで左を見た私の目に入ったのは。。。
炎。。。

サイドテーブルに火がついていました。
溶けたプラスチックとロウソクの蝋。。。。
おもわず払った手はとんでもない火傷。。。
塗られたニスは熱さで沸騰していました。

トイレに水を取りに走り
火を消しました。
何回も。。。。







危なかったなー。。。



思えば、

何故
あの時ダンナサンの声を聞いたか。。。
独りっきりの週末で
彼はとても遠くにいたんです。


助けてくれたのか。。
彼に訊いても
あの時なにも感じてなくて
グーグーと寝ていたんですけどね。




あれからあの景色の夢は見ていません。
煙の匂いの夢はまだあって
時々ダンナサンを起こします。。。。