苦痛について | サバンナとバレエと

サバンナとバレエと

ブラジルからの便り

私は子供の頃
体調について図太い性格だった。
風邪をひいても熱があっても学校を休まなかった。
とてつもなく気分が悪くなり
学校の保健室で
「朝から頭が痛かった」と言って
「じゃ何故学校に来たの?」と怒られたこともある。

家では
気分が悪いと学校を休むと徹底的に寝床を出られないことを意味していた。
一日中。
テレビもみれない。
気分が良くなっても寝床を出ることは許されなかった。

幼い頃から甘えることなんかタブーになった。
その事が私にとってどれだけプラスに、
あるいはマイナスになっているか分からないが
私がとにかく図太い人間であることは確かだ。


私は外れやすい肩を持っていて
これまで何回も外している。
どれだけ外れるかというと
外れた肩は前の乳位に落ちる。

どれだけ痛いと言うと。
冷汗がダラダラ。
痛い事を意識したらどうしようもなく取り乱すことは分かっている。
もし取り乱したら苦痛はとてつもなく大きくなる。
歯を食いしばってコントロールする。
深呼吸してコントロールする。
筋肉を緊張すると星をみるほどの痛さだ。
深呼吸して自分を取り戻す。
筋肉をリラックスすることが出来たら痛くない。
そして肩を入れ直すことが出来る。



一度
舞台で肩が外れた事があった。
間違ったジャンプの後
転んだ。
瞬間的に肩に激痛を感じ
グループが踊り続ける中で床に突っ伏したまま肩を掴むと
普通の位置より完全にずれていた。

もう踊り続けられない。。。
這って舞台を出て
舞台裏でうずくまってうなっていた。
観客がみる舞台と
裏では随分違う。
走り回る人達の中が私に気づくまで相当の時間が掛かった。


結局親友のMちゃんが私を救急病院に運んでくれた
あの舞台では私はライオン役。
病院に車いすで運ばれた私は
どぎついメイクが涙で溶けて
首から足首までカバーされたコスチュームには
尻尾がついていた。
抜けた肩はコスチュームの上でもはっきりと
普通では考えられない位置にあった。


今、
考えると
なんと言う喜劇だと思う。
尻尾を持ってさめざめをなきながら救急病院に車いすで入る私。
まち時間、とんでもない位置の肩をさすりながら泣き続けた
ただ
取り乱したらとんでもない事になると思い
自分をコントロール



あの夜の思い出は実に沢山あるけれど
あれからまた大分図太くなっていると思う。
もう少し勇ましくも。。。


この頃、一体どれだけこのブログで語っているか分からなくなっている。
あの舞台での体験。
長女の帝王切開の途中で麻酔が効かなくなったこと。。。
感電して手を離せなくなり、これが最後だと思ったこと。
鬱で世界の全てが灰色になり
自殺未遂。。。
足に針が刺さり込んで2時間以上の手術。
ジャングルで迷った何日間。。



。。。。。。。。。

それらの体験の全てに対して
必死に這い上がってきた。
現在、想えば
これらの体験は
有り難いと思う。
けっして負けないと思い続けた。
そして強くなった。



この頃
ある夢がある
死に方について
穏やかに死を迎えること
もう帰ることが出来ないと意識したとき
自分の人生に誇らしく思う事。
何も残さないで。。。


苦痛に対して
あるいは
生きる事に対しての数々の苦痛に対して。。。。


ただいま54歳。
20年生きられたら達することができるかなー。。。