大学入試とアマゾンと3 | サバンナとバレエと

サバンナとバレエと

ブラジルからの便り

一様ことわっておきたいことがあります

もうお気づきになったと思いますが

私はとんでもなく親ばかです。はい。



それは私が母親になったときより

はるか昔に自分の心の中に決めたことです。(それについてはこちら

私の子は

私よりかぎりなく

利口で

美しく

賢くと

決めました。


この世の中、

最後の最後まで信じ続けてくれて

けっして裏切られない人がいたら


それは母親だろう

もし母親がその役割をしなかったら

いったい誰がするのかと。



私は常に周りから批判を受けてます

甘やかしすぎて子供をだめにすると

学校から親戚から友達たちから家族から

もちろんこれでいいのかと疑問も持ちます

しかし愛することだけをモットーにしてやってきました。


次女はまだとても若くていったいどの様に成長していくのか分かりませんが

長女はもう大分前から一人でがんばってます。

そしてどんどん素敵な女性になっていくのを見て

自分の感じることに正直でよかったと思います。



長女のペルー旅行のときの画像

仲良し三人での冒険でした。

旅行の費用は全て自分の仕事で稼いだお金でした。

サバンナとバレエと



サバンナとバレエと




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この話は

長女の大学入試の時期と

私達のアマゾンへの引越しについての話です。


大学入試をあまぞんと

大学入試とアマゾンと2

の続きです。


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12月の始め、
天気の好い日曜日の朝、第一次試験があった。

家族みんなで長女を送りにいった。おんぼろ車に乗って。



「だいじょうぶ?がんばってね。」

手をふって帰ろうとすると長女が叫んだ。

「あっ!腕時計忘れた。」


さあ、困った。私もうっかりしていた。
試験には腕時計が必要だとは前から言われていた。
しかし家にはひとつも無かった。
誰からか貸してもらおうと思っていたのだが、つい忘れていた。



さあ、大変、今から探そうと また、家族全員 車に乗った。



近くの住宅街を通っていたら、友達とばったりと会った。



「どうしたの、朝早く」

「今日は長女の大学受験」

「そうか、今年はよくがんばったね。グット・ラッキー」



長女は私の友達 皆から可愛がられていた。

「それがさ」

夫は頭を掻きながら言った。

「君の家に余分な腕時計ないかな。」

「腕時計?」

「ああ、受験で必要だと言うんだ、貸してもらえるのがあったら。。」

「そうか」

友達は笑いながら自分の腕から時計を外し、長女に渡した。

「がんばるんだよ」



試験所に入っていく長女の後姿には朝日が当たり、

細い腕には大きな男物の腕時計がチグハグに輝いていた。



そして第一次試験には合格した。



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あの頃、私達の目的は変わっていた。

とにかくアマゾンへ移るまでどのように生活するか。

どんな仕事でいい、と探していた。

夫がサンパウロ市のある犬猫病院で獣医の仕事を見つけた。

夜間診療の仕事だった。

治安もよくない場所の病院だったが、



サンパウロ市だったら義母に次女を預けて仕事が出来る。

私達は都会へ移り夫の実家に世話になり仕事を始めた。



長女は第二次試験を控えて勉強をつづけ、試験に挑んだが、あまり自身が無いようだった。

「出来るだけのことをしたんだからね。」と慰めた。

「悔いのない気持ちで結果を待とうよ。」と。。。



私達は毎晩、急病患者診療し

犬の匂いがするベッドで仮眠した。



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ある朝、夜勤を終えて、街の道を夫と一緒に歩いてた。



青空の初夏のステキな朝だった。

朝日のなか、仕事に急ぐ人々を見ながら 何となく幸せでゆったりした気分だった。



「この辺で朝ごはん食べようか。」

外食はめったに出来ない贅沢だった。

コーヒーとトースト。

なんでもない食事だったが素晴らしい物に見えた。

なにかいい事が起きるような予感がした。



朝日の中、歩いて帰ると、アパートのガードマンの机の上に新聞があった。

サンパウロ大学合格者リストと見出しが目に入った。



震える手で新聞を開き、リストを指でなぞった。

あった。長女の名前が。

1748人の受験生、合格したのは35人だった。

名前がかすんで見えた。





エレベータを待つのももどかしく、階段を駆け上がった。



長女も次女もまだ寝ていた。

私達はベッドに飛び込みたたき起こした。

「受かったよ、合格だよ。」

「えっ」唖然とする長女。

「リストが出たよ、受かったよ。」



長女は顔を両手で覆い、叫んだ。

言葉ではなかった。

笑いも泣きもせず、叫び続けた。



私達三人はそんな彼女を抱きしめ

狂喜のあまりに泣きじゃくった。



よく泣いた年だった。



サバンナとバレエと
仕事中の」長女」。なんか真剣な表情ですね。




この物語、まだまだ続きます。