サバンナの空 | サバンナとバレエと

サバンナとバレエと

ブラジルからの便り

ロライマは巨大な平地の中にあるので、360度の地平線を見ることができます。

しかもサバンナの空は非常に青いのです。

大きな青い空は日常生活に入り込んでいます。

常に共存している巨大な空、

上を見上げなくても、いつも視界に入ってきます。




こちらでは、スペースがありあまっているので、町のプロジェクトも広々としています。

ビルがないので空が見れるスペースも広いのです。

建物もほとんど一階建てか二階建てで、五階建て以上の建物はまだ二つだけです。

ここにはまだエレベータに乗った事がない人たちも多いのです。

この前、新しく近代化されたエアポートではロライマ州、初のエスカレータがあります。

しばらくの間、エスカレータに生まれて初めて乗りたいという人たちでごったがえしていました。



360度の地平線にかかる虹はこれまでも見たことがないものです。

ほとんど180度の弧を描き

子供のころ、絵に描いた虹と似ています。


夕焼けも見事なものです。

とても大きな夕日です。


夕日は視界が低くなるほど大きく見えるそうです。

サバンナでは夕日がとても低くなるまで見れるのです。

より多くの大気を通って通過してくる赤いスペクトル光線の曲がりが多くなり、
太陽の外縁を大きく映し出させらからだそうです。

また大気にほこりが多いので (とくに乾季には)、それも関係しているらしのです。

(もし間違っていたら、教えてください!)

時々仕事の帰りに、あまりに巨大な夕日に驚き、車を止めて見惚れることもあります。


同じように月も大きく見えます。

特に満月、

地平線から出てくるときは

赤っぽくて、少しぼやけた巨大な月です。


三日月も違います。赤道近くのみ見られる、小船のように上をむいた三日月です。


夜に見れる星の数は月の光と人工照明に関係しているそうですが、

ロライマの都市ボアヴィスタはアマゾンの中でまったく孤立しています。


ロライマ州にはボアヴィスタの他には3万人以上の人口の市はなく、

ブラジルの中でもっとも近い都市は800キロ離れています。

国境を越した都市でもベネズエラでもっとも近いのはプエルトオズロまでも800キロ、

ギアナのジョールジェタウンまで600キロ以上ありあます。



したがって、 ボアヴィスタの照明がなくなると私たちは巨大な暗闇の中にいることになります。

もちろん星空はまったくすばらしいものになります。

ボアヴィスタか停電になると、皆、椅子を外にだして星を観ます。

信じられないほどの星の数、こちらに来て初めて見ました。





サバンナとバレエと


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アマゾンにいつまでも住むつもりは、まったくありません。

将来には住み慣れた南の方に帰るつもりです。

ここはなんとなく、人間はいるべきではないような気がします。

常に邪魔者のような気がします。


未だに体力がついていくので、若いようなふりをしていますが

正直言って、50近くになって、長い間この過酷な環境に幸せに生き抜いていけるかどうか、

あまり自信もないのです。


それだけに、この様な空を見るたびに

将来の懐かしさに感動します。

可笑しいでしょうか。

儚いと知っている現在を懐かしく感じることは。