こんにちは。
2輪促進委員長です。
休日、朝の7時に目が覚めると、ツーリングに行きたくてたまらない病を発症しました。
よし、KDX125に乗ってオフロードツーリングに行こう。
行き先は、2年前に行った廃村の先、雑草で道が見えない廃道、その先を目指してみよう。過去の記事はこちら↓
私は変態なので、2年前、CBR1000RR SC57で廃墟となった集落を目指し、オフロードに突入しました。
集落に突入後、その先に「道が見えない廃道」とツーリングマップルで紹介されている場所がありましたが、さすがにCBR1000RRでの突入は不可能でした。
いつかオフロードバイクを買ったらこの先に進み、廃道の謎を解き明かしてやろう、と思っていたところ、ついにその日が来ました。
朝目覚めて急にツーリングに行くことにしたので、慌ててウェアや装備を準備しました。
ウェアは全身オフロード装備↓
それに予備ガソリン缶1リットルを2本、非常用の水分500ミリリットルを2本、電動空気入れとモバイルバッテリーとスマホの充電ケーブルを準備、
しかし、肝心の携行工具セットが見当たらない。プラグレンチとか、ドライバーにスパナ、ちっこいソケットセットに六角レンチ等をまとめて入れたもの、なんで見つからないんだ。
しばらく探しても見つからない、時間だけが過ぎていく。せっかくツーリングに行く気になってオフロードウェアで全身武装したのに‥
ええい、今日は工具無しで行ったれー!
予備レバーとかも持ってるけど工具無いから今日は持って行っても意味ないしいらねー。
過去にCBR1000RRで突入した林道やし、大したことないわー!
ってな感じで、工具も持たずに家を出ました。
まだ残暑厳しい9月、膝と膝のプロテクターを装着し、ヨロイみたいな体用のプロテクターを装着した状態(その上にオフロードジャージ着用)で出発前から汗だくに💦
(その服装でツーリング?って言うツッコミはやめて下さい💦)
準備にバタバタしましたがなんとか8時には出発できました。
私のKDX125はバイク屋さんでエンジンフルオーバーホール済。絶好調のエンジンで大阪北部の単身赴任宅を出発。
まずは北摂ツーリングに行く時のいつもの拠点、くりの里で休憩。
家から30分程度しか走ってませんが、しっとり汗をかいてます。
プロテクターで武装し、その上に派手なオフロードウェアを纏い、ラガーマンみたいな肩幅の状態で、オフロードブーツでカツカツと足音を鳴らしながら自販機に向かいます。
持ってきた非常用の水分は飲まずに、自販機で飲み物を購入して休憩。非常用の水はあくまでも非常用、なんかあった時のためのものです。
10分ほど休憩し、更に前進。
絶好調のエンジンは、いつもキック1発(または2発)でエンジン始動します。
うーん、気持ちいい。
どんどん北へ進み、天橋立ワイナリーに到着。
時間は11時頃だったと思います。
ここにはお土産屋さんとか軽食屋さんがあったような。しかし、今日は入りません。
なぜなら、オフロードウェアにオフロードブーツ(ドロまみれ)💦なので。
写真だけ撮ってすぐに出発。
しばらくバイクを走らせ、いよいよ入り口に到着。
京丹後市への通り抜け困難、の看板。
ってことは、通り抜けも不可能では無いってことか!?
2年前CBR1000RRで来た時は、雑草で道の見えない廃道、の先はとても進めるようなイメージはなかったですが‥
とりあえず前進。舗装路は間も無く終わり、未舗装路へと変わる。いわゆるフラットダート?のため、KDX125だとグイグイアクセルを開けて快走できます。1速でホイルスピンしながら2速に叩き込んで更にガバッとアクセル開けてホイルスピン。と言った感じです。
途中、轍が深いところがあり、そこは慎重に進みました。
って言うか、ここをCBR1000RRで走るなんて、狂った奴もいたもんだ‥
しかも、なかなか距離も長いような‥結構ハイペースで走っているのに、なかなか廃村に辿り着かない。
10分くらい走ったでしょうか?
やっと廃村に辿り着きました。
アップダウンもあり、轍もあったから、もし、ここでトラブルが起きたら戻るのキツイだろうなぁ。
さすが廃村、人っこひとりいません。(当然か)
スマホの電波ももちろん入らないし。
では先に進みます。
雑草で道が見えない廃道とかいうところへ。
突入前に写真を撮り忘れたので、
2年前に撮った写真をイメージとして貼ります↓
いざ突入。
突入してすぐに、雑草で地面の様子がよくわからなくなってきた。
さっきまでの道とは違って、フラットダートから一気にガレ場に急変。
これ、車だとまず進入不可能だよなぁ。入り口には、京丹後市への通り抜け困難とか書いてたけど‥
走り始めて1分も経たないうちに、田んぼみたいにぬかるんでる地面があり、後輪が緩やかに右にスライドし、左に転倒。
私はバイクの左側に投げ出されました。
雑草で足元のぬかるみに気づかず、油断していました。
幸い、雑草がクッションになり、バイクへのダメージもほとんどなく、私の体もプロテクターで保護されダメージゼロでした。
オフロードバイクに乗り始めて思うこと、オフロードバイクは転倒しても冷静でいられる。
基本、バイクもダメージを負わないし、ライダーも怪我しにくいようにできている、ような気がします。(知らんけど。)
過去に何回もオフロードバイクでコケて来ましたが、今回はスピードも遅く、雑草の上にフワッと横になった感じでした。
転倒後に写真を撮る余裕っぷりです。
って言うか、コケた先、私の体が投げ出されたところは50センチくらい地面が下がってました。
雑草で地面が見えてませんでした。(上の3枚並んでる真ん中の画像)
この50センチ落ちたところにバイクが落ちなくて良かった。もし落ちて、這いあがれる場所がなかったら‥
そう考えると、急に不安になってきました。余裕こいて写真なんか撮ってる場合じゃ無いぞ、そういえば、今日、工具すら持ってきてなかったよな。
ん?タンクキャップ周りからガソリンが漏れてる‼️
しかも、結構な勢いで地面に流れ落ちる‼️
ヤバい、早くバイクを起こさないと‼️
胸の鼓動は一気に高まり、両手が震える。
バイクを起こそうとするが、自分の立っている場所は50センチ落ちている場所。上手く起こせない‼️慌ててバイクの右側に回り込むが、雑草も邪魔をするし、地面のぬかるみもひどい。どこを持ってバイクを起こしたらいいんだ⁉️その間もガソリンが流れ続ける。
必死でバイクを起こし、ぬかるみ地域を押して脱出。
私は軽くパニック状態。
なんとかバイクをUターンさせ、キックでエンジン始動させようとする。
‼️
あれ⁉️
いつもはキック1発始動なのに。
2、3回キックしてもエンジンがかからない。
【キャブ車は転倒すると、フロート室のガソリンがシリンダー内に流れ込んで混合気が異常に濃くなってドウノコウノ‥】
なんてことを冷静に思い浮かべるほど気持ちに余裕は無く、慌ててキックを繰り返す。
‼️
‼️
かからない。
ウンともスンとも言わない。
アクセルを少し開けてキックしたり、アクセルをガバッと開けてキックしたり、いつもよりチカラいっぱいキックして足を滑らして足をぶつけたり、なぜかチョーク引っ張ってキックしてみたり、手でキックペダルを動かしてみようとしたり、キーをオンオフしてまたキックしたり、何故かヘッドライトスイッチをオンオフしてからキックしたり、フューエルコックをリザーブにしてキックしたり、
パニックに陥りながら20回くらいキックを繰り返し、
「今日、プラグレンチ持ってきてないよな‥」
「もしカブってしまったら終わりだよな‥」
息は切れ、滝のように汗が流れ落ち、体から湯気がモクモクと出てメガネが曇る。
「ダメだ。落ち着こう。まず、飲み物を飲もう。」
「‼️ダメだ。予備水分は500ミリリットル2本のみ。もし、このままエンジン始動しなければヤバい。」
「よし、オフロードジャージの上と胸プロテクターを外そう。そして上半身は半袖シャツ1枚にしてまずは熱中症対策。」
脱いだものをリュックに入れ、リュックを地面に置いた。ついでに曇るメガネもリュックの上に置く。
しばらくバイクと体を休ませながら、シミュレーションする。
バイクでハイペースで10分くらいの距離、歩くと1〜2時間くらいだろうか。バイクを押すと更に時間がかかり、上り坂や轍は、そもそも押して超えられるのだろうか。体力の負担は?水分は足りる?
もしバイクを押しての脱出が不可能な場合、バイクを置いて脱出か?その場合でも、オフロードブーツで歩いて脱出しないといけない。脱出後の行動は?ロードサービスが入れない道なのでロードサービスは絶望的。レンタカーで軽トラを借りて自力でまたここに戻ってくるか?軽トラでここに入れるの?もし軽トラがぬかるみや穴にハマったら?それとも、歩いて脱出した後、バイクは諦めるか?廃村に眠る廃バイクとなってしまうのか?
幸いなことに、まだお昼頃だ。時間だけは余裕がある。なんとかなるはずだ(多分)
バイクも体も少し休ませたしキックを再開。
‼️
‼️
やはりかからない。
もう、半泣きですよ‥
って言うか泣いちゃいますよ。
そして、またアクセルを開けながらキック
すると⁉️
ボボボボ
‼️
かかった‼️
けど今にも止まりそう。
ここで止まったらもう一生エンジンかからないぞ❗️
絶対に右手をアクセルから離すな‼️
凄くカブり気味な音を立ててエンジンは低回転で回り続ける。恐ろしく大量の白煙を噴きながら。
そして、少しずつ少しずつエンジンの回転は上がっていく。
私は右手をアクセルから離さずに地面に置いてあるヘルメットを手に取り頭に被せる。そして同じ要領でリュックを手に取り背中に回し込む。右手でアクセルを開いたまま左手に持ち替え、リュックの肩紐を右肩に通す、リュックから地面に落ちたメガネを拾ってかける。
そして、なぜかスマホをポケットから取り出して白煙を動画撮影(何やってんだよ⁉️)
そしてスマホをポケットに入れて発進。
もし転倒したりエンストしたりしたら、もう2度とエンジンがかからないかもしれない。
私は慎重に慎重に進む。
その道のりは恐ろしく長く感じました。
そして、無事に脱出
廃墟となった集落、その奥の雑草で道が見えない廃道、
それは、車もバイクも通さない、本当の廃道でした。