贈る言葉 特別な犬 カナイへ  | Niraikanaiのブログ

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 カナイがいなくなってしまって三週間が経ち、また水曜日がやってきました。カナイの最期を看取れなかったあの日、ニライママからの涙の電話を受け取った時を思い出してしまいます。
 
 まだ抜け出すことはできていないようです。
 
 カナイを亡くして気付いたことのひとつ。

 同じ家に暮らす家族一人一人にとって、カナイは特別な犬だったということ。
 
 でもその特別さの中身は一人一人違うということ。

 当たり前と言えば当たり前。でも、不思議な感覚です。
 
 毎日、毎日、ふとしたときに、カナイがどんなに特別だったかが、頭に浮かんでは消えて、の繰り返し。

 文字にすることで、このもやもやしたものが少しでもなくなれば…と思い、私にとって、カナイがどんなに特別だったか、何日かかけて少しずつ記録してきたものをカナイに贈る言葉として書き記したいと思います。
 
 これは私だけの感覚なので読んだ方はやたら感傷的に感じたり、何のことやらと思われたりするかもしれません。でも今まで続けてきたこの場所に、カナイに贈る言葉として記録させていただきたいと思います。
(コメントは閉じさせていただきますね)
 
 
 

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 カナイは、私にとって初めてのパートナーである特別な犬、ニライの子でした。

 ニライの相手として全国から選りすぐった犬、パル号との間に生まれた子でした。

 
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 我が家で生まれ、最初にニライママが引っ張り出して、羊膜を破って、やっと鳴き声をあげた子でした。

 
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 五頭の兄弟姉妹の長女で、綺麗な黒白タンのトリコロール(三毛)、憧れていたルアネ斑をもつ子でした。

 カナイという名前が最初から決まっていて、ニライと合わせると『理想郷』という意味になる、待ちに待った子でした。
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 兄弟姉妹の中で最も小柄だけど最も暴れん坊、そのくせ臆病な子でした。

 何でもよく食べる子でした。

 ごはんのときは、これ以上ないほどいい子でした。

 大好きなおやつも待てと言われると、よだれを垂らしながらもいつまでも待っている子でした。

 子犬の頃はニライのことが大好きで、ニライが一番、その次にニライママ、私はその次くらいに考えている子でした。

 
 母であるニライと最期まで一緒にいることができた幸せな子でした。
 
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 鳥猟の訓練ではニライのあとを追いかけてばかりで私を困らせる子でした。

 でもポイントしたときは必ず何か出すこれからの活躍を予感させた子でした。
 
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 山でニライと私と過ごすのが何より好きで、山へ行くと分かると、出かけるまでどこへ行くにも家の中をずっとついてくる子でした。
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 出かけるのが大好きで、車の後ろのドアを開けるとケージに飛び込んで待っている子でした。
 
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 私の股の間にいるのが好きな子でした。

 座り方が乱暴で、水の飲み方も下手で周りにこぼしていましたが、何でも私のいうことを聞いてくれる子でした。

 喜べば喜ぶほど唸ってしまうので、周りに引かれてしまう不器用でちょっと切ない子でした。

 私が帰ってくると、風のように飛んできて、喜びのキスをしてくれる子でした。

 足が長くしなやかな体をした子でした。

 足がすごく速い子でした。
 
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 素直で純粋な子でした。

 愛らしい子でした。

 
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 家族でした。

 娘でした。

 かけがえのない子でした。
 
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 それなのに私は…

 後悔と懺悔、悲しみと自分に対する怒りが交互に押し寄せてきます。

 突然、空いてしまった穴が、家のあらゆる空間も時間も物も心も、あまりにも大き過ぎて、その穴を埋めることができずにいます。

 
 今、そこにある日常がどんなに大切なものだったのかを、カナイは教えてくれました。

 こんなに悲しいことがこの世にあるということ、家族を亡くすとはこんなに悲しいことだということも教えてくれました。

 人間より寿命の短い犬を、家族として迎えるからには、精一杯の愛を注ぐ心はもちろん、それなりの覚悟が必要だと知りました。

 毎日、仕事に行く途中で老犬を散歩させている方に出会います。
 その黒い犬の顔も目も白くなり、足はもつれて一歩ずつゆっくり歩くのがやっと。
 それでも飼い主さんとゆっくりゆっくり、散歩をしています。

 それを見て私は、ニライやカナイがそうなった時は、最期のときまでずっと寄り添っていようと思ったものでした。

 
 まさか、あの老犬より先にカナイが逝ってしまうとは夢にも…本当に夢にも思いませんでした。

 親孝行で私のことを大事に思ってくれていたカナイは、
 
 少しでもオシッコが出るように動けなくなったカナイを抱いて、
 
 真夜中に止まらない涙を流しながら歩き回っている情けない飼い主を…
 
 これ以上悲しませないように、あんなに急いで逝ってしまったのかもしれません。

 
 もっと、嫌になるほど苦労をかけてくれたらよかったのに…本当にそう思います。

 今はとんでもなく悲しいですが、それが同時に嬉しくもあります。カナイがそれだけ私にとって素晴らしい存在だったという証なのですから。

 
 だから、今だけは悲しみ、カナイの存在の大きさを噛みしめていたいと思います。

 
 でもやはり、とんでもなく辛いです。

 一つだけ、後悔していないこともあります。

 毎朝、仕事に出かける前に、必ず見送ってくれるカナイを抱きしめ、『今日も元気でね』と欠かさず言ってきました。

 
 カナイはいつも嬉しそうでした。

 
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 カナイ、逢いたいよ。

 『名前だから仕方ない』と思ってたけど、今日だけは。生きてる間にしてあげられなくてごめんね。

 大切なカナイ。ずっと君を忘れない。
 
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カナイパパ