口髭の男はバギニの襟を掴むと、そのまま腕力だけで体重80キロはあるバギニの身体を軽々と持ち上げた。

バギニの足は宙に浮いている状態だ。

「・・・おい、車の中にパメラがいるんだぞ。娘の前で俺を殺すのか?」

バギニは必死に抗うように足をバタバタさせながら言った。

「関係ない」

口髭の男は地響きのような低い声で唸るように言った。

口髭の男はバギニの首に拳を叩き込んだ。

「ガバァァ!」

バギニの喉は完全に潰れていた。

もうまともに声を出すこともできなかった。

「お前は簡単には殺さないぞ。今までの罪を償ってから死んでいけ!」

そう言って口髭の男はバギニを前方へ放り投げた。

と、同時に素早く走り出したかと思うと、地面に落下した直後のバギニの顔面を蹴りあげた。

バギニの口から血しぶきと共に、数本の歯が飛び散った。

それでも、口髭の男は攻撃をやめようとはしなかった。

倒れているバギニの足首を力いっぱい踏みつけて足首の骨を粉砕した。

同様に手首も踏み抜いて骨を砕いた。

もはや、バギニは糸の切れたマリオネットのようになっていた。

口髭の男はダラリと倒れているバギニの顔を両手で掴み、静かにこう言った。

「お前がしてきたことに比べればまだまだ攻めたりないが、残念だ。お別れの時間がきたようだ・・・」

口髭の男は顎を支えていた両手をバギニの口に移動させた。

そして、徐々に力を加え始めた。

バギニの口が徐々に広がっていく。

バギニの視力はしっかりてしていた。

目の前の化け物が鬼の形相で自分を見ていた。

バギニは恐怖で失禁した。

その直後、ミシミシと音を立てて、バギニの口が裂け始めた。

口髭の男は一気に力を加え、バギニの口を引き裂いた。

血しぶきが飛び散り、意識が途切れた。

全ては闇に包まれていった。