東京・千代田区の法政大学で開かれた就職説明会には、来月に卒業を控え、まだ就職先が決まっていない大学4年生などおよそ300人が参加しました。会場にブースを設けたのは民間企業ではなく、国際協力や環境、福祉などの分野で活動するNPOやNGOなど24の団体です。
慢性的な人材不足を解消するため、この春卒業する大学生にも進路の選択肢にしてもらうのがねらいで、会場ではNPOの活動内容のほか、給料など待遇面を相談するコーナーも設けられました。参加した学生のなかにはNPOなどの活動にあまり興味を持ったことがなかったという人もいましたが、説明を聞いて就職先の1つとして考えたいという声も聞かれました。
学生の1人は「これまで水産食品会社や公務員など30社ほど受けましたが、まだ内定はありません。就職できなければ留年も考えていますが、何とか卒業までに決めたいと考えているので、説明会で興味を持ったNPOにも応募してみようと思います」と話していました。
説明会を主催したNPOを支援する活動をしている「NPOサポートセンター」の小堀悠さんは、「NPOは民間企業より給料が低いところもありますが、人のために働けるとか役に立つということを実感できる職場です。仕事は大変なこともありますが、NPOを引っ張っていく熱意のある人にぜひ来てもらいたいと思います」と話していました。
このように、不景気→就職率の低下→一般企業への就職は難しい→NPOに就職!という流れもあるようですが、大きな傾向としては“自分のやりがい”を求めてNPOを就職先として希望する人も増えている傾向にあるようです。
それはきっと、日本がまがりなりにも(トップではなく経済大国第二位という)豊かな生活水準を得たからだと思っています。もっとも、昨年には中国にその座を譲りましたが、欲しいモノは何でも手に入る太平の世では出世欲よりもやりがいを求める――ある意味自然な流れとも見えなくありません。
梅田