九段会館内覧会
中の様子はオープン後までお待ち下さい。

昭和9年に竣工した軍人会館

戦後、GHQに接収され米軍宿舎
アーミーホールとなり返還後、
昭和32年より
九段会館として長く親しまれました。

平成23年3月11日、11年前
の東日本大震災で免震構造の区役所庁舎
大きく水平に揺れたのを覚えています。
斜向かいの、
九段会館は式典中に天井崩落事故が発生
し犠牲者が出てしまいました。
その後、閉館
しばらく廃業状態で解体の可能性もあり
ましたが、帝冠様式(和洋折衷建築)の
外壁を残した建て替えが決まり、現在は
一部内装工事が残るのみで、間もなく
完成するところです。

新九段会館内部は
軍人会館当時の資料を元に復元された
照明、壁といった箇所もあり、上手く
新旧融合されていると感じました。

それでも寂しさは否めません。

なぜでしょうか?

屋上の昭和天皇行幸記念碑は以前より

立派に設置されていて安心しましたが、

軍人会館護国神社のお社は

保存価値はないとの判断で処分されたと

聞き衝撃を受けました。


歴史の継承が無ければ無機質な

新しい建築物でしかありません。


お社には価値はなくても帝国陸海軍の

戦勝祈願、戦没者への追悼をしてきた

先人の思いを大切にするべきです。

今からでも、軍人会館護国神社を

新たに建てお祀りできないでしょうか。


このように、

物質より精神を重んじる日本人の民族性が

失われて久しく、三島由紀夫が50数年前に

語った果たしえていない約束の

一節を思いだしました。


無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、

或る経済的大国が極東の一角に残る

のであらう。

それでもいいと思つてゐる人たちと、

私は口をきく気にもなれなくなつて

ゐるのである。


それでも、

素晴らしい建築には変わりありません。

だからこそ残念な要素が際立って

しまうのです。

新九段会館の完成が地域の発展に

つながることを期待しています。