台湾のこと③ 原住民の言語 | ひょっこりひょう「たいわん」島/(台湾ブログ)

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台湾のこと③ 原住民の言語


「台湾のこと」これで3回目です。前回は台湾の考古学の話をしましたが 今回は原住民の言語についてです。単純に今台湾で話されている言葉 台湾語、北京語、客家語、各原住民の言語とあり 細々と確実に近い未来に消滅することが確定している日本語を話される日本語族とこの島の言語環境は多彩であります。そのにうち北京語、客家語、台湾語は大陸からの渡ってきた言語といえますが、わずか半世紀の歴史しかない台湾の北京語でさえ 教科書的記述ではなく日常会話ということであれば 台湾華語と言われるように 大陸の発音や台湾に先に入った日本製漢語の影響で全く同じものではなく それより先に台湾に入った客家語もまた このことに関しては門外漢ですが違いがあるようです。

 台湾語を?罨南語と表現する場合があるが多くありますが 正しくは同じではなく 語彙や発音、イントネーションに隔たりがあり これのことは平埔族の母語からの影響とされています。さらに日本語からの流入語なども多く ?罨南語の方言といいながら7割方通じるいう関係で 台湾語という地位を与えられても不自然ではないといえます。日本語からの近代の流入語を除いて考えても 台湾語に?罨南語との相違を与えた平埔族、所謂台湾の原住民と言われる人々は一体どのような民族でどのような言語をもつ人だったのでしょうか。 

 17世紀になりオランダ人が最初の台湾島の西海岸の部分的統治者となり 大陸からの台湾島西海岸への移民が始まる前がら この島全体に空白なく既に人が暮らしておりました。北海岸から西部から南海岸までに住んでいた平埔族及び現在の台湾原住民といわれる一群は かつてはマレー・ポリネシア語族と呼んでおりましたが 今日的にはオーストロネシア語族に属している民族です。(台湾島の属島である蘭嶼に住むタオ族(ヤミ族)をのみ マレー・ポリネシア語派に加えられる) 人種的には典型的なマレー系で かつてはフィリピンなどから台湾島に移り住んだ人達とされていたが 言語学的にはオーストロネシア語族のもっとも古い祖形から ピーター・ベルウッド(Peter Bellwood)氏の 6000年前よりフィリピン、インドネシア・マレー、ポリネシア、ニュージーランドへ短期間に拡散して行ったという説が有力となっています。一度フィリピンに移動した人たちが火山の爆発で台湾に舞い戻ってきた可能性も ピュマ族の神話などからあり 交易は一貫してあったのでしょう。

 台湾原住民と西はマダガスカル島から東はイースター島まで、北はハワイから南はニュージーランドまで世界最大の面積に分布するオーストロネシア語族との深いつながりがあることは台湾にとって 今日的にもたいへん重要なことであります。 また6000年前の拡散の原因に縄文人の南下なども絡んでいるとの説もあり 日本人的にも夢のある話です。 日本語も オーストロネシア語族が日本祖語を形成した言語のひとつだったとする説があるように 大陸からの人の移動と島国の言語形成が 同じような条件の台湾島で 台湾語が形成されたその痕跡など これから考古学的、言語学的に研究が進むことを望みたいところです。

 しかし学問的な話で終わらない この世界にはこの話を自国の覇権主義に利用したい国があることを余談ですがお話します。その国の名は中華人民共和国。6000年前の台湾からのオーストロネシア語族の拡散の話を もともと台湾の山地同胞高山族はもともと華南地方から台湾に移動したのだと大喜びです。一体大陸のどこに高山族が住んでいるか不明で これらが台湾の高山族となんのかかわりがあるのかわかりませんが しっかり中華人民共和国の少数民族の数に数えられ 数千人ほど中華人民共和国に台湾とは別の高山族が 住んでいると国のHPに載っているは 歴史的に台湾の東海岸の統治は清朝時代にもなく 正当性確保の為の捏造に余念がないということでしょうか、合わせて彼らの太平洋進出という野望が見え隠れします。

さて次回は原住民の系統と名称について書いてみることにします。

以上
2008/6/15(日) 投稿

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