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新荘神社の遺構(新北市) 4日目<1>


「新荘」は台北市の衛星都市にあたり現在は「新北市の新荘区」で人口は40万人、台北県が直轄都市の新北市になるまでは「新荘市」という歴史のある行政単位。軽工業も発達していて顧客もあったので 台湾駐在時代は足を踏み入れたことも多かった。しかし中心の市街地を歩くことがなかったので 新交通システムのMRTも通じて行きやすいので行って見ることに。新荘線の新荘下車 駅前にあるであろう地図を探して行き先と歩く大体のルートを決める。

台北の発達の歴史は 淡水河の水運を利用した川沿いの港から発達し 淡水河の土砂の堆積で上流から下流に港が移動していく発展の過程を経るわけだが 新荘は上流側の古くから発達した街となる。そんなことから廟、宮が多くあり まず1番有名な「新莊地藏庵」を目指すことに。中正路を進み地藏庵の参道に着くと 台座に「新荘保甲民一同」と刻まれた古い唐獅子が二対 参道には日式灯籠が数多く並んでいた。地藏庵は地藏王菩薩と文武大眾爺を祀った廟で創建年代も古く 台湾人の信仰の対象なので ここまで多くの日式灯籠が奉納されているのは不自然と思いながら 一基づつ奉納日や奉納者の名を確認しながら撮影していると 通りすがりの老婦人が「日本時代の神社のもの」との独り言をいいながら過ぎ去って行った。地藏庵は歴史も古いので神社跡に建てられたものではないのでどういう意味かわからなかったが wikipediaで調べてみると【地藏庵旁就是新莊神社舊址,現已變成商家用地。地藏庵內迄今仍保有許多神社文物,並開放參觀。】とあり新荘神社は地藏庵近くにあって 取り壊されたのち神社にあった この日式灯籠群をここに移設したということが分かる。台湾初日の士林の士林慈諴宮にも日式灯籠があり また龍山寺にも日式灯籠が不自然に設置される例があるのだが 台湾の宮や廟にある日式灯籠は 神社の遺物を戦後吸収する受け皿になっている可能性が他にもあるのだろう。

以上
2012/8/31(金)投稿

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