田中好子さんの遺言 | ひょっこりひょう「たいわん」島/(台湾ブログ)

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田中好子さんの遺言


こんにちは、田中好子です。
きょうは3月29日、東日本大震災から2週間経ちました。
被災された皆様のことを思うと心が破裂するような、破裂するように痛み、ただただ、亡くなられた方々のご冥福をお祈りするばかりです。
私も一生懸命病気と闘ってきましたが、もしかすると負けてしまうかもしれません。
でもその時は必ず天国で被災された方のお役に立ちたいと思います。
それが私のつとめと思っています。
今日お集まりいただいたみなさまにお礼を伝えたくて、このテープを託します。
キャンディーズでデビューして以来、本当に長い間お世話になりました。
幸せな、幸せな人生でした。心の底から感謝しています。
特に蘭さん、美樹さんありがとう。2人が大好きでした。
映画にもっと出たかった。テレビでもっと演じたかった。
もっともっと女優を続けたかった。
お礼の言葉をいつまでもいつまでもみなさまに伝えたいのですが、息苦しくなってきました。
いつの日か、妹・夏目雅子のように、支えて下さった皆様に、社会に、少しでも恩返しできるように復活したいと思っています。
かずさんよろしくね。その日までさようなら。


女優の田中好子さんが亡くなられて遺言が肉声で発表されました。
田中さんはわたしより少し年上ですが やはり少しはやくなくなられた気がいたします 私も人生の半ばを確実に過ぎて いつお迎えが来ても不思議ではない年齢になり 田中さんの遺言で考えさせられました。
田中さんがどのような宗教でどのような宗教観をお持ちだったかは私の知るところではありませんが 浄土真宗の白骨の章のラストの『されば人間のはかなきことは老少不定のさかひなれば、たれの人もはやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏をふかくたのみまゐらせて、念仏申すべきものなり。あなかしこ、あなかしこ。』の部分の後生の大事と同じ意味合いを 田中さんの遺言に感じたのでした。
私は浄土真宗の信者ではあるのですが 家がただそうなだけでの信者。信仰心は無宗教で生きるなんてのもつまらないといった程度かもしれません。それですから浄土真宗に限らず宗教の哲学的思索部分を解きほぐそうなどとは考えたこともなく 田中さん遺言に感じたものは 何の論理に基づくものではないものとここで断っておきます。 
田中さんの遺言は 実に日本人には多く感じるところがあったのではないかと思うのです。 私はこの遺書は日本的、そして日本的部分は日本人の大半が受け入れた浄土教的成仏観、生死観としてそこに現われているのではないかと。
「後生の大事を心にかける」とは 特によい説明をなされた書物など知らないので引用できないのですが 成仏後の世界で大切なこと 仏になって何を成すかを 今生で考えることだと私は考えるのです。
それは田中さんの遺書の「死後の恩返し」という部分に現われていて また親鸞聖人の宗教的確信部分である 衆生救済のために再度この世に帰るという「衆生救済のために再度この世に帰る」という『二種回向』の宗教観がみごとに この短い遺書に中にある「復活したい」という言葉に出ているような気がしたのです。
いずれにせよ 日本人女性で今生を大切に生きた人だからこんな言葉を残せたのでしょう。

以上
2011/4/27(水) 投稿