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中国 厦門 租界地跡に残る外国人住居
日本人のものづくりの本質はどこにあるのだろうか?
永遠に安価な労働力を提供し続けるであろう中国の工業化により日本の製造業は壊滅するのではないかという不安に起因して自己を見失う過ちを犯さないために 自らの築いた地位が何によって得たものか明確に知る必要がある。
ラフカディオ・ハーンの「心」から
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ロンドンタイムズの一通信員はこう書いている「・・労働者の賃金が一週間3シリング、その他の生活費も、すべての割合でいっている国なら、どこの国だって すべての費用が、日本の四倍にあたる競争国をほろぼすことは。必定である」云々・・・・
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ここに出てくる日本を中国にして ロンドンを東京にかえ 通貨を円にかえればこれが100年以上も前に書かれたものだとわかる人間はいないだろう。
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「もしシナが西洋の工業法を採用したら、きっと世界市場で日本の製品を駆逐するでしょうね」と・・・私(ハーン)は答えてやった。「それはね、廉価品は、あるいはそういうこともあるかもしれないね。しかし、日本が品物の安いことのみに頼るなんて、そんな理由はどこにもないじゃないか。わたしなんかの考えでは、日本という国は、むしろ、技術と趣味のすぐれている点、これを足がかりにした方が無難だと思うね。一国国民の技術的天稟というものは、安い労働力にたよった競争なんか足元にも寄り付けない、特殊な値打をもっているものだからね・・・・・」
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日本に遅れること100年ようやく中国が日本の後塵を歩みだしたのであろうか?否である。
中国に進むこと100年の差が生まれたこと そのことが「一国国民の技術的天稟というものは、安い労働力にたよった競争なんか足元にも寄り付けない、特殊な値打をもっている」というラフカディオ・ハーンの予言が当たっていた証明である。この見えぬ特別な価値を生み出したものこそ大和心なのだ。
以上
2006/3/20(月) 投稿