農業ってのは、自営業であり、本来は生産からマーケティングまでトータルに仕事をしなければなりません。しかし、農協という極めて便利な組織が生産以外の仕事を代行してくれたために、農家は生産以外のことに知恵を絞ることを怠ってきたように思います。

 

生産以外の部分に対するノウハウで農業を活性化させていくことで、農業のあらゆる課題(高齢化や農業離れ)を解決することにつながっていくかもしれません。モスバーガーの「ライスバーガー」、マンナンライフの「こんにゃく畑」などは、なんの欲求もなかったところから、新たな欲求を生み出し、新市場をつくりました。なぜいままで、ライスバーガーやこんにゃくゼリーに対する欲求がなかったかと言えば、ごはんでハンバーガーをつくったり、こんにゃく芋でゼリーをつくったりする発想がただなかっただけの話なのです。

 

 

「ごはんでハンバーガーを作ってみたりして、こんにゃく芋でゼリーを作ってみたりして…」「それらに実は、こんな便益があったりして…」と啓蒙することこそが、新商品に対する欲求を持ってもらうための「新しい当たり前」を根付かせることにつながっていきます。

 

こんなマーケティング視点がどんどん農業に入り込んでいくと、オモシロい化学反応が起きそうな気がしています。