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のちに零戦となる12試艦戦は、過大な計画性能要求を満たすためには、重量をいかに軽減するかが設計における最重要事項となった。軽量化を図るといっても、強度が不足したのではなんにもならない。強度を犠牲にしないで軽量化に取り組むことになった。
96式艦戦で超ジェラルミンを使っていたが、これをそのまま使うと機体が大きいだけに重くなる。幸運だっをのは、超ジュラルミンを開発した住友軽金属工業が、さらに強力な新軽合金の「超々ジェラルミン」を完成していたことである。
超ジュラルミンが1平方ミリメートル当たり45キログラムまでの張カに耐えられるのに対し、超々ジュラルミ、ンは1平方ミリメートル60キログラムまで耐えられるという画期的な強度をもつものだった。

主翼桁には超々ジュラルミンの押出型材を使い、軽くて強度のある翼をつくり上げることができた。
この思想はすべてにわたって貫かれた。エンジンも例外ではなかった。「金星」と「瑞星」のどちらにするかと迫られたとき、堀越技師は金星は瑞星ょりも直径で10ミリ、重量で34キログラム重いことから、本意ではなかったようだが、瑞星を使うことにした。
プロべラも同じである。海軍から定回転プロぺラを使うように指示を受けていたので、そのとおりにした。
しかし、これも軽量化の観点から、2枚羽根にした。2枚羽根と3枚羽根では、2枚羽根のほうが37. 5キログラム軽いからである。
12試艦戦のテスト删行がはじまると、振動がひどく、そのままでは飛行機の実用化が困難かと思われるほどだった。2枚羽根のプロペラの振動が機体の振動と共鳴するためではないかとみて、3枚羽根のプロぺラと取り換えて試験飛行をしてみた。まったく振動がなくなったわけではないが、実用に適するまでに振動はおさまり、3枚羽根の採用が決まった。
これによって、約40キログラムの重量増加になったものの、正規満載状態での重量は2331キログラムにおさまった。性能試験の結果も、操縦性、安定性に大きな欠点はなかった。

最高速度は計算値を上回る264ノット〔490キロ メ-トル)と、96艦戦より50キロメートルもスピードが出たことで、海軍は実用化に自信をもった。振動さえ起こらなければ、零戦のプロぺラは2枚羽根となるところだつたのだ。プロペラとプロぺラシャフトとの角度をピッチと呼ぶ。初期の飛行機ではこの角度は動かせない「固定ピッチ」プロペラだった。模型飛行機のプロペラを連想すればよい。
プロペラには主に2つの役割がある。重力に対して重い機体を飛び上がらせる揚力をつくること。飛び上がった飛行機を前に進ませるための推力をつくることである。

現代の自動車よりも少し速いくらいのスピ—ドで空を飛んでいるときは、固定ピッチプロペラでも揚力と推力が最大になる角度にしておけばよかった。しかし、スピ—ドを上げようとすると、固定ピッチプロペラでは対応できなくなる。というのも、遅いスピードのときは推力は小さくとも、揚力が大きければ空を飛べる。逆に、スピードが速くなると揚力より推力のほうがより必要とされるからだ。このため、プロペラのピッチの角度を変えて、飛行状況に応じた最高の効率を引き出せるように、プロぺラのピッチの角度を飛行中に選べるようにしたのが「可変ピッチプロペラ」である。離陸や上昇などの低速時には、揚力が十分になるようこ
ピツチは低く、巡行時には推力を引き出すためにピツチは高く、それぞれの状況に応じてフロべラの効率を引き出せるようにしたのである。
ピッチを変えれば、抵抗が変わってエンジンの回転数も変わる。そこでエンジンに調速機(ガバナー)をつけ、エンジンを一定回転数で運転しながら、飛行状況に適したピッチに自動的に変える「定回転プロペラ」が登場した。
零戦には、海軍の要請で日本ではじめて定回転プロペラが使われた。プロペラは終戦まで日本独自のものはできず、アメリ力.ハミルトン社の製造権を買って住友がつくった、住友—ハミルトンの定回転プロペラが採用された。零戦の3枚羽根プロぺラの回転直径は、11型、ニー 型までは2900ミリ、三ニ型以降3090ミリと、少し大きくなっている。試作で終わった六四型はさらに大きく、3150ミリだった。

零戦と同じ堀越技師がてがけた「雷電」は、局地戦闘機として三菱念願の自社開発エンジンの「火星」を積み、離昇出力で1800馬力を誇った。局地戦闘機であるだけに、雷電ー一型は6000 メ^--^ルまで5分38秒と、零戦五ニ型よりも約1分半も上昇力は優れていた。ちなみに、B-29が飛来するときの高度1万メートルまでは、19分30秒で、実用上昇限度は1万1700 メ —トルである。雷電のプロペラは、住友がドイツのVD社の製造権を買った4枚羽根定回転プロペラである。回転直径は3300ミリで、零戦三ニ型よりも210ミリも長かつた。