機体の張り合わせに、ネジの頭がとびださないリベット(沈頭鋲)をはじめて使ったのが、96式艦戦である。
初期の飛行機は、胴体や羽根を覆う材料も布であったから、外観上は表面がすっきりしていた。突起物もないので、風の抵抗は少なかった。
飛行機も高速機時代になると、羽布張りの飛行機では、翼に「フラッター現象」が起こり、激しい振動により空中分解してしまう。それには機体を金属性にすればよいが、金属にできなかったのは、軽くて強度のある金属材料がなかったから。
そこにジェラルミンより強度があって軽い材料である超ジェラルミンが開発された。
機体を全金属製にするにあたって、やっかいだったのはリベット。羽根や胴体の張り合わせにはリベットを使わなくてはならない。
リベットの頭が飛行機の表面に出るようになれば、空気力学上からは抵抗が増えるようになる。そこでリベットの頭が機体の外板から出ないように埋め込んでしまおうと考えたのが沈頭鋲である。
96式艦戦に使われた沈頭鋲が予想外に好評だったため、零戦でも採用されたのである。