美容皮膚科に吹く風、美容皮膚科の真髄 (4)
美容皮膚科に吹く風は、追い風?向かい風?
2007年夏に開催された美容皮膚科学会は素晴らしいロケーションもあり成功裏に終了しました。会頭、事務局長を始め大学の先生方の尽力の賜物であり、心から成功を喜びするとともに御礼を申し上げたいです。本学会の会員数も近くには2000名を超えそうで、日本皮膚科学会の連携学会の中では、日本臨床皮膚科医会に次ぐ規模となりました(2023年8月現在 3000名以上 https://www.aesthet-derm.org/hihuka.htmlから)
では、大きい事は良いことかと自問すると、追い風?向かい風?北風?南風?と様々で、突風や乱気流に巻き込まれないように、慎重の上にも慎重を重ねなければならない時期に至っています。
学会が大きくなると必然的に運営上の財政問題が生じます。運営資金を得るために苦労するのは何処の学会も同じですが、資金を得るためにエビデンスレベルの低いスポンサーのセミナーを設定するとすれば、美容皮膚科学とは何かと言う基本的な命題に突き当たります。方向を間違えると自ら美容皮膚科と言う学問を放棄することとなり、単なるメーカーの宣伝媒体に成り下がってしまいます。歴代の会頭が頭を痛めてきた点であります。参加費を高くしたり、質素な運営を試みたり、知恵を絞って賢い対応を行う必要があります。近い将来、従来の開催校・病院のみに負担を求めるのではなく、学会手動の運営に切り替えざるを得ないのではないでしょうか
2007年12月25日 日本美容皮膚科学会雑誌編集長 古川福実
同17(4):324