東京の成育医療センターからの報告です。
7−13ヶ月の650名の患児にしてステロイド外用を積極的に用いると食物アレルギーの発症を少なくすることができるという論文が出ました。
アメリカの学会(American Academy of Allergy, Asthma, and Immunology)の機関紙( The Journal of Allergy and Clinical Immunology JACI ジャッキー)に発表されました。大変レベルの高い雑誌です。サマリーがわかりやすい図にされているところも素晴らしいです。コントロールはヘパリン用物質の外用で、積極的治療を受けた方は、ヘパリン用物質の外用にプラスアルメタ軟膏(顔面)とリンデロンV軟膏(顔面以外ほぼ全身)です。すると食物アレルギーの発症が41.9%から31.4%に減ったそうです。食物アレルギー予防のためには乳児期の発症早期からしっかり湿疹を治療し、経皮感作のリスクを低下させることが重要との意見です。
30−40年前の小児科と皮膚科の治療をめぐる対立を知っているものとしては隔世の感がします。
出典
Enhanced early skin treatment for atopic dermatitis in infants reduces food allergy. Interventions,. JACI 2023 Mar 22; pii: S0091-6749(23)00331-7.
