自己とは何か 「標準免疫学」宮坂昌之監修 小安重夫、椛島健治編集 第4版を読んで
宮坂先生のFBに触発されて購入いたしました。椛島先生が編集執筆されていたのんで、第3章を読みました。
1980年代前半に大学院で SLEをテーマに自己免疫性疾患を勉強したものにとっては目から鱗の大変優れた成書です。当時は、ひたすら獲得免疫の点から自己免疫とは何かと?研究していました。しかし、研究も進み自然免疫の機序も明らかになった、現在では、自然免疫と獲得面期からの自己・非自己識別の機序を十分に理解できるようになりました。現代免疫の最新情報と非自己最前線が皮膚という、私には至極ごもっともな切り口で解説を展開されています。
一読の価値ありです。この本は学生向けとのことですが、これもびっくり。学生にはとても難しいかも(いやいや今の医学部生にとっては標準?)。
さらに、人間の免疫系が進化すれば、ヒトは食物アレルギーや花粉症やアトピー性皮膚炎も発症しない遺伝システムを獲得するのでしょう。しかし、新たな予期せぬ好ましからぬ免疫系の異常状態が出てくるかもしれません。
目次の一部
第3章 免疫システムは自己と非自己をどのように見分け,非自己に対する反応を誘導するか 椛島健治担当
A 自然免疫系の自己・非自己識別
B 獲得免疫系の自己・非自己識別
C 自己免疫反応を制御する免疫寛容システム
D 非自己である異物に対する生体応答
目次の一部
第3章 免疫システムは自己と非自己をどのように見分け,非自己に対する反応を誘導するか 椛島健治担当
A 自然免疫系の自己・非自己識別
B 獲得免疫系の自己・非自己識別
C 自己免疫反応を制御する免疫寛容システム
D 非自己である異物に対する生体応答