こないだとあるマネ会で思った事を書きます。

週報に書こうと思いましたが、あまりに長いのでブログにしました。

 

それは「経営者目線」とは何か?という事です。

CC:Dougie Nisbet

私自身がAJAを経営していて、かつ、これまで何人かの経営者に仕えて
来ましたが、経営者は事業を大体「足元」「次の一手」「遠い未来」
で考えています。

「足元」は現在です。主要指標の推移が重要です。


「次の一手」は次の業績ドライバーです。仕込みの順調具合、
見立てのリアリティが重要です。


「遠い未来」は最終型です。このマーケットで勝てた場合、
組織や事業や業績がどんな姿になっているかを考えます。

 

その時にアッパーが見えてしまっているなら「大きな次」を

考えないといけません。

見落としている大きな機会も逃すわけにはいきません。


これらを行ったり来たりしながら経営資源の振り分けや、
意思決定を行います。

 

なので、そもそも「1個上の目線で考える」とか、「経営者目線で考える」

場合にはこの「足元」「次の一手」「遠い未来」の箱に入っている

中身があなたと同じなのか、という事がすごく重要です。

 

そして、足元が順調ならば、次の一手を、次の一手も大丈夫そうであれば

遠い未来を考えたくなります。

 

なので、足元が概ね順調なのに、細かくいろいろ報告したり、

逆に足元が崩れているのに未来の議論、というのはナンセンスです。

 

重要なのは、把握は俯瞰から具体が便利なのですが、

事業としての粒度は具体から俯瞰に行く、という事です。

 

そういう感じで思考をトレースしてみると、

先回りしていろいろ用意できると思います。

 

よろしくどうぞ。

Factか、Dataか、という話。

 

私が見ている組織では、必ず価値観を定義しています。

この価値観が何に使われるるかというと、採用基準だったり、

制度だったり、もちろん、事業の意思決定に使います。

 

これはそんなに難しいものではなくて、

「こういう事を大事にして業績を伸ばしていきたいよね」

「こういうふうな人と働きたいよね」

というリストです。最近は大体3つにまとまってます。

 

今、複数組織をマネジメントしていますが、全ての組織に存在しています。

で、そのうちのひとつに「Fact Driven」という項目があります。

 

データドリブンのほうが一般的なのですが、なぜあえてFactDrivenなのか、

という事を書きます。

 

回答はシンプルで、

データ化されていないファクトも存在しているから

という事になります。

 

例えば自分の担当サービスに新しい機能を入れたとしましょう。

 

ユニークユーザー、リピート率、利用率、etcetc。

それらが見えるという事は素晴らしい事です。素晴らしい分析ができるでしょう。

 

しかしながら一方で、「利用者が思わず顔をしかめた」「耐えきれず舌打ちした」

みたいな情報はデータ化されていません。

 

でもこれは厳然たるファクトで、おそらく重要な事です。

 

そういう情報も、結局総合して特定指標に収斂されるという話も通用するでしょう。

それでも、紛れはあるのです。

 

例えば、一定確率で存在するインタースティシャル広告。

通らないとコンテンツが見れないのですから、離脱率にはそれほど影響を与えないはず。

 

でも、データに現れないファクトとして、おそらく舌打ちなどを生んでいるのです。

それは長期的に、離脱率ではなく、そもそもの訪問率を押し下げる要因にも

なるでしょう。

 

データを通じてファクトの一部は理解できます。

でも、必ずデータ化されていないファクトが存在するので、

我々の価値観の説明文では「観察も重視しろ」という事が書いてあります。

 

観察は、時としてデータ化されていないファクトを炙り出すからです。

ですので、我々が重視しているのは 「Fact」 Driven なのです。

 

ただ、ここは重要なところなのですが、私自身はデータ分析がすごい好きです。

暇さえあればなんらかのデータを出してみるくらいに。

 

重要なのは、データを眺めてるだけで「全部分かっている」とは言えませんよ、

という事です。

 

 

先日対談させていただいたMomentumさんとの対談記事が公開されたようです。

 

AJA×Momentumが語る、 広告主とメディアが行うべきアドベリフィケーション問題への対策とは

https://markezine.jp/article/detail/28544

 

アドベリフィケーションについての提案となっていて、簡単に私が話した事は以下です。

 

1)そもそもアドベリ問題の一番の当事者はメディアをリクルーティングしているSSPだと思う。

 

2)広告主は、DSPを利用するにしても、どういったポリシーのSSPと接続しているのか

 確認をするべき。

 

3)その上で、アダルトコンテンツや違法コンテンツは論外として、

 例えば事故の報道記事など、好ましく無いかもしれないが、

 社会的な意義のあるコンテンツもある。

 また、ユーザー投稿型のメディアにおける表現をどうするのか、といった問題もある。

 

 ここについては一律SSPにリクルーティングポリシーを引かせるのはおそらく難ししい。

 (広告主によって扱いが異なるため)

 なので、SSPは吟味するとして、自社のポリシーを定め、

 そのポリシーにしたがったbid前のブロックが可能になるようなサードパーティツールを

 使うのが良いと思う。

 

という内容です。

 

結局、SSPがポリシーを持っていれば結構な割合のアドベリ問題は解決すると思っていて、

一番言いたかったのはそこです。

 

で、2が意外と今だと公開しているDSPさんが少ないんじゃないかと思っていて、

これができるとかなり広告主にとっては安心できる環境になると思います。

 

アドベリの基点が広告主だったので、どうしてもDSPにどうbid前に判断させるかという議論が

多いように感じていたのですが、実際問題、サプライサイドの責任も非常に大きいのです。

 

たまたま僕らのインベントリについて「だし」にして記事にしてもらったのですが、

業界の健全化はサプライとデマンドが協力して進められると良いなと思います。