今年度のMDHのエンジニア組織の重点ポイントのひとつに

「ディレクターまたはプロダクトマネージャー」の強化があります。

 

なぜかと言うと、ここの優秀さがダイレクトにプロダクト開発の速度と品質に

関わるからです。

 

立ち上げて2年たった内製プロダクトはコンポーネントが増え、

売上が増え、ラインが増えた今、誰かひとりで全てをコントロールできなく

なってきているのでこの部分の強化が必須だと感じています。

 

すなわち、良いディレクター、良いプロダクトマネージャーを職務として

定義して、配置する事です。

 

この事がエンジニアの働きやすさも劇的に向上させる、

というのが私の持論です。

 

私が良いディレクターと考えるのは非常に明確なポイントがあります。

 

1)エンジニアや事業責任者と壁打ちができる。

 

 ディレクターの主要な業務のひとつに、品質と納期と負債と成果の

 バランシングがあります。技術的負債を残すがスピードを優先しようとか、

 若干の遅れで劇的に品質が上がるからそれをとろう、などです。

 

 これを適切にやるには、ディレクターが壁打ち役になれる必要があります。

 

 この仕様だと難しいとの事だけどここを捨てる事によって劇的に開発しやすくなる。

 その上で残った部分はビジネス部門のオペレーション的負債として転嫁しよう。

 みたいな感じです。

 

 これは、そもそも仕様の策定ができて、既存の仕様を理解していて、

 なおかつ担当ドメイン知識が無いとできません。

 

 しかし、これができるとエンジニアや事業責任者と会話しながら様々な可能性を提示

 できるので、品質と納期と負債と成果のバランシングの選択肢が劇的に増えます。

 

 これが結局「無理な開発」を減らすのでスピードと品質を上げる事になります。

 

2)自分でデータ分析や観察をして、自分でサービスを伸ばす方法を立案できる。

 

 ここも重要なポイントで、ディレクターは「手を抜こうと思えばいくらでも抜ける」

 ポジションです。ルーズボールに気づかないフリができる。

 

 そして、それはディレクターの責任にならない。

 

 やった感を出すのも簡単です。ルールを守ったスケジュール管理。

 ルールを守った提出物。期限通りに「一見それらしいもの」を出して、

 指摘されたら直すことも簡単にできてしまいます。

 

 しかしながら、結局それは最終的な成果に跳ね返ってきてしまいます。

 スピードが遅れ、任せても安心できないから全員でルーズボールを処理する。

 手戻りが沢山発生する。

 

 それをなくすには、「自分が考えるにはこのサービスはこう伸ばすべきだ」という

 仮説を立てさせ、そしてそれを形にさせ、さらにその効果を自分で分析させる

 事を通じて当事者意識を育てるしかありません。

 

 その為、ユーザー観察やデータ分析のスキルは必須だと思っています。

 

3)マネジメントスキル、深いドメイン知識、エンジニアとしての開発経験の

 どれかを持っている。

 

 ディレクションは非常にマネジメントスキルの問われる仕事です。

 ですので、基本的には元マネージャーがかなり向いていると個人的には思っています。

 チームの様々な事情を鑑みながら最終成果を出していく経験は、

 当事者意識という意味でも申し分ありません。

 

 深いドメイン知識とエンジニアとしての開発経験は、どちらも壁打ちをする時の

 強みになります。強みがあればあとは無い引き出しも増やしていけば、

 かなり選択肢が持てるディレクターになれると思います。

 

というわけで、今年は組織開発におけるディレクターの重要性が

MDH内で認知され、評価されていくように頑張ろうと思います。