『スーパーボス』を読了しました。
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この本は、自身の業績が並外れているだけでなく、
その職場で働いた人も同業界で次々に成功しているという脅威の上司を
「スーパーボス」と名付け、彼彼女らを研究した本です。
業界は多岐に渡っていて、ジャズミュージシャンのマイケルデイビスから、
NFLコーチのビルウォルシュ、そしてIT業界からラリーエリソンといった
面々を含めた実に19人が対象になっています。
この人達のすごいところは、自分の部署の業績がすごいってだけでなく、
薫陶を受けた部下たちが業界内で一流になり、一大勢力を築いている事です。
■スーパーボスのチーム創りから何が学べるのか?
沢山あります。
・何よりも自分自身がハードにコミットし、周りにエネルギーを与える事
・部下と個人的な信頼関係を築く事
・業務に精通していて、「マイクロマネジメントしながら権限委譲する」
という離れ業ができる
・極度に高いプレッシャーを与えるが、同時に部下の行き詰まりは
必ずカバーし、成功に導く
ビジョナリーであるとか、魅力的な人物であるとかそういうところも
あるにはあるのですが、ハードにコミットしながら人間的な関係を築いたり
マイクロに部下の業務を観察しながら大胆に権限委譲したり、
プレッシャーがすごいが、カバーするアイディアもタイミングで一流で
あったりと、心臓が上下するような振れ幅が魅力なのではないかと思います。
ここに至って、かつてスーパーボスのチームに所属した複数のメンバーが
「カルトのようだった」と表現しているのが面白いです。
この「カルト感」。語り草になるチームは必ずといっていいほど周りから
そういうふうに評されているように感じます。
「あいつら異常だよ。頭おかしい」
そう言われるほど内部では熾烈に競争し、ときに一枚岩で協力する。
そういったチームから人が育ち、そして何年経ってもまた
一緒に働きたいと思えるような信頼関係が生まれると思います。
■スーパーボスの組織論
なるほどな、と思ったのが組織論なのですが、
スーパーボス達は部下がキャリアと実力を詰んだあとに離れていく事を
むしろ歓迎さえしていて、それが故に関係も壊れない。
それに、部下を気にかけるので何かあればお互いに関わりあうようになり、
これが結果として一大人脈を業界内に築く事になります。
最後に、日米の違いは認識しておいて良いと思うのですが、
「破格の値段で採用してすぐにクビにする」って事が日本だと
やりづらいと思うので、採用のところはちょっとだけ違って、
より入れる人を厳しく選別する、という方向が良いかもしれません。
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