プレゼンは単なる話し合いの場でもなければ、交渉の場でも、
もちろん“だましの場”でもない。

良い響きですね。

プロフェッショナルプレゼン。 相手の納得をつくるプレゼンテーションの戦い方。


■重要なのは、相手



『プロフェッショナルプレゼン。』を読み終えました。

中身としては、プレゼンテーションをビジネスプランを理解してもらい、
選んでもらう場と捉えなおして準備、組立、実行、反省に分けての
テクニック解説になっています。

博報堂の歴史は競合プレゼンの歴史だから始まる一連の
経験に基づく文章はとても説得力があります。

この本では冒頭に「重要なのは相手である」という文章から始まりますが、
僕も賛成です。いわゆるテクニックに走ったプレゼン本や tips からは、
どちらかと言うと自己陶酔を感じます。

しかし、プレゼンとは本来、相手に納得してもらい行動を促す場。
何が優先されるべきか言うまでもありません。

ちなみに、社内向けにグロービスの「ビジネスプレゼンテーション」のフィードバックを
行ったことがあるのですが、そこでも強調したのもやはりその点です。

kps/second



■選んでもらうために何ができるか?



本書は網羅的な内容でありながら、競合プレゼンに勝つ tips にあふれています。
実感値からそのとおりだ!と思えるものも多く、ひととおりカバーされている
印象です。

・話にくいところは主張が整理されていない証拠
・2案出す
・プレゼンは商品である

などなどあるのですが、特に同意したのは「準備が大切なのだが、臨機応変に行け」
という部分。

準備にフォーカスし、準備をしっかりやると、たとえばスクリプトレベルで内容を暗記する
という方向性に行きがちですが、僕はそれにあまり賛成しません。

どちらかというとストーリーラインと主張の根幹をきちんと理解してもらうことに
フォーカスして、用意した引き出しは必要に応じて開けるのが正解だと思います。

重要なのは相手であり、目的なのです。

用意した資料やデータや主張をすべて説明する必要はなく、
目的が達成されたらそこで目的達成の漏れが無いか確認だけして、
あとはやめてしまえばいいのです。

相手にとっても、結論が出た話を延々とされるのはつらいですから。

プロフェッショナルプレゼン。 相手の納得をつくるプレゼンテーションの戦い方。
小沢 正光
インプレスジャパン
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5 プロの「手のうち」というより、「裏側まで」見せてもらった気分