表では参加者としての意見でしたが、

今回は広告に携わるものとしてイベントを振り返ってみます。


いろいろ書けない事もあるんですが、↓の感じです。

全体的には本当によく設計されたイベントだったと思います。


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○見事だった危機管理

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ソニーマーケティング 北村さんの意見 に感動したのは本当です。

しかしながら、危機管理も見事だったと思います。


具体的に、

 ・冒頭の謝罪による会全体のプロテクション

 ・「何を書こうか?」を聞くことによる事後のプロテクション

の2点。


冒頭謝罪の効果は僕を含めブロガー達の言葉を見てもらえば

いいとして、後者もなかなか秀逸です。


モニター参加者に「何を書くと盛り上がりますかねー?」と

ブレスト形式で聞いた上で、

「分解記事!」「破壊記事!」「プレゼントキャンペーン!」とか

NGっぽいものは「あれ、これSONYさん大丈夫ですか?」とその場

可否を取っていきました。


つまり、意見を聞くという形式を取りつつコンセンサスラインを作っていったわけです。

TechdirtのMichaelがいうところの、BR2.0 ですね。


うーん、さすが“PR”Boradという感じですね。


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○企業⇔田口さん⇔ブロガーの妙

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企業⇔ブロガーのコミュニケーションは何かと利害対立が起こりやすいのですが、

ブロガーである田口さんがうまく間にはいることで回避できていたと思います。


具体的に、モニターキャンペーンの条件である

 ・記事を2回書く

 ・個人情報の預かり

を伝える時、多分SONYさんが直接やっていたら「えー?!」的な空気が

流れてたかもしれません。


そこに、ブロガーである田口さんが「両者にメリットがあるカタチがいいですよね」

「個人情報は百式田口しか見ません」「そんなに重くないすよね?」

という確かにそうかもな翻訳を通すことでうまくリレーションが取れたと思います。


企業⇔ブロガーのコミュニケーションの潤滑油として非常にうまく機能していました。


ブロガーは尊重するけど、企業の言い分もちゃんと分かってる。

という機能性です。


参加者選定も田口さんが行ったようですが、何故か男性ばかりだったので

ある程度はSONYさんの意向が反映されてたのかもしれません。


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○ポジティブサプライズ

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イベントの成功にポジティブサプライズはかかせません。

この点、今回はポジティブサプライズがありました。


例えば「ブログマーケティングについて考えましょう」⇒「製品モニターあげますよー」の場面。

タイミングも製品デモで見せてもらった後だったので完璧でした。


「へー。すごい製品だね。・・・・・・え?モニター?、え?後でもらえるの?!

 事前告知には “マーケティングを考えましょう” だけだったのに!」的な。


他にも細かいのはあったのですが、止めときます。


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○コミュニティの維持とエバンジェリズム

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ブログスフィアはやんわりとコミュニティを形成していると思うのですが、

今回のケースではブログパーツによってそれを明示化してみる試みがされています。


また、「製品使って記事を書いてね」というのも結構重要で、

ファンになってくれて、かつオフ/オンラインで影響力がある人は

後にエバンジェリストにリククルーティングできます。


エバンジェリズムはWOMマーケティングのひとつの手法で、

Six apartの河野氏がそれに近いことを書いています

製品モニターからもエバンジェリストは

生まれると思うんですがどうでしょう?


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○効果計測

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今回はポジティブサプライズ、勉強会というネタ、製品モニターとソーシャルカレンシー
を生み出す要素が結構あったので、オフラインでもバズりそうと思ってたのですが、

どうやらオフラインの方は計測しないみたいです。

イベント自体の目的(企業側の目的)が分からなかったので、なんともいえないのですが、

目標次第(バズの発生によるリテラシーの高いM1層へのリーチとか)ではオフラインも

入れといてOKだったような気がします。


ただ、ネガティブイメージの払拭という意味ではかなり良い線ではないかと思います。

定性(実際の記事)と定量(ソーシャルメディアでのメッセージ伝播/当該ブログのPV)

で計測可能だと思います。


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だらだらになりそうなのでこの辺で。