彼と彼の梅雨明け | 黒チョコの嵐さんと大宮さん妄想書庫

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苦手な方はお気を付けください

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨が降っている

 
梅雨が長い
 
太陽が顔を出さない日も多い
 
 
あぁ、だからか…
 
 
景色が霞んでいる
 
物の輪郭が曖昧で、色も薄ぼんやりとしている
 
音にはザーザーと雑音が混ざっていて、香りは無く、味も無く、手触りも全てが同じ
 
時間も、進んでいるのか止まっているのかよく分からない
 
 
「大野さん」
 
 
ニノの声
 
 
「動かないでください」
 
 
ニノの存在
 
 
「無視したいならすればいいよ」
 
 
それだけが拠り所だから、無視なんてしない
 
 
「智が決めて」
 
 
俺が、決める?
 
…何を?
 
ダメだ、分からない
 
 
思考が霞んでいる
 
 
雨が降っているから
 
梅雨、だから
 
 
 
 
 
 
 
 
「そろそろ時間ですよー」
 
「…うん」
 
「今日は午前から会議ですよね?準備は大丈夫ですか?」
 
「…多分」
 
「はい、鞄、ネクタイはぁ、よし、曲がってない、今日も似合ってます、いってきますのチュー、しますか?」
 
「……え?」
 
「しますか?」
 
「うん…あ、いや、大丈夫、ごめんね、片付け任せちゃって」
 
「出社までまだまだ時間ありますので大丈夫です」
 
「そうだよね、朝ごはん…いつも付き合わせちゃってごめん」
 
「そこ謝るとこじゃないです、俺が一緒に食べたいんです、はい、行ってらっしゃい!」
 
「…行ってきます」
 
 
パタン
 
悲しげな背中が視界から消えた
 
 
「はぁー…」
 
 
お見送りの恒例となってしまったため息を吐く
 
 
「今日もダメかー」
 
 
日に日に元気が無くなっていく
 
今日なんて、ドアの閉まる音も悲しげに聞こえた
 
 
「なんとかしないとダメなのは分かってるんだけどさぁ」
 
 
会社では頑張って気持ちを切り替えてるみたいだけど、本部長の様子が変だという噂がいつ流れ始めてもおかしくない
 
 
「なんとかしないと…なんとか…うーん…」
 
 
大野さんがこんな状態になっている原因は俺だ
 
だから、俺がなんとかしなければならない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
つづく